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第23話 ビーチバレーで「天井サーブ」を打ったら、隕石迎撃ミサイルだと勘違いされました
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「腹も満たされたし、運動するぞー!」
スイカ割りの後、剛田がビーチバレーのネットを張り出した。
夏の日差しが照りつける砂浜。
チーム分けは、俺と剛田の男子チーム対、陽菜・ミア・シャルロットの女子連合チームだ。
「ハンデはいりませんわ。……拓海様と戦えるまたとない機会、全力で奪いにいきます!」
「私のスパイクで、拓海くんのハートを撃ち抜いてみせるわ!」
女子たちが闘志を燃やしている。
一方、剛田は筋肉を見せつけるようにポーズをとっていた。
「アニキ! 俺が前衛で鉄壁のブロックをします! アニキは後衛で、王の如くどっしりと構えていてください!」
「ああ、頼むわ」
試合開始。
じゃんけんで勝った俺たちのサーブからスタートだ。
ボールを持ったのは俺。
(さて、どう打つか……)
俺はバレーボールの経験など体育の授業レベルだ。
かっこつけてジャンプサーブをしてネットに引っ掛けるのは恥ずかしい。
確実に相手コートに入れるなら、あれしかない。
俺はボールを下から掬い上げるように、思い切り高く打ち上げた。
アンダーハンド・サーブの一種、通称「天井サーブ」だ。
ボフッ。
ボールは真っ青な夏の空へと高く舞い上がった。
太陽の光の中に吸い込まれ、姿が見えなくなる。
「き、消えた……!?」
陽菜が空を見上げて呆然とした。
「ボールが……成層圏まで到達したわ! 太陽の光と重なって、完全に視界から消失している……!」
「なんて高さですの……!」
ミアがサングラスをかけて空を凝視する。
「これはただのサーブではありません。……拓海様は、ボールを『衛星軌道』に乗せたのですわ!」
「えっ、軌道!?」
「そうです。地球の自転と重力を計算し、大気圏外からマッハの速度で落下させる……。これはもはやバレーボールではありません。神の杖(サテライトキャノン)による爆撃ですわ!」
(ただの高いサーブだよ。もう落ちてくるぞ)
だが、ボールはなかなか落ちてこない。
風に乗って滞空時間が伸びているらしい。
「……ま、まさか!」
シャルロット王女が、何か恐ろしいことに気づいたように口元を押さえた。
「拓海様は……あのボールで『何か』を狙っているのではなくて?」
「何か?」
「先ほど、王宮の天文台から『微小な隕石が接近中』との報告がありました。……もしや拓海様は、その隕石を撃ち落とすために……!?」
「なっ……! 地球を守るための迎撃ミサイルだったのか!」
剛田が涙を流して空を仰いだ。
「俺たちが遊んでいる間にも、アニキは孤独に世界を救っていたんだな! ありがとうアニキ! ありがとうビーチバレー!」
(違うよ。落ちてきたよ)
ヒュルルルル……。
ようやくボールが落ちてきた。
だが、太陽を背にしているため、女子たちからは黒い点にしか見えない。
「来ますわ! 隕石の破片を纏った、灼熱の流星(メテオ・ストライク)が!」
「逃げて! 直撃したらクレーターができるわ!」
「キャァァァァッ!!」
女子たちが蜘蛛の子を散らすようにコート外へ逃げ出した。
ボールは無人のコートのど真ん中に、ポスッ、と静かに落下した。
砂煙ひとつ立たない、優しい着地だった。
シーン……。
静寂の中、審判役のクラスメイトが震える声でコールした。
「い、イン……。サービスエース……」
その瞬間、歓声が爆発した。
「すごいですわ拓海様! 隕石の衝撃を極限まで相殺し、赤ちゃんの着地のように優しくコントロールするなんて!」
「破壊ではなく、慈愛のサーブ……。地球にも、ボールにも、私たちにも優しい……これぞ『王のサーブ』よ!」
「アニキ! 一生ついていきます!」
俺はただ、高く上げて落としただけだ。
なのに、なぜか「地球防衛成功」という謎の功績で胴上げされることになった。
スイカ割りの後、剛田がビーチバレーのネットを張り出した。
夏の日差しが照りつける砂浜。
チーム分けは、俺と剛田の男子チーム対、陽菜・ミア・シャルロットの女子連合チームだ。
「ハンデはいりませんわ。……拓海様と戦えるまたとない機会、全力で奪いにいきます!」
「私のスパイクで、拓海くんのハートを撃ち抜いてみせるわ!」
女子たちが闘志を燃やしている。
一方、剛田は筋肉を見せつけるようにポーズをとっていた。
「アニキ! 俺が前衛で鉄壁のブロックをします! アニキは後衛で、王の如くどっしりと構えていてください!」
「ああ、頼むわ」
試合開始。
じゃんけんで勝った俺たちのサーブからスタートだ。
ボールを持ったのは俺。
(さて、どう打つか……)
俺はバレーボールの経験など体育の授業レベルだ。
かっこつけてジャンプサーブをしてネットに引っ掛けるのは恥ずかしい。
確実に相手コートに入れるなら、あれしかない。
俺はボールを下から掬い上げるように、思い切り高く打ち上げた。
アンダーハンド・サーブの一種、通称「天井サーブ」だ。
ボフッ。
ボールは真っ青な夏の空へと高く舞い上がった。
太陽の光の中に吸い込まれ、姿が見えなくなる。
「き、消えた……!?」
陽菜が空を見上げて呆然とした。
「ボールが……成層圏まで到達したわ! 太陽の光と重なって、完全に視界から消失している……!」
「なんて高さですの……!」
ミアがサングラスをかけて空を凝視する。
「これはただのサーブではありません。……拓海様は、ボールを『衛星軌道』に乗せたのですわ!」
「えっ、軌道!?」
「そうです。地球の自転と重力を計算し、大気圏外からマッハの速度で落下させる……。これはもはやバレーボールではありません。神の杖(サテライトキャノン)による爆撃ですわ!」
(ただの高いサーブだよ。もう落ちてくるぞ)
だが、ボールはなかなか落ちてこない。
風に乗って滞空時間が伸びているらしい。
「……ま、まさか!」
シャルロット王女が、何か恐ろしいことに気づいたように口元を押さえた。
「拓海様は……あのボールで『何か』を狙っているのではなくて?」
「何か?」
「先ほど、王宮の天文台から『微小な隕石が接近中』との報告がありました。……もしや拓海様は、その隕石を撃ち落とすために……!?」
「なっ……! 地球を守るための迎撃ミサイルだったのか!」
剛田が涙を流して空を仰いだ。
「俺たちが遊んでいる間にも、アニキは孤独に世界を救っていたんだな! ありがとうアニキ! ありがとうビーチバレー!」
(違うよ。落ちてきたよ)
ヒュルルルル……。
ようやくボールが落ちてきた。
だが、太陽を背にしているため、女子たちからは黒い点にしか見えない。
「来ますわ! 隕石の破片を纏った、灼熱の流星(メテオ・ストライク)が!」
「逃げて! 直撃したらクレーターができるわ!」
「キャァァァァッ!!」
女子たちが蜘蛛の子を散らすようにコート外へ逃げ出した。
ボールは無人のコートのど真ん中に、ポスッ、と静かに落下した。
砂煙ひとつ立たない、優しい着地だった。
シーン……。
静寂の中、審判役のクラスメイトが震える声でコールした。
「い、イン……。サービスエース……」
その瞬間、歓声が爆発した。
「すごいですわ拓海様! 隕石の衝撃を極限まで相殺し、赤ちゃんの着地のように優しくコントロールするなんて!」
「破壊ではなく、慈愛のサーブ……。地球にも、ボールにも、私たちにも優しい……これぞ『王のサーブ』よ!」
「アニキ! 一生ついていきます!」
俺はただ、高く上げて落としただけだ。
なのに、なぜか「地球防衛成功」という謎の功績で胴上げされることになった。
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