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木戸が金属バットでヒロシを殴った。
けっこう強めだ。
それがきっかけとなった。
四人がヒロシの前後左右を取り囲み、手にした得物でヒロシを突いたり殴ったりし始めた。
――これは、ちょっと……。
滝本は本気で心配になってきた。
もちろん力任せに殴っているわけではないが、ちょっかいと言うにはその力が明らかに強すぎる。
それと滝本には、もう一つ気になることがあった。
――ここは……。
この観覧車は例の事件があった場所。
年老いたホームレスが大学生に殺された場所なのだ。
ほとんど怖いもの知らずの滝本だが、子供の時からなぜか心霊的なものは苦手としていた。
――やっぱり止めたほうがいいかな。せめて場所をかえるとか……。
滝本がそんなことを考えていると、それは何の前触れもなく起こった。
身体を小さく丸めてただ耐えていただけのヒロシがすっくと立つと、言った。
「おまえら、またこのわしにひどいことをするのか。ひどいことをすると言うのか」
低くてしわがれてはいるが力強いその声は、どう聞いてもかなりの年齢を経た男の声だった。
甲高いヒロシの声とはまるで違っていた。
みながあっけにとられていると、さらに言った。
「おまえら、こんなことをして。許さん。許さんぞ!」
けっこう強めだ。
それがきっかけとなった。
四人がヒロシの前後左右を取り囲み、手にした得物でヒロシを突いたり殴ったりし始めた。
――これは、ちょっと……。
滝本は本気で心配になってきた。
もちろん力任せに殴っているわけではないが、ちょっかいと言うにはその力が明らかに強すぎる。
それと滝本には、もう一つ気になることがあった。
――ここは……。
この観覧車は例の事件があった場所。
年老いたホームレスが大学生に殺された場所なのだ。
ほとんど怖いもの知らずの滝本だが、子供の時からなぜか心霊的なものは苦手としていた。
――やっぱり止めたほうがいいかな。せめて場所をかえるとか……。
滝本がそんなことを考えていると、それは何の前触れもなく起こった。
身体を小さく丸めてただ耐えていただけのヒロシがすっくと立つと、言った。
「おまえら、またこのわしにひどいことをするのか。ひどいことをすると言うのか」
低くてしわがれてはいるが力強いその声は、どう聞いてもかなりの年齢を経た男の声だった。
甲高いヒロシの声とはまるで違っていた。
みながあっけにとられていると、さらに言った。
「おまえら、こんなことをして。許さん。許さんぞ!」
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