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いつもどおりの日常
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あの襲撃の日からコスピラトーレが大きく何かを仕掛けてくることはなく、穏やかに時が過ぎていき、私たちは一学年進級した。
でも、相変わらず鬼司教のところに暗殺者は送られてくるので、まだ諦めていないのだろう。だから、これは――この平穏はあくまで表面上のものだ。
嵐の前の静けさなのだとしても、少しでも長く平穏な日々が続いたほうがいい、とは思う。
「鬼司教。森への立ち入りが一部解禁になったそうです。ただ比較的入り口に近い部分という限定的なものですし、魔獣を狩ることは禁止ですが……」
私が執務のお手伝いをしながら報告すると、鬼司教は小さく「そうか」とだけ答えた。
王太子が学院の森を燃やして以降、森の入り口には騎士が立ち、出入りが厳しく管理されるようになった。先生から授業で使うものが書かれた許可証がないと入れないし、その許可証に書かれている物しか持ち帰れない。
なので、私は素材を採取する時は休日に神殿の森に行くようにしている。
「なんだか息苦しいですよね……。仕方ないのですが、早く普通に戻ってほしいです」
「コスピラトーレの王太子をなんとかするまでは難しいだろうな」
「そうですよね……。せめて、森の件を罪に問うことができればいいんですけど……」
あの件は森の奥だったこともあり、目撃者がいない。属国とはいえ、一国の王太子を罪に問うには私一人だけの証言では足りないらしい。
私が腕まくりをして「やっぱり乗り込んだほうが早い気がします」と言うと、鬼司教が呆れるような目で私を見つめてくる。そして、私の額を指で弾いた。
「その血の気の多さを勉強に生かしなさい」
「……はい」
「ねぇ、アリーチェ。あまりお喋りをしていると、時間がなくなるわよ。皆が起き出す前に学院に戻るのでしょう?」
「あ、いけない」
ソフィアの指摘に、私は慌てて机に向かった。
つい話し込むと手が止まってしまうのよね。
溜息をつきながら書類に目を向けると、「この前の休日、カーラとエンツォが一緒に出掛けたらしいわよ」と聞こえてきて、私ははたと動きを止めて顔を上げた。
「え? エンツォとカーラってそんな感じなのですか?」
「いえ、どうかしら? まだエンツォの片想いっぽい気もするわ」
「私は無理を言ってデートしてもらったって聞いたわ。ほら、カーラは優しいから」
私はとてもお手伝いどころではなくなり、食い気味に話に混ざる。二人の話を聞いて、私はうんうんと頷いた。
そうよね。カーラがエンツォと付き合うわけがないわよね。
カーラはスタイルがとても良くて美人で優しいお姉さんという感じだ。一方、エンツォは優しくない。いつもニヤニヤ笑って、意地悪を言ってくるし、ひどい時は下品なことも言ってくる。
この前なんて、エンツォにイヴァーノに抱きしめられているところを見られてしまった。その時にニヤニヤしながら、「殿下は何が愉しくて真っ平のアリーチェを抱き締めるんだろうな」と言われたことは、今でも忘れられない。ついムカっときて水をぶっかけてしまったけれど。私はまだ許していない。
……確かに以前も今も私の胸は小さい。特に今の生では剣術のために体を鍛えているせいか、さらに小さい。というより、ほぼない。だけれど、それをレディーに向かって言うエンツォの神経が信じられない。正直、私は彼が嫌いだ。
そんなエンツォに、皆の憧れの優しいカーラをあげない。絶対にあげない。
「でも、これでエンツォが少しは大人しくなるといいわよね。カーラに良く見せられるように頑張ってほしいわ」
「そうですよね。あの意地悪な性格、本当になんとかして……いたっ」
「きゃっ」
話に夢中になっていると、突然何かが私たちに当たった。
顔を上げると、鬼司教がとても怖い顔で私たちを睨んでいる。
あ、いけない……。
「静かにしなさい。くだらぬ話がしたいのなら、三人とも出て行け」
「も、申し訳ございません!」
私達が慌てて頭を下げると、鬼司教はまた視線を机の上の書類に戻す。
はぁっ、やってしまったわ。
でも気になっちゃったんだもの。
私は肩を落としながら、残りの書類を片づけた。
「私、エンツォがカーラのことを好きだなんて、はじめて知ったわ」
「まあ、カーラは皆の憧れだもの。意地悪エンツォも、カーラの前では意地悪ができなくて、顔を真っ赤にしているわ」
「へぇ。あのエンツォが……。それは見てみたいかも」
そして揶揄ってやりたい。この前の仕返しに。
朝の一仕事が終わって学院に戻るために、自室に戻る廊下を一緒に歩きながら、ソフィアとクスクス笑う。
「これはわたくしの予想なのだけれど、カーラの様子から察するに、あれは脈なしね。誰にでも平等に優しいから、あの子。エンツォが勘違いしているだけよ」
「本当にカーラってすごいわよね。誰にでも平等にって当たり前のことかもしれないけど、その当たり前なことをできる人は少ないと思うのよね。神子の鏡だわ。私はエンツォが嫌いなので、平等に優しくなんてことは絶対にできないわ」
「それはわたくしもよ。神子達の中でエンツォのことを苦手じゃないっていう人を探すほうが難しいもの」
「…………」
私はそのソフィアの言葉に妙に納得してしまった。
本当にこの機会に、意地悪なところを改めてほしいものだ。人との関係は接し方によって、変わる。それは私が身を以て経験したから、間違いない。
エンツォが本心でカーラの心を射止めたいなら、まずは彼自身が変わらなければならないと思う。
「あ! ねぇ、ソフィアは、誰かいい人いないの?」
私はこの流れでずっと気になっていたことを聞いてみた。興味津々に詰め寄ると、ソフィアが少し困ったように笑う。
「……わたくし達神殿に仕える者は、原則として恋愛や結婚が許されていないでしょう? それでも人の想いは止められないから、皆上手にやっているんでしょうけど……、わたくしは無理だわ」
ソフィアは俯きながらそう言った。
そう、神殿に身を置く者は神に身を捧げて奉公しているので、結婚は許されない。でも、イヴァーノもそれに関して明文化されていないと言っていた。
それに鬼司教は合理主義なので、仕事に支障をきたさなければ、恋愛だけじゃなくプライベートを制限したりしない。
でも歴代の首座司教様の中には、厳しく恋愛を取り締まり、もし想いを寄せ合っているのがバレたりしたら、とても厳しい罰を課した人もいたらしい。
「殿下が聖職者の婚姻について、なんとかするって言っていたわ。だから、いつかは好きな人と結婚できるようになるから、誰かを好きになることを諦めないで、ソフィア」
「ええ、ありがとう。そうね、いつかはわたくしにも想いを通わせる殿方が現れれば……その時は頑張るわ」
「はい! 頑張りましょう! 私にも応援させてね。ソフィアは綺麗だし気立てもいいもの。絶対、素敵な人が現れるわ。私が保証します!」
私が胸を張って自信満々にそう言うと、ソフィアが「ありがとう」と言いながら、笑ってくれる。
いつかは皆自由に恋愛や結婚ができる時がくる。イヴァーノがそういう素敵な世にしてくれるはずだ。私も彼の隣に立つ者として、一緒に尽力したい。
そんな他愛のない話をしながら、自室の前についたので、私は扉を背にして微笑んだ。
「いってきます」
「ええ、いってらっしゃい。明日も待っているわね」
ソフィアが笑顔で見送ってくれたので、私は部屋に入ろうとした。その途端、カーラが通りかかる。
「あら、もう学院に戻るの? 明日も帰ってくるのを待っているわね、いってらっしゃい」
「いってきます、カーラ、ソフィア」
私が自室の扉を開けるのと同時に、ソフィアの「カーラ! エンツォとは本当のところ、どうなのですか!?」という声が聞こえた。
私はそのソフィア達の会話にふふふと笑いながら、神子服から寝衣に着替え、転移の魔法陣を始動させて寮の部屋へ戻った。
当代の首座司教様は、いつも無表情で冷たい声だし、誤解されることも多い。私もふざけて鬼司教などと呼んでいるけれど……。実はとても優しくて、皆を温かい心で見守ってくれていることを、私や神殿の者達は知っている。
私もいずれその座を継ぐ時、鬼司教のようになりたいと切に思う。
まあ、私はもうちょっと分かりやすい優しさで、皆に接することにするわ。鬼司教は、分かりにくいから。
私はふふっと笑って、皆が起き出すまで研究に精を出すことにした。
でも、相変わらず鬼司教のところに暗殺者は送られてくるので、まだ諦めていないのだろう。だから、これは――この平穏はあくまで表面上のものだ。
嵐の前の静けさなのだとしても、少しでも長く平穏な日々が続いたほうがいい、とは思う。
「鬼司教。森への立ち入りが一部解禁になったそうです。ただ比較的入り口に近い部分という限定的なものですし、魔獣を狩ることは禁止ですが……」
私が執務のお手伝いをしながら報告すると、鬼司教は小さく「そうか」とだけ答えた。
王太子が学院の森を燃やして以降、森の入り口には騎士が立ち、出入りが厳しく管理されるようになった。先生から授業で使うものが書かれた許可証がないと入れないし、その許可証に書かれている物しか持ち帰れない。
なので、私は素材を採取する時は休日に神殿の森に行くようにしている。
「なんだか息苦しいですよね……。仕方ないのですが、早く普通に戻ってほしいです」
「コスピラトーレの王太子をなんとかするまでは難しいだろうな」
「そうですよね……。せめて、森の件を罪に問うことができればいいんですけど……」
あの件は森の奥だったこともあり、目撃者がいない。属国とはいえ、一国の王太子を罪に問うには私一人だけの証言では足りないらしい。
私が腕まくりをして「やっぱり乗り込んだほうが早い気がします」と言うと、鬼司教が呆れるような目で私を見つめてくる。そして、私の額を指で弾いた。
「その血の気の多さを勉強に生かしなさい」
「……はい」
「ねぇ、アリーチェ。あまりお喋りをしていると、時間がなくなるわよ。皆が起き出す前に学院に戻るのでしょう?」
「あ、いけない」
ソフィアの指摘に、私は慌てて机に向かった。
つい話し込むと手が止まってしまうのよね。
溜息をつきながら書類に目を向けると、「この前の休日、カーラとエンツォが一緒に出掛けたらしいわよ」と聞こえてきて、私ははたと動きを止めて顔を上げた。
「え? エンツォとカーラってそんな感じなのですか?」
「いえ、どうかしら? まだエンツォの片想いっぽい気もするわ」
「私は無理を言ってデートしてもらったって聞いたわ。ほら、カーラは優しいから」
私はとてもお手伝いどころではなくなり、食い気味に話に混ざる。二人の話を聞いて、私はうんうんと頷いた。
そうよね。カーラがエンツォと付き合うわけがないわよね。
カーラはスタイルがとても良くて美人で優しいお姉さんという感じだ。一方、エンツォは優しくない。いつもニヤニヤ笑って、意地悪を言ってくるし、ひどい時は下品なことも言ってくる。
この前なんて、エンツォにイヴァーノに抱きしめられているところを見られてしまった。その時にニヤニヤしながら、「殿下は何が愉しくて真っ平のアリーチェを抱き締めるんだろうな」と言われたことは、今でも忘れられない。ついムカっときて水をぶっかけてしまったけれど。私はまだ許していない。
……確かに以前も今も私の胸は小さい。特に今の生では剣術のために体を鍛えているせいか、さらに小さい。というより、ほぼない。だけれど、それをレディーに向かって言うエンツォの神経が信じられない。正直、私は彼が嫌いだ。
そんなエンツォに、皆の憧れの優しいカーラをあげない。絶対にあげない。
「でも、これでエンツォが少しは大人しくなるといいわよね。カーラに良く見せられるように頑張ってほしいわ」
「そうですよね。あの意地悪な性格、本当になんとかして……いたっ」
「きゃっ」
話に夢中になっていると、突然何かが私たちに当たった。
顔を上げると、鬼司教がとても怖い顔で私たちを睨んでいる。
あ、いけない……。
「静かにしなさい。くだらぬ話がしたいのなら、三人とも出て行け」
「も、申し訳ございません!」
私達が慌てて頭を下げると、鬼司教はまた視線を机の上の書類に戻す。
はぁっ、やってしまったわ。
でも気になっちゃったんだもの。
私は肩を落としながら、残りの書類を片づけた。
「私、エンツォがカーラのことを好きだなんて、はじめて知ったわ」
「まあ、カーラは皆の憧れだもの。意地悪エンツォも、カーラの前では意地悪ができなくて、顔を真っ赤にしているわ」
「へぇ。あのエンツォが……。それは見てみたいかも」
そして揶揄ってやりたい。この前の仕返しに。
朝の一仕事が終わって学院に戻るために、自室に戻る廊下を一緒に歩きながら、ソフィアとクスクス笑う。
「これはわたくしの予想なのだけれど、カーラの様子から察するに、あれは脈なしね。誰にでも平等に優しいから、あの子。エンツォが勘違いしているだけよ」
「本当にカーラってすごいわよね。誰にでも平等にって当たり前のことかもしれないけど、その当たり前なことをできる人は少ないと思うのよね。神子の鏡だわ。私はエンツォが嫌いなので、平等に優しくなんてことは絶対にできないわ」
「それはわたくしもよ。神子達の中でエンツォのことを苦手じゃないっていう人を探すほうが難しいもの」
「…………」
私はそのソフィアの言葉に妙に納得してしまった。
本当にこの機会に、意地悪なところを改めてほしいものだ。人との関係は接し方によって、変わる。それは私が身を以て経験したから、間違いない。
エンツォが本心でカーラの心を射止めたいなら、まずは彼自身が変わらなければならないと思う。
「あ! ねぇ、ソフィアは、誰かいい人いないの?」
私はこの流れでずっと気になっていたことを聞いてみた。興味津々に詰め寄ると、ソフィアが少し困ったように笑う。
「……わたくし達神殿に仕える者は、原則として恋愛や結婚が許されていないでしょう? それでも人の想いは止められないから、皆上手にやっているんでしょうけど……、わたくしは無理だわ」
ソフィアは俯きながらそう言った。
そう、神殿に身を置く者は神に身を捧げて奉公しているので、結婚は許されない。でも、イヴァーノもそれに関して明文化されていないと言っていた。
それに鬼司教は合理主義なので、仕事に支障をきたさなければ、恋愛だけじゃなくプライベートを制限したりしない。
でも歴代の首座司教様の中には、厳しく恋愛を取り締まり、もし想いを寄せ合っているのがバレたりしたら、とても厳しい罰を課した人もいたらしい。
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「はい! 頑張りましょう! 私にも応援させてね。ソフィアは綺麗だし気立てもいいもの。絶対、素敵な人が現れるわ。私が保証します!」
私が胸を張って自信満々にそう言うと、ソフィアが「ありがとう」と言いながら、笑ってくれる。
いつかは皆自由に恋愛や結婚ができる時がくる。イヴァーノがそういう素敵な世にしてくれるはずだ。私も彼の隣に立つ者として、一緒に尽力したい。
そんな他愛のない話をしながら、自室の前についたので、私は扉を背にして微笑んだ。
「いってきます」
「ええ、いってらっしゃい。明日も待っているわね」
ソフィアが笑顔で見送ってくれたので、私は部屋に入ろうとした。その途端、カーラが通りかかる。
「あら、もう学院に戻るの? 明日も帰ってくるのを待っているわね、いってらっしゃい」
「いってきます、カーラ、ソフィア」
私が自室の扉を開けるのと同時に、ソフィアの「カーラ! エンツォとは本当のところ、どうなのですか!?」という声が聞こえた。
私はそのソフィア達の会話にふふふと笑いながら、神子服から寝衣に着替え、転移の魔法陣を始動させて寮の部屋へ戻った。
当代の首座司教様は、いつも無表情で冷たい声だし、誤解されることも多い。私もふざけて鬼司教などと呼んでいるけれど……。実はとても優しくて、皆を温かい心で見守ってくれていることを、私や神殿の者達は知っている。
私もいずれその座を継ぐ時、鬼司教のようになりたいと切に思う。
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