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第6章 あの子は身代わりプリンセス
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今朝も朝食を済ませた後、いつものように窓辺に近付くと、
まっすぐに信子はバルコニーの方へと、歩を進める。
つい先日、森で見つけた時とは、すっかり面やつれした…と、
気付いていたので、王子はどうしたらいいものか…
と、気を揉んでいた。
「どうしたの?
何か心配なことでもあるの?」
優しい口調でそう言うと…彼女はびっくりとした顔をすると、
大きく頭を振る。
「遠慮しなくてもいいよ。
ボクたちはもうすぐ…夫婦になるのだから…」
何気ない調子で、王子がそう言うと…信子はなぜか目を伏せて、
恥ずかしそうにやっぱり頭を振る。
未だに目を合わせようとはしない。
嫌っているのではない、と王子は気付いている。
だけどもあの人は…いつまでたっても、自分には慣れてくれない…
それを王子は、寂しく思っていた。
ボクの知っているあの人は…こんなにおとなしかっただろうか?
王子はあの日のことを、思い返す。
はつらつとして、ダンスフロアを縦横無尽に踊っていたこと。
ものすごいスピードで、階段を駆け降りた姿を。
今は…残念ながら、おぼろげながらにしか、思い出せないけれども…
だけども、夢の中で会ったあの人は、もっと元気だったのでは
なかろうか?
ふと湧きあがる疑問を、それは気のせいだ、と思い込もうと
している。
やっと出会えたこの人が…間違えである、と認めたくないからだ。
(きっと、目も合わせようとはしないのは、はにかんでいるせいでは
ないだろうか?)
無理やり、自分にそう思い込ませようとしていた。
これでも自分は、この国の娘たちに、愛されている…と自覚していた。
(なんだぁ~国中の女たちに、愛されているわけではなかったのか?)
案外自分が思うほど、そんなに魅力的ではなかったのか、と思う。
万人の目が、うっとおしいとさえ思っていたけれど、実はそれは
思い過ごしだったのか、と思い至ると、ひどくガッカリする王子
なのだった。
まっすぐに信子はバルコニーの方へと、歩を進める。
つい先日、森で見つけた時とは、すっかり面やつれした…と、
気付いていたので、王子はどうしたらいいものか…
と、気を揉んでいた。
「どうしたの?
何か心配なことでもあるの?」
優しい口調でそう言うと…彼女はびっくりとした顔をすると、
大きく頭を振る。
「遠慮しなくてもいいよ。
ボクたちはもうすぐ…夫婦になるのだから…」
何気ない調子で、王子がそう言うと…信子はなぜか目を伏せて、
恥ずかしそうにやっぱり頭を振る。
未だに目を合わせようとはしない。
嫌っているのではない、と王子は気付いている。
だけどもあの人は…いつまでたっても、自分には慣れてくれない…
それを王子は、寂しく思っていた。
ボクの知っているあの人は…こんなにおとなしかっただろうか?
王子はあの日のことを、思い返す。
はつらつとして、ダンスフロアを縦横無尽に踊っていたこと。
ものすごいスピードで、階段を駆け降りた姿を。
今は…残念ながら、おぼろげながらにしか、思い出せないけれども…
だけども、夢の中で会ったあの人は、もっと元気だったのでは
なかろうか?
ふと湧きあがる疑問を、それは気のせいだ、と思い込もうと
している。
やっと出会えたこの人が…間違えである、と認めたくないからだ。
(きっと、目も合わせようとはしないのは、はにかんでいるせいでは
ないだろうか?)
無理やり、自分にそう思い込ませようとしていた。
これでも自分は、この国の娘たちに、愛されている…と自覚していた。
(なんだぁ~国中の女たちに、愛されているわけではなかったのか?)
案外自分が思うほど、そんなに魅力的ではなかったのか、と思う。
万人の目が、うっとおしいとさえ思っていたけれど、実はそれは
思い過ごしだったのか、と思い至ると、ひどくガッカリする王子
なのだった。
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