ケンタと紫のバラ

daisysacky

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第1章

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「えっ?なになに?」
 ドラえもんおばさんは(ケンタは勝手に、そう命名
しています)いきなり差し出された、ボロボロの写真を見て、
「あっ!」と声を出します。
「この花、見たことあるわよ」と言うので、
「えっ?ホント?」
驚くのは、ケンタの番です。
「ねぇ、どこどこ?教えて!」と言うと、
「なんで、知りたいの?」
と、ドラえもんおばさんは、急にまじめな顔になって、ケンタに聞きました。
「母さんが、元気がないんだ。
 ボクが、大事な写真を、破っちゃったから・・・
 母さんを元気にするには、この花が必要なんだ」

 ケンタは、一生懸命言いました。
普段なら、知らないオバサンに、しゃべったりする
など、考えられないのに!
 するとオバサンは、「うんうん」と、優しい顏して、うなづきました。
「それなら、教えてあげなくちゃあ、いけないわね」
と言うと、ニッコリと笑い、
「ボウヤは、優しい子だね」
と言って、ケンタの頭をなでました。
「これはね、勇気のある男の子にしか、見つけられないものなの・・目をこらしてみないと、見つけられ
 ない・・・そんなところにあるのよ」
と、オバサンは、言いました。
ケンタは、へぇ~と感心したように言うと、
「教えてください」
と、ドラえもんおばさんを、見上げました。
 
 よく見ると、真っ黒な服を着ている姿は、まるで
本物の魔法使いのオバサンのようです。
黒猫も、ホウキも持っていませんが、でも、黒い帽子
は、かぶっています。
なのでケンタは、びくっと体を固くすると、それに気付いたように
「大丈夫よ。私は、優しい魔法使いよ」
と言って、手に持った杖をエイッと、振りました。

 ケンタは大事そうに、通園バッグに、写真を再び
しまい込むと、オバサンをうながすようにして、
見つめました。
「しかたないわねぇ」
苦笑しながら、オバサンは、ケンタを見つめると、
「こっちよ」
と言って、ケンタを手招きしました。

 それは、お化け屋敷へとつながる、不思議な森でした・・・
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