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優しい人・第27話
しおりを挟む「おばちゃん」
倉本は病室に入ってきた美しい女性に手を上げる。
「リクちゃん…おおきにね、ほんま、あんた…」
「いや。俺とチカは持ちつ持たれつや。いつもお互い助け合うとるから気にせんといて」
「リクちゃん」
千佳史の母、里紗子(りさこ)は、倉本に深く頭を垂れた。
それから倉本は、この怪我について解ることを全部説明した。
倉本とて、志賀の両親に猛烈な怒りを抱えていたので、怪我は、弾みだろうが、好きになった男の親にやられたのだろう、と話す時には苦々しい口調になった。
里紗子はそれをグッと目を閉じ、耐えるように聞いて、頷いた。
△
目を開けると見慣れない天井が目に入る。
「千佳史…」
「母さん…何で?」
「リクちゃんが電話くれた」
「リクは?」
「飲み物買いに行かはった」
母の手が、髪を優しく撫でる。
心地良くて、千佳史は目を閉じる。
「ふふ…ラッキー…」
「え?」
以外な台詞に驚いて目を開けると、母が嬉しそうに目を細めて笑っている。
「意識あるのに拒否られへんかったから?」
倉本の声とコーヒーの匂いが一緒に病室に入って来た。
「そ」
母がまた笑う。
「え、何?…なんやねん、もう…」
倉本が、飲む?と目だけで問い、それに手を伸ばすことで応えながら、不可解な2人の言葉に少し、むくれる。
「おばちゃん、ちょっと前に着いてな、千佳史、起きてたら触らせてくれへんのよ、って頭撫でたり、顔触ったりしまくっとってん、な?おばちゃん」
「そ。だってそうやもん。もう長ーいこと、目ぇ開けてる千佳史の頭撫でたことなかったえ?千佳史、いつ頃やったか、私とお父さんに、ホモが感染るから触るな、って。ねぇ…感染りません、って、病気やないんやし…」
母は少し悲しそうな、でも、とても愛おしそうな目で千佳史を見た。
そうだ。
中学2年の秋頃、同じクラスの女子に、自分の雰囲気なのか、何故判ったのか、又はただの冗談だったのかは不明だが、ホモが感染る、あっちへ行け、と言われた。それ以来、こちらからは接触しないし、向こうからの接触も極力ないように心掛けた。
とにかく、嫌われないように、気持ち悪くないように、と気を付けた。
「帰っておいで?千佳史?母さんと父さんの傍におり?あかんの?」
「……」
「チカ?大丈夫か?」
倉本の言葉に頷く。
「秋にはリクちゃんかて結婚してしまはるんよ?あんたのことばっかり、かもてられせえへん(かまっていられない)。今日かて…リクちゃんいてへんかったら、どないなことになったの?母さん心配で胸が潰れる…」
―母さん、ごめん…許して……
「…神戸に…おりたい…」
「千佳史…お願いよ…母さん、間違っとったわ。父さんが、千佳史は結婚もせえへんのやから、店の金出したれ言うた時、反対すれば良かった…」
「母さん、心配せんかっても俺、大丈夫やし」
「…大丈夫?…大丈夫違うやないの……ッ…こんな…傷…顔よ?しかも目ぇやないの!こんな怪我させられてッ…何でやの?!何で」
「母さん、病院やから」
千佳史が制止するも母親の興奮は治まらない。
「何やの?誰よっ、こんなこと!こんなん、酷いっ!!私が悪いんよっ、千佳史を男に産んだからっ!!こんなかいらしい気持ち持った子を、男なんかに生んだから!!私にやってよっ!千佳史が悪いんとちゃうわっ!私が…私が…ッ…」
「おばちゃん…おばちゃん、止めろ!チカが辛なるっ!…おばちゃんも、チカも悪ない。チカを殴りクサッタ奴が悪いんじゃ。泣くな、おばちゃん、そんな奴の為にッ…」
倉本が大体のことを想像して母に言ったのだろう。
いつもなら、誰も悪くならないように、誰も傷つかないようにと、倉本を黙らせ、慌てて危なげないように言い直して、倉本にも口裏を合わすように目の前に居てもラインして…というお決まりの作業をするが、今日はとてもそんな気力がない。
もう、終わったことだから、色々、母に解ってしまったところでいいだろう。
まさか、志賀の両親に対してどうこうしよう、なんて人じゃない。
そんなことをすれば、誰より、千佳史本人が傷つくことを、母はよく解っているから。
「母さん…せっかく久々やねんから、楽しい話しして?」
千佳史の言葉に、すぐに母は顔を変え
「ほんまやね。カンニン、千佳史。お母さん、更年期障害やわ。最近ヒステリーなんよ」
と笑ってくれた。
翌日、頭を打っているので、ということでもう1度脳のCTを撮って、異常なし、ということで退院した。
千佳史の部屋に泊まった母と、ハーバーランドまで出てランチした。
ウィンドウショッピングしながら、ガラスに写るそっくりな顔に2人で笑う。
「ほんま、双子みたいやな」
「おやおおきに。母さんそんなに若う見える?」
海の見えるモザイクの階段に座って、シェイクを飲みながら話す。
母は、自分にじっくり話しを聞きたい時は昔から横に並んで来る。
「志賀くん違うの?」
「……ッ…」
「当たった」
「……」
母が、千佳史の立てた膝をポンポンと叩く。
「…知っとったん?」
「うん。だって…あんた、志賀くんが1年生で入ってきてから、母さんに毎日志賀くんの話し、してたもん。あんたがガッコの話しするなんて。母さん、あれで、この子もしかしたら、人と違うのかも知れん、って気づいたんよ?」
「そやったんか…」
「そうや?」
母はクス…と笑った。
「志賀くんに…伝えたの?」
千佳史は黙って下を向き首を横に振る。
「そりゃそやな…」
また母は笑った。
「志賀のな…母さんな…母さんは、俺が憎いんや…。それが、悲しいて…堪らんかった。当たり前やのに、信じられんけど、そこまで思ってへんくて、俺…」
「何でよ。志賀くん、あんたの気持ち、知らんのでしょ?それやったら、別にかまへんやん」
「アカンねん。アカンかってん、好きになることがもう。母さんかって、もし俺が、殺人犯に惚れられたら嫌やろ?関わらんといて、って思うやろ?」
「あんた殺人犯ちゃうやないの。同性愛は犯罪違うえ?」
「例えば、や」
「もし、言うたやないの、もう…。例えば?うーん…でも、母さん、相手が殺人犯でも、千佳史のこと、好きなってくれはったら、そのことにだけは感謝するえ?」
「母さん…そりゃ、母さんが俺の母さんやからや。感謝するようになったんや…俺、育てながら…。志賀の母さんが普通やわ」
「そうか?」
「そうや」
「千佳史」
母が急に腕を組んでくる。
「ちょ、止めて。何?」
「あんた、ええ男やな?男前や、うちの千佳史は。女の子みたいにかいらしかいらしお顔やのに」
「女の子みたい、は余計や」
「えろうすんまへん…」
「行こか。店、見んねやろ?1回家帰らんと」
「そやね、行こ行こ」
何とか神戸残留を承諾してくれた母が、神奈川に帰る前に《千流》に行きたい、と帰省を1日遅らせたのだ。
いかにも楽しそうに笑ってくれる母を見ながら、千佳史は家族のありがたみをしみじみと感じる。
そして、志賀の家族に例え一時でも、自分のせいで、怒りや悲しみを与えたことを心から申し訳なく思い、志賀への想いを封印することを、改めて固く胸に誓った。
△
「橋本さん!頑張って!」
「頑張れっ!!」
「萌花っ!!」
「萌ちゃん!」
「萌花ー!萌花っ!!」
萌花の心拍がどんどん落ちる。
「おかしいな…そんな筈ないのにッ」
医師も首を傾げながら、必死で人工呼吸を繰り返す。
「患者さん生きる意思がない!もうこうなったら患者さんの生きる意志よ!!旦那さん?!奥さんの手、握って!!」
看護師長に殴るくらい強く、肩を叩かれる。
一瞬躊躇する篤仁だが
「篤仁!」
父の声で萌花のストレッチャーに寄り、手を握る。
「篤仁くん、お願いー……」
萌花の母親が泣き狂う。
「萌花っ!!死ぬな!死ぬな、萌花っ!!」
篤仁は萌花の小さな手を力一杯握って、必死で叫んだ。
「心拍45!」
「心拍上がった!!もっと!旦那さん!!呼んだげて!頑張って!!」
「萌花!萌花!」
萌花の両親は“危篤”だ、ということで病院から呼び出された。
腹を強打して、夥しい出血があったが、子宮破裂等を起こしたわけではない。
こんなことは稀だ、と医師が早口で説明し、処置室とかかれた手術室のような部屋に萌花は運ばれ、ドアが閉ざされた。
病院の廊下の椅子に全員が黙ったまま座り、長い時間待った。
処置室のドアが開き、峠を越した、もう大丈夫だと言われた時は、大きな溝が出来ていた両家だが、夜中に到着した萌花の姉夫婦も一緒に、万歳!やった!と手を取り合って全員で嬉し泣きだった。
朝一番で、子宮内容除去術を予定されており、その後は経過観察をしながらの入院となる。
状態が落ち着き、病室に運ばれた萌花は、意識が戻りつつあるようで、ずっと篤仁を呼んだ。
「萌花、ここにおる。心配すんな。ずっとおるから寝とけ」
篤仁は何度も同じことを言って、萌花の手を握った。
子供を旦那の両親に預けたから、と姉夫婦は帰って行き、篤仁の両親も、萌花の両親に、こんなことになって、ともう1度頭を下げ、帰っていった。
「俺、おりますから、お父さんらも帰って休んで下さい。ほんまに…すいませんでした」
そう言って頭を下げると
「篤仁くんがおったから萌花は助かった。ほんまにありがとう。お腹を打ったんは偶然や。誰のせいでもない」
そう、萌花の父親に言われた。
そして、その時また
「…あっちゃん…あっちゃん…」
と萌花が譫言を言い出したので、萌花が目覚めた時、篤仁が一人の方が喜ぶのかも、と両親は帰って行った。
眠る萌花と自分一人になる。
「お前苦しんだんやな…苦しかったな…ごめんな萌花」
今更ながら︎︎ ︎︎ ︎︎”萌花さんの気持ち”と言い続けていた滝の言葉が入ってくる。
いきなり襲った衝撃に木っ端微塵に打ち砕かれ、とにかくその衝撃に蓋をして、気持ちを保つことに100%向かい、自分のことしか考えていなかった。
萌花はもう、誰かの子の母親なのだと、忘れるしかないと、それ以上は考えることも思うことも自分の中で遮断した。
図らずも、もしかしたら強姦されて望まぬ妊娠をしたかも知れない萌花は、自分なんかより遥かに傷つき壊れ、助けが要っただろうに。
自分は滝に救われ、癒され、片方の心であったにせよ、楽しく過ごしていた┈┈┈┈
どのくらい思考に耽っていただろう。
篤仁は握っていた萌花の手を、もう一度キュッと握ってから、そっと離してパイプ椅子から立ち上がった。
病院の窓ガラスに写る自分の顔。
もう空が白んできているので輪郭だけだが、自分が自分でないような、変な気分だ。
―俺は、萌花と結婚するんや……
式場で萌花が倒れたあの日から、ここまでの数ヶ月は…なかった…なかった…なかった……なかった…
なかったのだ…。
萌花と結婚する。
間違いなく自分の意志だ。
それなのに何故か、他人事のように自分の近い未来を見つめる。
萌花が腹を打った時、漠然と感じた失望はこれだった。
結婚することが失望なのではない。
ただ……たった今、なかったことにして閉じ込めた…
―滝さんとの日々は、もう二度と来ない……
その思いが、失望にとてもよく似ていたのだ。
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