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しおりを挟む「霊感のないはずの河本すら感じていたのに、おまえはなにも感じなかったと河本が言っていたが、そうなんだな」
「ああ、なにも感じなかった」
「やっぱり。だからお前のアパートに行く」
「なんでだよ」
「なんでもだ。とにかく夕方に行くからな。ちゃんと居ろよ」
そう言うと熊田はその場をゆうゆうと立ち去った。
午後の講義を俺は上の空で聞いていた。
熊田がミキを見つけたら、いったいどうなるんだろうか。
熊田の霊感が本物だとしたら、間違いなく一騒ぎ起きる。
どこかからか霊能者を連れてくるかもしれないし、なんなら熊田自身がおはらいができる可能性すらあるのだ。
どちらにしてもミキが除霊されてしまう恐れがある。
そんなことはたまったものではない。
気がつくと教室には俺と教授の二人だけとなっていた。
「なにしてる。講義はもう終わったぞ」
あからさまに怪訝そうな顔で教授が言った。
「はい、ちょっと考え事をしてまして」
「そんなんじゃ講義もろくに聞いてないんだろう」
むかつく言われ方だったが、本当なので反論はできない。
俺は「失礼します」と頭を下げて教室を後にした。
――ただいま。
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