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第18章 パン屋の王子様
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田舎娘だからって、ウブだろうと、なめられたら困る!
エラは王子のことを、警戒していた。
何においても、王子はレディーファーストで、しかもとても紳士的で、
フェミニスト。
女性の扱いにおいても、とてもたけているように見える。
これで今まで、花嫁候補がいなかった、などとは、にわかには信じられない。
「エドワードはね、昔こっぴどく女に振られてから、とても…慎重なんだ」
幼なじみである、大臣の息子が、こそっとエラに耳うちする。
「ちょっと、リチャード!いい加減にしてくれよ」
王子はあわてて、彼を止めに入る。
「2人は仲がいいんですねぇ」
羨ましそうに、エラはこの2人を見つめる。
「まぁ、そうかな」と王子。
「何しろボクたちは…乳兄弟だからねぇ」
どうやら大臣の息子の母親が、王子のことも育てた、ということらしい。
「ボクの母親…あぁ見えて、体が弱かったんだ」
王子が少し、悲しそうな顔をする。
そういえばエラ自身は、王子の母親であるお妃の顏を、まだ見たことが
ないのだ…
だけども、王子の隠された過去を初めて知って、ほんの少し気の毒に思った。
自分もそうなのだ…
生みの母親に、もっともっと甘えたかった。
色々と、相談にのってもらいたかった…という気持ちが、エラにもとても
よくわかる。
「ボクはね、愛情のあふれる家庭を、作りたいと思っているんだ」
王子はまっすぐな瞳で、そう言う。
みんなに愛されて育った、王子の本当の姿を、垣間見えたような気がして、
エラは意外に思う。
少しだけ王子が、自分に近付いてきたようで、エラは親しみを感じるのだった。
エラは王子のことを、警戒していた。
何においても、王子はレディーファーストで、しかもとても紳士的で、
フェミニスト。
女性の扱いにおいても、とてもたけているように見える。
これで今まで、花嫁候補がいなかった、などとは、にわかには信じられない。
「エドワードはね、昔こっぴどく女に振られてから、とても…慎重なんだ」
幼なじみである、大臣の息子が、こそっとエラに耳うちする。
「ちょっと、リチャード!いい加減にしてくれよ」
王子はあわてて、彼を止めに入る。
「2人は仲がいいんですねぇ」
羨ましそうに、エラはこの2人を見つめる。
「まぁ、そうかな」と王子。
「何しろボクたちは…乳兄弟だからねぇ」
どうやら大臣の息子の母親が、王子のことも育てた、ということらしい。
「ボクの母親…あぁ見えて、体が弱かったんだ」
王子が少し、悲しそうな顔をする。
そういえばエラ自身は、王子の母親であるお妃の顏を、まだ見たことが
ないのだ…
だけども、王子の隠された過去を初めて知って、ほんの少し気の毒に思った。
自分もそうなのだ…
生みの母親に、もっともっと甘えたかった。
色々と、相談にのってもらいたかった…という気持ちが、エラにもとても
よくわかる。
「ボクはね、愛情のあふれる家庭を、作りたいと思っているんだ」
王子はまっすぐな瞳で、そう言う。
みんなに愛されて育った、王子の本当の姿を、垣間見えたような気がして、
エラは意外に思う。
少しだけ王子が、自分に近付いてきたようで、エラは親しみを感じるのだった。
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