そっとおやすみ

ツヨシ

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「いえいえうちには頼りになる旦那様がいますから、何も問題はないですよ」

「でもその旦那様、長い間姿が見えないですけど」

「ええ。最近疲れ気味だったので、しばらく休んでますが。でも大丈夫ですよ。すぐによくなりますから」

「そうですか」

大谷さんは何か言いたそうな顔だったが、なにも言わずに帰って行った。

――いったい、なんなのかしら?

この間から似たようなことを言って、近所の人が時折訪ねてくる。

二人連続でやって来たのは初めてだったが。

――まあ、いいわ。

居間に戻ってお茶を飲んでいると、またチャイムが鳴った。

――えっ、まさかの三人連続!

出ると近所の人ではなくて、知らない男が二人たっていた。

一人はかなり目つきの悪い中年男性。

もう一人はそれよりは若い、たくましい体つきの男だった。

「なんでしょう」

中年男のほうが何も言わずに、なにかを取り出して私に見せた。

それは警察手帳だった。

――警察! 警察がいったい私に何の用なのかしら?
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