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第3章 不思議な国のシンデレラ

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 どう言ったら、この人に伝わるのだろう…
エラは混乱している。
だけども、言えば言うほどに、嘘くさく聞こえそうで…
再び黙りこむと
「そりゃあ、そうよね!
 タクトはそんな…お金持ちでもないし!」
即座にその人が、笑いながら言うと、エラは正直、安堵のため息を
もらし、ホッと胸を撫でおろす。
 一体この人は、タクトからどんな風に説明を受けて、ここに来たのか…
エラには、わからない。
それでももしかしたら、この世界で頼りになるのは、この人なのでは
ないか…と、エラはふとそう思った。

 そうすると、何だかうれしくなってきた。
ニコニコしながら、その人を見ると、彼女はあからさまに気味悪そうに、
身体をよける。
「あんた、ちょっと、勘違いしないでよ」
眉をキュッとしかめると、固い声でそう言う。
「私はね、アンタが思うような人じゃないからね!
 ただ、タクトに頼まれたから、ここに来たの。
 単に、それだけなんだからね!」
やけにムキになって、そう言う。
おそらくは、エラが無意識に、ニタニタしているのが、気にさわった
のだろうが、それでも黙って彼女を見ていると、
「ホント、困るのよぉ~
 アイツの尻ぬぐいなんて。
 ちょっとぉ~誤解しないでよ!」
語気を強めて、一気に顔を紅くさせる。
エラはハッとして、ニヤニヤ笑いをあわてて引っ込めると、すぐに
真面目な顔になる。
「わかりました」
先ほどよりも、おとなしめな声を出すと、黙って大きくうなづいた。
「ありがとうございます!」
 じぃっとまっすぐに、こちらを見ているエラの視線を受け止めると、
さすがにその女性も、次第にエラを見る目に、憐れみの色が浮かんできた。
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