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番外編:小さな魔王様の小さな日常
小さな魔王様の小さな贈り物(後編)
しおりを挟む「ミルスー!遅いのじゃー!妾は待ちくたびれたのじゃー!」
魔王ミルス一行が目標地点に到着すると、そこには何故か聖国の姫君であるマリアが、聖国の護衛騎士でケンタウロスのリカルドを背後に従え、腕を組んで魔王を睨みつけていた。
「マリアちゃん…なんでここに居るの!?」
呆気にとられて何も言えない魔王の代わりにケイトがたずねた。
「ミルスを待っておったからに決まっておろう。」
「答になってないよ!」
続けて、アーネストもリカルドにたずねた。
「というか、リカルド、あなたがついていながら、これは一体どういう事ですか。」
「どうと言われてもなぁ、出掛けるから乗せろ…供をしろと姫様がおっしゃるのでなぁ。」
「いや、そこは思い止まるよう説得するところなのではないか?」
「姫を頼むと、猊下からのご下命でもあるのでなぁ。」
それを聞いたアーネストは呆れてしまい、項垂れるほかない。
そんなケイトとアーネストの様子を黙って見ていた魔王が、マリアに問いかけた。
「…それで、マリア、わざわざ手書きの地図まで描いて寄越して、余をここまで来させたのは、何の為なんじゃ?」
マリアは組んでいた腕をほどき、左手を腰にあて、得意満面に右手の人差し指で鼻の下を軽く擦りながら言った。
「それはもちろん、ミルスと一緒にタイムカプセルを掘り出すためなのじゃー!」
「タイムカプセル!」
「…って、何?魔王様。」
「…いつの間に埋めたのじゃ…」
「それは勿論、三」
「あーあー、陛下、姫様、そういう事でしたら早速掘り出しましょう!というか体力的に私とリカルドでちゃちゃっと。」
「ええっ、いきなりの戦力外通告!ていうか何気にまた何かごまかそうとしてない!?」
「アーネストー!妾はミルスと一緒に掘り出すのを楽しみにしておったのじゃー!邪魔するでないなのじゃー!」
「…わた…余は、スコップを持てなかったのじゃ。…マリアも無理じゃろ?」
「陛下のおっしゃる通りでなぁ。」
「リカルドー!そなたは妾の護衛なのじゃー!何ゆえ妾に味方しないのじゃー!?」
「あーもー何が何だか…」
混迷を極めた五名の議論の末、結局、アーネストの提案通りとなり、二人が地面を掘っている間、残り三名はおやつ片手にギャラリーに徹していた。
まもなく、さして深くもない場所から、重厚そうな箱を掘り当てた。
「それじゃー、それなのじゃー!ミルスー、見るのじゃー!懐かしいのじゃー!」
嬉しさのあまり魔王に抱き付くマリア姫が叫んだ。
「…無事に見つかって良かったのじゃ。ところでマリア、中身はなんなのじゃ?」
「それは開けてからのお楽しみなのじゃー!」
アーネストとリカルドが協力して箱を引き上げ、綺麗に土を払った。
「じゃ、早速開けてみよう!…あれ?開かない。」
「そりゃそうじゃろ、ケイト。見よ、錠がかかってるのじゃ。」
「えー。…それじゃ、鍵は誰が持ってるの?」
「そりゃ、マリアじゃろ。のぅ?」
そう言いながら魔王がマリア姫を見ると、姫は申し訳なさそうに言った。
「も、持って来てないのじゃー。…す、すまぬのじゃー!」
「…まぁ、マリアじゃしの…。」
四人はしばし項垂れた。
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