2 / 25
第2話 最強のドラゴンに「お座り」と言ってみた
しおりを挟む
「……デカすぎだろ、ふざけんなよ」
王城の跳ね橋の上。
俺、黒瀬カイトは、乾いた笑いを漏らすことしかできなかった。
目の前には、視界を完全に覆い尽くす真紅の絶望。
全身から溶岩のような熱気を撒き散らす、正真正銘のドラゴンだ。
吐く息だけで硫黄の臭いが鼻をつき、俺の眉毛がチリチリと焦げるのがわかる。
『グルルルゥ……。貴様か? 城内から放たれた強大な魔力の主は』
ドラゴンの低い唸り声だけで、大気がビリビリと震え、鼓膜が破れそうだ。
背後の安全地帯(城壁)では、この状況を作った元凶である国王たちが、ガタガタ震えながら見物している。
「カイト様……! 頼みます、あのような化け物、一撃で葬ってください!」
「我らが救世主の力、とくと見せてやれ!」
無責任な声援が背中に突き刺さる。
やかましい。お前らが戦えよ。
俺の背中は冷や汗でグショグショだ。こっちは魔力1の村人なんだぞ。勝てるわけがない。
逃げたい。今すぐ土下座して靴を舐めてでも助かりたい。
だが、後ろを見れば騎士団が弓を構えている。前にはドラゴン。
どっちに転んでも「死」だ。
俺に残された武器は、ふざけたスキル【虚言現(リアル・ライ)】と、ペラペラの舌一枚だけ。
『……人間風情が。なぜ武器を抜かぬ?』
ドラゴンが怪訝そうに目を細めた。
チャンスだ。
相手が「疑問」を持ったということは、まだ「対話」のテーブルに乗っているということだ。
俺は恐怖で笑い出しそうな膝を、無理やり「武者震い」に見えるよう堂々と踏み出した。
そして、わざとらしく大きなあくびを噛み殺してみせる。
詐欺師の鉄則その2。『逃げ場がない時ほど、余裕を見せろ』。
「……あーあ。せっかくの昼寝が台無しだ」
俺はドラゴンの鼻先5メートル――吐息で火傷しそうな距離まで近づき、ゴミを見るような目で彼を見上げた。
『なんだと?』
「武器? 必要ない。たかがトカゲ一匹殺すのに、わざわざ道具を使う人間がいるか?」
俺はポケットに手を突っ込み、もっとも無防備な腹を晒す。
「3秒やる。その間に尻尾を巻いて消えろ。……さもなくば、この大陸の生態系から『ドラゴン』という種族が絶滅することになるぞ」
『ぬかせぇぇぇぇッ!!』
ドラゴンの逆鱗に触れた。
巨大な口が開き、喉の奥で灼熱の炎が渦を巻く。
ブレスが来る。死ぬ。骨も残らない。
俺の本能が「逃げろ」と警鐘を鳴らす。だが、俺は石のように動かない。
ここで防御姿勢を取れば、「攻撃を恐れている」と見抜かれて終わる。
(信じろ……! 俺は最強だ。俺の周囲には、何人たりとも侵せない『絶対不可侵の結界』がある!)
俺は心の中で必死に念じ、口に出してハッタリを叫んだ。
「吐いてみろ! その瞬間、自分の炎が逆流して自滅するのはお前だぞ!!」
ドラゴンの動きが一瞬、ピタリと止まる。
生物としての本能的な警戒。
「こいつ、なぜ死を前にして棒立ちなのか?」という違和感。
(迷ったな? そこが付け入る隙だ!)
俺は畳み掛ける。相手に考える隙を与えるな。
「気づかないか? 俺はすでに、お前の心臓に『魔法の楔』を打ち込んでいる」
『な、に……?』
「俺が指を鳴らせば、お前の心臓は内側から破裂する。……自分の胸に聞いてみろ」
俺は右手を高く掲げ、指を鳴らす構えを取った。
ドラゴンの瞳孔が開く。
今のハッタリで、奴は無意識に自分の胸の鼓動を意識したはずだ。
「ドクン」という普段通りの鼓動が、恐怖というフィルターを通すことで「違和感」に変わる。
《信仰率30%……55%……判定成功》
《嘘現出:対象に『死の予兆』を植え付けます》
『ガッ……!? ぐ、うぅ……ッ!?』
突如、ドラゴンが胸を押さえて苦悶の声を上げた。
実際には何もしていない。俺はただ立っているだけだ。
だが、奴が「心臓を握られている」と信じた瞬間、スキルが現実の激痛を作り出したのだ。
「遅い。しつけが必要だな」
俺は冷酷に言い放ち、パチン! と指を鳴らした。
『ギャアアアアアッ!!』
激痛がドラゴンを襲う(と錯覚している)。
山のような巨体が地面に崩れ落ち、凄まじい地響きが鳴った。
『ま、待て! 降参だ! なんだこの力は……魔法の痕跡すら感じなかったぞ!?』
「魔法? 違うな。これは『支配』だ」
俺は倒れたドラゴンの眼前に立ち、低く囁いた。
「お座り」
『……ッ!?』
「聞こえなかったか? ハウス」
プライド高きドラゴンが、屈辱に顔を歪める。
だが、心臓を握られている(という嘘)恐怖には勝てない。
ズズズ……。
巨大なドラゴンが、おずおずと後ろ足を折り、犬のように地面に座った。
静寂。
そして、城壁から爆発的な歓声が上がった。
「す、すげえええええ!!」
「ドラゴンを手懐けたぞ!」
「カイト様万歳! 最強の英雄万歳!」
俺は内心で(心臓止まるかと思った……今すぐトイレ行きたい……)とへたり込みそうになる足を必死で支え、ドラゴンに背を向けた。
「……興が冷めた。命だけは拾ったな、トカゲ」
さあ、これで一件落着だ。
城に戻って、この震えを止めるために高い酒でも飲もう。
そう思った、次の瞬間だった。
ボムッ!!
背後で白い煙が上がった。
『……見事です、我が主(マスター)』
凛とした、鈴を転がすような女の声。
俺が恐る恐る振り返ると――。
そこには、巨大なドラゴンの姿はなかった。
代わりに、燃えるような赤い長髪に、真紅のドレスを纏った美女が跪いていた。
頭には二本の角。背中には小さな翼。
間違いなく、さっきのドラゴンだ。
「……は?」
彼女は頬を紅潮させ、潤んだ瞳で俺を見上げ、とんでもないことを言った。
「これほど圧倒的な『雄』に敗北したのは初めて……♡ 竜の掟に従い、私はあなた様の『伴侶(妻)』となります」
「は?」
「さあマスター、今すぐ契約の儀式(キス)を! そして末永く、死が二人を分かつまで離れませぬ!」
美女が感極まって俺に抱きついてくる。
「ぐえっ……!?」
ミシミシッ!!
俺の背骨から、聞いてはいけない音がした。
柔らかい感触? そんなもの楽しむ余裕はない。
万力で締め上げられているような、致死レベルのパワーだ。
(痛い痛い痛い! 折れる! 背骨が粉になる!!)
城壁からは「おおお! 英雄様、ドラゴンを嫁にするとは!」と冷やかしの声。
待て。待ってくれ。
俺はレベル1の貧弱一般人だぞ?
こんな馬鹿力女と結婚してみろ。
「あなた~♡」とハグされただけで、俺の上半身と下半身がサヨナラすることになるぞ!?
「ちょ、離せ! 苦し……!」
「まあ、照れていらっしゃるのですか? 可愛らしい♡ 一生愛しますわ!!」
「ぎゃあああああああ!!」
だめだ、完全に信じきっている上に、話が通じない。
最強の詐欺師カイト。
ドラゴンを倒した結果、「物理的に愛が重すぎる嫁」に命を脅かされることになった。
王城の跳ね橋の上。
俺、黒瀬カイトは、乾いた笑いを漏らすことしかできなかった。
目の前には、視界を完全に覆い尽くす真紅の絶望。
全身から溶岩のような熱気を撒き散らす、正真正銘のドラゴンだ。
吐く息だけで硫黄の臭いが鼻をつき、俺の眉毛がチリチリと焦げるのがわかる。
『グルルルゥ……。貴様か? 城内から放たれた強大な魔力の主は』
ドラゴンの低い唸り声だけで、大気がビリビリと震え、鼓膜が破れそうだ。
背後の安全地帯(城壁)では、この状況を作った元凶である国王たちが、ガタガタ震えながら見物している。
「カイト様……! 頼みます、あのような化け物、一撃で葬ってください!」
「我らが救世主の力、とくと見せてやれ!」
無責任な声援が背中に突き刺さる。
やかましい。お前らが戦えよ。
俺の背中は冷や汗でグショグショだ。こっちは魔力1の村人なんだぞ。勝てるわけがない。
逃げたい。今すぐ土下座して靴を舐めてでも助かりたい。
だが、後ろを見れば騎士団が弓を構えている。前にはドラゴン。
どっちに転んでも「死」だ。
俺に残された武器は、ふざけたスキル【虚言現(リアル・ライ)】と、ペラペラの舌一枚だけ。
『……人間風情が。なぜ武器を抜かぬ?』
ドラゴンが怪訝そうに目を細めた。
チャンスだ。
相手が「疑問」を持ったということは、まだ「対話」のテーブルに乗っているということだ。
俺は恐怖で笑い出しそうな膝を、無理やり「武者震い」に見えるよう堂々と踏み出した。
そして、わざとらしく大きなあくびを噛み殺してみせる。
詐欺師の鉄則その2。『逃げ場がない時ほど、余裕を見せろ』。
「……あーあ。せっかくの昼寝が台無しだ」
俺はドラゴンの鼻先5メートル――吐息で火傷しそうな距離まで近づき、ゴミを見るような目で彼を見上げた。
『なんだと?』
「武器? 必要ない。たかがトカゲ一匹殺すのに、わざわざ道具を使う人間がいるか?」
俺はポケットに手を突っ込み、もっとも無防備な腹を晒す。
「3秒やる。その間に尻尾を巻いて消えろ。……さもなくば、この大陸の生態系から『ドラゴン』という種族が絶滅することになるぞ」
『ぬかせぇぇぇぇッ!!』
ドラゴンの逆鱗に触れた。
巨大な口が開き、喉の奥で灼熱の炎が渦を巻く。
ブレスが来る。死ぬ。骨も残らない。
俺の本能が「逃げろ」と警鐘を鳴らす。だが、俺は石のように動かない。
ここで防御姿勢を取れば、「攻撃を恐れている」と見抜かれて終わる。
(信じろ……! 俺は最強だ。俺の周囲には、何人たりとも侵せない『絶対不可侵の結界』がある!)
俺は心の中で必死に念じ、口に出してハッタリを叫んだ。
「吐いてみろ! その瞬間、自分の炎が逆流して自滅するのはお前だぞ!!」
ドラゴンの動きが一瞬、ピタリと止まる。
生物としての本能的な警戒。
「こいつ、なぜ死を前にして棒立ちなのか?」という違和感。
(迷ったな? そこが付け入る隙だ!)
俺は畳み掛ける。相手に考える隙を与えるな。
「気づかないか? 俺はすでに、お前の心臓に『魔法の楔』を打ち込んでいる」
『な、に……?』
「俺が指を鳴らせば、お前の心臓は内側から破裂する。……自分の胸に聞いてみろ」
俺は右手を高く掲げ、指を鳴らす構えを取った。
ドラゴンの瞳孔が開く。
今のハッタリで、奴は無意識に自分の胸の鼓動を意識したはずだ。
「ドクン」という普段通りの鼓動が、恐怖というフィルターを通すことで「違和感」に変わる。
《信仰率30%……55%……判定成功》
《嘘現出:対象に『死の予兆』を植え付けます》
『ガッ……!? ぐ、うぅ……ッ!?』
突如、ドラゴンが胸を押さえて苦悶の声を上げた。
実際には何もしていない。俺はただ立っているだけだ。
だが、奴が「心臓を握られている」と信じた瞬間、スキルが現実の激痛を作り出したのだ。
「遅い。しつけが必要だな」
俺は冷酷に言い放ち、パチン! と指を鳴らした。
『ギャアアアアアッ!!』
激痛がドラゴンを襲う(と錯覚している)。
山のような巨体が地面に崩れ落ち、凄まじい地響きが鳴った。
『ま、待て! 降参だ! なんだこの力は……魔法の痕跡すら感じなかったぞ!?』
「魔法? 違うな。これは『支配』だ」
俺は倒れたドラゴンの眼前に立ち、低く囁いた。
「お座り」
『……ッ!?』
「聞こえなかったか? ハウス」
プライド高きドラゴンが、屈辱に顔を歪める。
だが、心臓を握られている(という嘘)恐怖には勝てない。
ズズズ……。
巨大なドラゴンが、おずおずと後ろ足を折り、犬のように地面に座った。
静寂。
そして、城壁から爆発的な歓声が上がった。
「す、すげえええええ!!」
「ドラゴンを手懐けたぞ!」
「カイト様万歳! 最強の英雄万歳!」
俺は内心で(心臓止まるかと思った……今すぐトイレ行きたい……)とへたり込みそうになる足を必死で支え、ドラゴンに背を向けた。
「……興が冷めた。命だけは拾ったな、トカゲ」
さあ、これで一件落着だ。
城に戻って、この震えを止めるために高い酒でも飲もう。
そう思った、次の瞬間だった。
ボムッ!!
背後で白い煙が上がった。
『……見事です、我が主(マスター)』
凛とした、鈴を転がすような女の声。
俺が恐る恐る振り返ると――。
そこには、巨大なドラゴンの姿はなかった。
代わりに、燃えるような赤い長髪に、真紅のドレスを纏った美女が跪いていた。
頭には二本の角。背中には小さな翼。
間違いなく、さっきのドラゴンだ。
「……は?」
彼女は頬を紅潮させ、潤んだ瞳で俺を見上げ、とんでもないことを言った。
「これほど圧倒的な『雄』に敗北したのは初めて……♡ 竜の掟に従い、私はあなた様の『伴侶(妻)』となります」
「は?」
「さあマスター、今すぐ契約の儀式(キス)を! そして末永く、死が二人を分かつまで離れませぬ!」
美女が感極まって俺に抱きついてくる。
「ぐえっ……!?」
ミシミシッ!!
俺の背骨から、聞いてはいけない音がした。
柔らかい感触? そんなもの楽しむ余裕はない。
万力で締め上げられているような、致死レベルのパワーだ。
(痛い痛い痛い! 折れる! 背骨が粉になる!!)
城壁からは「おおお! 英雄様、ドラゴンを嫁にするとは!」と冷やかしの声。
待て。待ってくれ。
俺はレベル1の貧弱一般人だぞ?
こんな馬鹿力女と結婚してみろ。
「あなた~♡」とハグされただけで、俺の上半身と下半身がサヨナラすることになるぞ!?
「ちょ、離せ! 苦し……!」
「まあ、照れていらっしゃるのですか? 可愛らしい♡ 一生愛しますわ!!」
「ぎゃあああああああ!!」
だめだ、完全に信じきっている上に、話が通じない。
最強の詐欺師カイト。
ドラゴンを倒した結果、「物理的に愛が重すぎる嫁」に命を脅かされることになった。
10
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
砂の揺籠
哀川アルマ
ファンタジー
ハーブロート公爵家の愛人の子、レイラ・ハーブロート公爵令嬢は、典型的な我儘令嬢でどうしようもないと噂される。
義母も相当な放蕩な女で、苦労している姉のシローヌ・ハーブロート公爵令嬢に同情の声が寄せられ、ハーブロート公爵の名声は地に落ちつつあった。
王太子妃の開いたお茶会でも暴れるレイラだが…?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
初の投稿です。
楽しんでいただければ幸いです。
遊び人の侯爵嫡男がお茶会で婚約者に言われた意外なひと言
夢見楽土
恋愛
侯爵嫡男のエドワードは、何かと悪ぶる遊び人。勢いで、今後も女遊びをする旨を婚約者に言ってしまいます。それに対する婚約者の反応は意外なもので……
短く拙いお話ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
このお話は小説家になろう様にも掲載しています。
短編)どうぞ、勝手に滅んでください。
黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。
あらすじ)
大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。
政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。
けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。
やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。
ーーー
※カクヨム、なろうにも掲載しています
婚約破棄されたその後は、何も起きない日々でした
ふわふわ
恋愛
婚約破棄――
それは、多くの令嬢にとって人生を揺るがす一大事件。
けれど彼女は、泣き叫ぶことも、復讐に走ることもなかった。
「……では、私は日常に戻ります」
派手なざまぁも、劇的な逆転劇もない。
彼女が選んだのは、線を引き、基準を守り、同じ判断を繰り返すこと。
王宮では改革が進み、領地では生活が整えられていく。
誰かが声高に称えられることもなく、
誰かが悪役として裁かれることもない。
それでも――
混乱は起きず、争いは減り、
人々は「明日も今日と同じである」ことを疑わなくなっていく。
選ばない勇気。
変えない決断。
名を残さず、英雄にならない覚悟。
これは、
婚約破棄をきっかけに
静かに日常を守り続けた一人の令嬢と、
その周囲が“当たり前”を取り戻していく物語。
派手ではない。
けれど、確かに強い。
――それでも、日常は続く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる