『パンツの色』を視るだけで最強になった俺、聖女様の『白』で無敵の守護騎士と崇められる ~七色のヒロインに挟まれて理性が限界突破~

白山 乃愛

文字の大きさ
8 / 11
第1章

第8話 混浴(バトル)ロワイアル、湯けむりの向こうは「虹色」の地獄

しおりを挟む
「……レオ。一つだけ質問させてくれ」

湯けむりが立ち込める、広大な岩風呂。
その更衣室で、俺、色島カナタは震える手で服を脱ぎながら、隣にいる親友に問いかけた。

「なんで、全員『混浴』なんだ?」

「計算上、それが最適解だからだ」

西園寺レオは、青いブリーフ一枚(頭には手ぬぐい)という完全装備で、脱衣所のロッカーにノートパソコンを設置していた。

「いいか、カナタ。今回の合宿の目的は、君の『煩悩眼』のキャパシティ拡張だ。……白、黒、赤、紫。四色の強力な魔力を個別に受けるのではなく、同時に、かつ『高温多湿』な環境で摂取することで、君の耐性を限界まで引き上げる」

「俺を殺す気か!?」

「安心しろ。……僕が監視役(レフェリー)として同席する。……いざとなれば、この湯船に大量のドライアイスを投入して冷却する準備もできている」

「それ凍死するだろ!」

俺は抵抗したが、レオに背中を押され、露天風呂への扉を開かされた。

カポーン……。

広がるのは、満月の光に照らされた、幻想的な大露天風呂。
そして、そこに先着していた四人の先客たち。

「あ、カナタくん! 遅いですよ!」
「……まったく。じらさないでよね」
「……ふん。準備運動は済んでいるぞ」
「…………」

湯船の中には、白いバスタオルを巻いた真白セイラ。
黒いバスタオルを巻いた黒崎リリス。
赤いバスタオルを頭にのせた炎堂カグラ。
そして、一番奥で紫のバスタオルを首まで浸けて顔を真っ赤にしている御子柴レン。

四者四様。
バスタオル一枚という、制服よりも防御力が低く、しかし破壊力が高い装備。
湯気で上気した肌。濡れて張り付く髪。

《視覚情報過多(オーバーロード)》
《環境:【混浴】・【湿度100%】》
《ターゲット:全方位(オールレンジ)》

「ぐっ……! 入る前から、鼻血が……!」

俺はタオルで鼻を押さえながら、ふらふらと湯船に足を入れた。
熱い。
お湯の熱さじゃない。視線だ。
四方向から突き刺さる、好意と殺意と羞恥心が入り混じった視線が、俺の肌をチリチリと焼く。

「カナタくん、ここ! 私の隣が空いてます!」
セイラが水面を叩く。その拍子に、白いタオルが危うい位置までズレる。

「あら、こっちの方が眺めがいいわよ? ……ねえ?」
リリスが足を組み替え、水面下で黒い影(絶対領域)をチラつかせる。

「軟弱者め。……私の背中を流す権利をやる。来い」
カグラが背中を向ける。その背筋の美しさと、うなじの色気に俺の理性が削られる。

「……き、貴様……こっちを見るな……! 近寄るな……!」
レンだけが、タオルで胸(先日解放されたばかりの巨乳)を隠して威嚇してくる。可愛い。

「……地獄だ。ここは極彩色の地獄だ」

俺は逃げ場を求めて、レオの背後に隠れようとした。
だが、レオは既に岩場の一角を陣取り、防水タブレットで何かのデータを収集し始めていた。

「カナタ、逃げるな。……中央へ行け。そこで全ての『色』を受け止めるんだ」

「無理だ! 俺のキャパがパンクする!」

その時だった。

ズズズズズ……。

湯船の中央から、不穏な泡が立ち上った。
温泉の色が、急激に濁り始める。
乳白色の湯が、一瞬にしてドス黒い灰色へと変色していく。

「きゃっ!?」
「な、何!?」

ヒロインたちが悲鳴を上げて立ち上がる。
その瞬間、俺の『煩悩眼』が、湯気の中に潜む「異物」を捉えた。

《警告:色彩汚染(カラー・ハザード)感知》
《属性:【澱んだ灰(ダーティ・グレー)】》

「……また来やがったか、ピュリティ!」

俺が叫ぶと同時に、湯の中から無数の「灰色の手」が伸びてきた。
それはヒロインたちのバスタオルを掴み、引き剥がそうとする。

「いやぁぁぁ! 離して!」
「ちょっと! 私のタオルに何すんのよ!」

『……不潔……不潔……。裸の付き合いなど……破廉恥です……』

湯の中から現れたのは、全身が泥のような灰色で構成されたゴーレムたちだった。
こいつら、俺たちの混浴を邪魔しに来たのか。
いや、違う。

「狙いはタオルか! こいつら、ヒロインを全裸にして羞恥心で精神崩壊させる気だ!」

「なんだそのエロ同人みたいな戦術は!」
カグラが叫びながら、素手でゴーレムを殴り飛ばす。
だが、殴った腕からタオルが緩む。

「くっ……! 戦えない! タオルが落ちる!」

カグラも、リリスも、レンも、片手で胸や腰を押さえているため、本来の戦闘力が発揮できない。
セイラに至っては、「キャー!」と叫んで俺の背中にしがみついているだけだ(柔らかい)。

絶体絶命。
全裸になれば社会的に死ぬ。
戦わなければ精神的に死ぬ。

「……レオ! どうすればいい!」

「……計算不能だ! こちらの『露出リスク』が高すぎる! カナタ、君が囮になって全員の視線を集めるしかない!」

「俺が全裸になれってことか!?」

「そうだ! 君がフルチンで仁王立ちすれば、敵のヘイト(とヒロインの悲鳴)は君に集中する!」

「ふざけんな!」

だが、迷っている暇はない。
レンのタオルが、ゴーレムに引っ張られ、限界まで伸びている。

「……あ、あぁ……! もうダメ……外れる……!」

「レン!」

俺は飛び出した。
湯しぶきを上げ、レンとゴーレムの間に割って入る。

「その『紫』は……まだ誰にも見せちゃいけねぇんだよォォォッ!!」

俺は、レンのタオルを掴んでいるゴーレムの腕を、俺のタオルで巻き付けた。
そして、渾身の力で引っ張る。

ブチィッ!!

ゴーレムの腕が千切れる。
同時に、反動で俺の腰に巻いていたタオルも弾け飛んだ。

「――ッ!!」

一瞬の静寂。
月光の下、俺は生まれたままの姿で、仁王立ちしていた。
その姿は、神々しいまでに無防備で、そして堂々としていた。

「……」
「……」
「……」
「……」

四人のヒロインの視線が、俺の一点に集中する。

《注目度:MAX》
《羞恥心:限界突破》
《スキル発動:【裸の王様(ネイキッド・キング)】》
《効果:周囲の女性キャラを「硬直(スタン)」させ、敵のターゲットを全て自分に向ける》

『……汚らわしい……! なんと……なんと立派な……!』

灰色のゴーレムたちすらも、俺の堂々たるイチモツに畏怖し、動きを止めた。

「見ろ、ピュリティ! これが男の『真実(ありのまま)』だ!」

俺は叫んだ。
羞恥心で死にそうだ。だが、その熱が、俺の身体を燃え上がらせる。

「みんな、今だ! 俺が視線を集めている間に、攻撃しろ!」

「……バカ」

レンが、真っ赤な顔で呟いた。
だが、その手にはしっかりと魔力が込められている。

「……最低の変態……。でも、助かったわ」

リリスが黒いオーラを練り上げる。

「見直したぞ……いや、見損なったが、見直した!」

カグラが拳を握る。

「カナタくん……立派です……!」

セイラが聖なる光を放つ。

「いっけぇぇぇぇッ!!」

四人のヒロインによる、羞恥と怒りの合体攻撃が炸裂した。
白、黒、赤、紫の閃光が、温泉街の夜空を虹色に染め上げる。

ドゴォォォォォォン!!

灰色のゴーレムたちは一瞬で蒸発し、温泉のお湯が半分以上吹き飛んだ。


「……で、どうするのよ、これ」

戦闘終了後。
お湯がなくなった岩風呂の底で、俺たちは立ち尽くしていた。
俺は全裸(手桶で隠している)。
ヒロインたちもタオルがボロボロだ。

「……レオ。服を持ってきてくれ」

俺が虚空に呼びかけると、岩陰からレオが親指を立てて現れた。

「いいデータが取れたよ、カナタ。……君のイチモツの輝きは、Sランク級だった」

「うるせぇ!」

こうして、史上最悪にして最高の混浴ナイトは幕を閉じた。
だが、ピュリティの襲撃がここまで激化しているということは、敵の本拠地が近いことを意味していた。

俺たちは知る由もなかった。
この温泉の地下深くに、師匠アゲハが封印した「伝説のパンツ」が眠っていることを。

最終章・地下迷宮編へ続く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

盾乃あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。 敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。 結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。 だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。 「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」 謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。 少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。 これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。 【※作者は日本語を勉強中の外国人です。表現が拙い部分もあるかもしれませんが、温かく見守っていただけると嬉しいです。】

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

魅了の対価

しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。 彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。 ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。 アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。 淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。

迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる

九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。 ※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

処理中です...