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第5話 空っぽの段ボール
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朝の光が、無慈悲に部屋を照らし出していた。
愛梨は、俺の腕の中で死んだように眠っている。
シーツからはみ出した彼女の肩には、俺がつけた生々しい歯形。
そして、開いた股の間からは、一晩中注ぎ込み続けた俺の証が、乾き始めて白くこびりついていた。
俺は重い体を起こし、崩れ落ちた段ボールの山に目をやった。
「……っ?」
違和感に気づいたのは、その時だった。
崩れた拍子に蓋が開いた段ボールの中身――。
そこには、東京での新生活に必要なものなんて、何一つ入っていなかった。
入っていたのは、古いアルバム。俺たちの写真。
そして、大量の「拓也」という名前が書かれた婚姻届。
「……見ちゃった?」
背後から、低く、湿った声がした。
振り向くと、愛梨が起きていた。
昨夜の淫らな表情とは一変した、底の見えない無機質な瞳で俺を見ている。
「愛梨、これ……どういうことだよ。東京に行く準備は……」
「東京なんて、最初から行かないよ。内定なんて一回ももらってないもん」
愛梨はゆっくりと起き上がり、一糸まとわぬ姿で俺に這い寄ってきた。
彼女の腹部は、俺の種をたっぷり飲み込んだせいで、心なしかふっくらと張っているように見える。
「……拓也を焦らせたかっただけ。今日という期限を作れば、拓也は私を抱いてくれるって信じてた」
「お前……狂ってるのか?」
「そうだよ。二十年も片想いしてたら、誰だって狂うよ。……でも、成功した」
愛梨は俺の膝に顔を埋め、クスクスと笑い始めた。
その声は、震えるほど愛おしく、そして恐ろしかった。
「今、私のお腹の中、拓也でいっぱいだよ。……昨日、排卵検査薬、見せたよね? あれ、本物だよ。お土産じゃない。……拓也の子供を産んで、この街で、拓也を一生縛り付けるための鎖」
俺は絶句した。
逃げるための上京。それを引き止めるためのセックス。
すべては、この女が描いた完璧なシナリオだった。
「……逃げられないよ、拓也。もう中出しなんてレベルじゃないくらい、注ぎ込んだんだから」
愛梨の手が、再び俺のモノに伸びる。
冷たい指先が触れた瞬間、俺は激しい嫌悪と、それ以上の、抗えない情欲に突き動かされた。
「……ああ、分かったよ。お前の勝ちだ、愛梨」
俺は彼女の細い首を絞めるように掴み、押し倒した。
「一生、俺の種で汚してやる。逃げたくても逃げられないくらい、毎日、腹の中に叩き込んでやるよ」
「うんっ……嬉しい……大好きだよ、拓也……っ!」
窓の外では、彼女が行くはずだった新幹線の時間が過ぎていく。
けれど、この部屋の時計は、永遠に止まったまま。
共犯者どころじゃない。
俺たちは今、世界で一番深く、汚れた地獄へと足を踏み入れたのだ。
愛梨は、俺の腕の中で死んだように眠っている。
シーツからはみ出した彼女の肩には、俺がつけた生々しい歯形。
そして、開いた股の間からは、一晩中注ぎ込み続けた俺の証が、乾き始めて白くこびりついていた。
俺は重い体を起こし、崩れ落ちた段ボールの山に目をやった。
「……っ?」
違和感に気づいたのは、その時だった。
崩れた拍子に蓋が開いた段ボールの中身――。
そこには、東京での新生活に必要なものなんて、何一つ入っていなかった。
入っていたのは、古いアルバム。俺たちの写真。
そして、大量の「拓也」という名前が書かれた婚姻届。
「……見ちゃった?」
背後から、低く、湿った声がした。
振り向くと、愛梨が起きていた。
昨夜の淫らな表情とは一変した、底の見えない無機質な瞳で俺を見ている。
「愛梨、これ……どういうことだよ。東京に行く準備は……」
「東京なんて、最初から行かないよ。内定なんて一回ももらってないもん」
愛梨はゆっくりと起き上がり、一糸まとわぬ姿で俺に這い寄ってきた。
彼女の腹部は、俺の種をたっぷり飲み込んだせいで、心なしかふっくらと張っているように見える。
「……拓也を焦らせたかっただけ。今日という期限を作れば、拓也は私を抱いてくれるって信じてた」
「お前……狂ってるのか?」
「そうだよ。二十年も片想いしてたら、誰だって狂うよ。……でも、成功した」
愛梨は俺の膝に顔を埋め、クスクスと笑い始めた。
その声は、震えるほど愛おしく、そして恐ろしかった。
「今、私のお腹の中、拓也でいっぱいだよ。……昨日、排卵検査薬、見せたよね? あれ、本物だよ。お土産じゃない。……拓也の子供を産んで、この街で、拓也を一生縛り付けるための鎖」
俺は絶句した。
逃げるための上京。それを引き止めるためのセックス。
すべては、この女が描いた完璧なシナリオだった。
「……逃げられないよ、拓也。もう中出しなんてレベルじゃないくらい、注ぎ込んだんだから」
愛梨の手が、再び俺のモノに伸びる。
冷たい指先が触れた瞬間、俺は激しい嫌悪と、それ以上の、抗えない情欲に突き動かされた。
「……ああ、分かったよ。お前の勝ちだ、愛梨」
俺は彼女の細い首を絞めるように掴み、押し倒した。
「一生、俺の種で汚してやる。逃げたくても逃げられないくらい、毎日、腹の中に叩き込んでやるよ」
「うんっ……嬉しい……大好きだよ、拓也……っ!」
窓の外では、彼女が行くはずだった新幹線の時間が過ぎていく。
けれど、この部屋の時計は、永遠に止まったまま。
共犯者どころじゃない。
俺たちは今、世界で一番深く、汚れた地獄へと足を踏み入れたのだ。
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