風穴の女

ツヨシ

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わき目もふらず、ただただ走った。

そしてもう息も足も限界というところで、ようやく車にたどり着いた。

そこで始めて俺は、後ろを振り返った。

化け物はいなかった。

が、こんなところにいつまでもいる訳にはいかない。

あの細道から突然、あいつが現れないとも限らない。

俺は車に乗り込み、エンジンをかけた。

そして車を走らせようとした時、信じられないものを見た。

寺の壁にあの穴が開いている。

先ほど洞窟に開いていたのと同じ穴だ。

そしてあいつが穴の入口付近に立ち、俺を見下していたのだ。

――!

俺は理解した。

あの穴と寺の間には、なんだかの因縁がある。

そしてここは極めて危険であるということも。

俺は思いっきりアクセルを踏み込んだ。


何時間もかけて、やっとのことで家路に着いた。

普段ならこれだけ長時間車を走らせれば、途中で喫茶店かファミレスに立ち寄るところだが、それすらしなかった。
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