鬼畜皇子と建国の魔女

Adria

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第一部

5.建国の魔女※

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「ひっ、やあっ、ああ! う、うごくなっ…ひぃ、んんっ……あ、ああっ、も、やめて、くれっ……またっ! ああっ! もうイッてしまっ……」



 ルキウスは次は、私をイカせまくって遊んでいる。私が、泣き叫んでも楽しそうに笑うだけで、やめてくれない。ルキウスのモノを挿入されているだけでも屈辱なのに、何故こんなにも気持ちが良く、イカされてしまうのだ。



 何故、私がこのような屈辱を……。
 これは私の感覚ではない。この体の持ち主であるルイーザの感覚だ。



 だって、私はこんなのは知らない。前世、こんな事は誰ともした事がない……。



「どうした? 腰が動いているぞ」
「やめろ、うそだっ……ああっ、ぁひっ、っんぅ……ああっ、あっ、また、イッ……ック! いやだ、ああっ! いやっ、いやだっ、また……あっ、あ、あんっ、あぁ~っ!!」



 何度もイカされて、私は頭も体もぐずぐずで、もう段々訳が分からなくなってきた。


 ……何時間経ったんだろう。
 ルキウスはまだまだ余裕そうだが、私はもう限界だ。休ませて欲しい。



 ひっきりなしに快感を与えられて、イカされて、これ以上は頭がおかしくなりそうだ。死にそうだ。



「もぅ、やめろっ、ちょっ、休ませてっ、ああっ、待っ、うごかなっ……頼むっ、も、イキたくなっ……ルキウ、スッ、ひぅ、ッ、あああぁぁ!!」
「何を言っている……、其方が屈服するまで続けるに決まっているだろう」



 ……もう限界だ……助けて欲しい……。
 私が、その場しのぎでも逃げないと約束すれば良いのだろうか……。




「んんぅ! それ、やらぁ、深ぃ、あああっ!! も、壊れるっ、やああぁぁぁ!! おかひぃ、おかひく、なるっ……死ぬっ!! んんあ───っ!!」
「安心しろ。人間はそんなに簡単に壊れたりはしない」



 そんな事を言うが、もう頭が変になりそうだ。



「たのむっ……も、許ひへっ……も、むりぃ、ああ、あああ……も、負けっ、負けでいいからっ、も、逃げないからっ、ひああぁぁぁっ!!」
「クッ、その言葉を忘れるなよ」



 ルキウスは、私が泣きながら負けを認めると、私の髪を掴み、私の目をジッと見つめた。見透かされそうな目だが、私の目は取り繕う余裕などなく、ただ解放して欲しい、助けて欲しいとしか、映していない。



「ふあっ、っひ、んっ……ひゃっ、ああっ、やめ……奥……っひッ……イッてる、イッてるから! あああ!!」
「そろそろ私も出すぞ」
「ひっ、やめろ、ナカは駄目だっ……身篭ったら、どうすっ……ひゃあんっ、やっ! やめっ、あんっ、ああっ、いやだっ」
「産めるのなら、いくらでも産め。お前は私の妃となるのだからな」



 私は、お前の正妃にも側室にもならぬ。
 絶対に逃げてやるのだからな……その時に身篭っているなど御免だ。




「あひっ、も、ダメッ、イ、ックっ!! ひっ、やあっ、ああ! う、うごかすなっ……ひぃ、んんっ…あ、ああっ、も、むりぃ……いやだっ、いやっ! あああぁぁぁ!!」





 私が一際大きく仰け反った時、ルキウスは私のナカに精を出した。
 私が終わった後も体をビクビクと震わせ、焦点の合わない目でルキウスを見ていると、ルキウスは私に水を差し出してくれた。



 私が、その気遣いに意外だなと思いながら、ルキウスを見つめていると、ルキウスはフッと笑った。



「毒など入れておらぬから、飲め。啼きすぎて、喉が渇いただろう?」
「なっ、なっ……」



 前言撤回だ! 気遣いなどない! 私を揶揄からかう為だ! くそっ……。



 私は憤慨したが、喉が渇いているのは事実なので、その水を飲む事にした。水に罪はないからな。
 それに此奴は、毒などで人を殺めたりはせぬだろう。己の手を直接血に濡らす事に悦びを覚える危ない人間だ。




「其方は、初代皇帝に懸想していたのだろう? 其方は側室だったのか?」
「ぐっ、ゲホッ、ゲホッ、ッ! 鼻、鼻に入った!」


 飲もうとした瞬間、突然変なことを聞かれて、私は盛大に咽せただけでなく、鼻にまで入ってしまい、苦し紛れにルキウスを睨んだ。




「我がカスティリオーネ帝国の名は、其方の名だろう? 建国の魔女、ルドヴィカ・カスティリオーネよ」
「……それはマルクスが私の功績だとか意味の分からぬ事をほざいて、国の名に決めてしまったのだ。恐らく、考えるのが面倒だったのだと、私は疑っているが……」
「そうか? 寵愛の深さが窺えるが?」



 私は慌てて首を振った。取れるんじゃないかと思うくらいに、思いっきり首を横に振った。



「ない! ない! ない! マルクスにはルチアがいるのだ! 其方たちの初代皇后だろう? 忘れたのか?」
「…………だが、お前は懸想しているだろう?」



 ぐっ……何故だ……。何故、そう見えるのだ?
 確かに想いを寄せていた事もあったが、マルクスはルチアを大切にしていたし、間に割って入る隙などなかった……。
 ルチアも優しくて良い友人だったし……私は折角の和を乱したくなどなかったのだ。それにそんな勇気もなかった。



 だから、私はマルクスの戦友として盾として、生きると決めたのだ。




「では、質問を変えようか。何故、其方だけ魔法を使えるのだ?」
「…………世界に目を向ければ魔法を使える者は、いくらでもいる。此処とは違う大陸にある国……私の生まれた国では王侯貴族ならば、誰しも魔法を使えた……」
「では、其方は貴族の出だと?」
「ああ、何処ぞの貴族の私生児だ……」



 だが、魔力の高さから政略の道具に使われそうになり、国を飛び出したのだったな。今となっては、過ぎた話だが……。




「ふむ。私が初代皇帝ならば、其方の血を取り入れるだろう。其方の生む子も魔力を有している可能性が高いのだ。惚れた腫れたでは、国を治める事など出来ぬ。その証拠に初代皇后の功績など、何も残っておらぬ」



 ルキウスは、血を重んじるのであれば、平民を皇后に迎えるより、他国の公女を皇后に迎える方が、余程マシだと続けた。



「ルチアを侮辱するな! それを言うなら、マルクスだとて、元は一介の兵士だ。それに私はただの妾の子だ。公女などと呼ばれて良い者ではない」
「何も持たぬ娘と、他国の貴族の血筋と魔力を持つ娘、賢き者なら、どちらを取るかは明白だが?」



 初代皇后など、側室で充分な女だと、嘲笑混じりに言ったルキウスに、私は持っていたグラスの水をルキウスにかけてしまった。



 ルキウスの目が怖い……。
 頼むからマルクスに似た顔で、ルチアを否定しないでくれ。




「ルチアは、マルクスが辛い時代から共に苦労を重ね、支えてきた良き女だ。私のように、魔法をぶっ放すしか能のない女ではない」




 第一、何だ……1人の女の血筋や功績。そんなもの、建国に必要か? マルクスと周りを固める私たちがしっかりしていれば良い話だ。
 ルチアが戦場に出る必要などないのだから、戦においての功績などある訳がないだろう。


 第一、先祖を馬鹿にするなど最低だな、この男。クズだ、クズ。



「ルキウスは、血筋と魔力を気にしているようだが……。ルイーザを婚約者としているのは、血筋はなくとも魔力があるからか?」
「当たり前だ。そうでなければ、何故私があのような卑しい生まれの女の相手をせねばならぬのだ」




 分かってはいたが、本当にクズだな。
 上辺だけでも愛を囁いているなら、それを貫けよ……中身が変わったからといって、こうも容易くルイーザへの想いまで暴露しおって……。




「ルイーザは予言を受けたが、魔法を扱うのが呆れる程に下手だった。何度、怒鳴りつけそうになったのを我慢したか……。だが、其方と入れ替わったおかげで、私には好都合だ」
「……好都合だと?」
「これから、私の為に色々と働いてもらうぞ。初代皇帝にしたように、私に忠誠を誓え。さすれば、私は其方を皇后にしてやろう」





 忠誠? 別に私はマルクスにも、そんなものを誓った覚えなどない。友人に忠誠など、ふざけた事を……。



「嫌だ。ルイーザのような卑しい生まれの女は嫌なのだろう? この体はルドヴィカではなく、ルイーザだぞ」
「私に必要なのは、私の地位を確固たるものにせしめる、その魔力だ。揺るがない大陸一の帝国に伸し上げるには、其方の力が必要だ。建国の魔女、ルドヴィカ・カスティリオーネよ」



 この者は、いつか大陸を巻き込んだ戦争でも始めるつもりか……。



「だが、私を城から出せば縛るものが何もなくなるぞ。そうすれば、逃げてやるが良いのか?」
「クッ、先程のもう逃げないという言葉を、其方は嫌でも守る事になるだろう」




 なっ、何だ? その自信は……。
 ふん、ルキウスが戦争なぞ始める前に、必ず此処から逃げてやる!



 その為にも、早く焼印を見つけ出さねば……。
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