15 / 286
第2章 伝説のホテル
4
しおりを挟む
主任は急に顔をこわばらせると、これまでにないくらい緊張した
面持ちで、何事か話しながら、すぐにカウンターから立ち去った。
一体、何があったんだろう?
何が何だかわからずに、キツネにつままれた顔で、ボンヤリとする…
主任の後ろ姿を呆然と、見送っていると、
おもむろに先輩が彼の方を振りむくと、
「ねぇ、新人くん!
きみは…入って、どのくらいたつ?」
いきなり聞いてきた。
「えっ?」
彼は戸惑いの色を浮かべ、その女の先輩の方を向く。
「えーと、丁度、1週間になります」
ボソリとそう答える。
「ふぅーん」
上目遣いで、彼を見やると
「山口くん…だっけ?君ねぇ~」
呆れた顔をする。
なにがいけないんだ、とちょっとムッとすると…
先輩はまっすぐに、新人の目を見つめる。
「さっきの電話、おそらくここのオーナーよ!
あなた、オーナーの声も、知らないの?」
まるでオーナーのことを、何も知らない彼が悪い、といわんばかりに、
ひややかな、冷たい視線を向ける。
「えっ、えぇ…」
うつむきがちに、彼はうなづく。
やや頬を赤くして、一生懸命、自分の言い分を考えている。
まさかここまで言われるとは思っていなかったので…
屈辱に、打ちのめされていた。
もともとこのホテルには、親戚のオジサンの紹介で、ここに来たのだ。
特別に、ホテルマンになりたかったわけでもないし、
このホテルに、思い入れがあるわけでもない。
ただ漠然と面接を受けて…
その面接も、さっきのあの主任がしたので…
格別に何かを望んで、というわけでもなく、
何となく採用されたのだ。
だが未だに、1度も、オーナーの顔を見たことないのだ。
だから言い訳のように
「ボク…オーナーにまだ、お目にかかったこと、ないんです…」
うつむいたまま、言いにくそうにつぶやいた。
面持ちで、何事か話しながら、すぐにカウンターから立ち去った。
一体、何があったんだろう?
何が何だかわからずに、キツネにつままれた顔で、ボンヤリとする…
主任の後ろ姿を呆然と、見送っていると、
おもむろに先輩が彼の方を振りむくと、
「ねぇ、新人くん!
きみは…入って、どのくらいたつ?」
いきなり聞いてきた。
「えっ?」
彼は戸惑いの色を浮かべ、その女の先輩の方を向く。
「えーと、丁度、1週間になります」
ボソリとそう答える。
「ふぅーん」
上目遣いで、彼を見やると
「山口くん…だっけ?君ねぇ~」
呆れた顔をする。
なにがいけないんだ、とちょっとムッとすると…
先輩はまっすぐに、新人の目を見つめる。
「さっきの電話、おそらくここのオーナーよ!
あなた、オーナーの声も、知らないの?」
まるでオーナーのことを、何も知らない彼が悪い、といわんばかりに、
ひややかな、冷たい視線を向ける。
「えっ、えぇ…」
うつむきがちに、彼はうなづく。
やや頬を赤くして、一生懸命、自分の言い分を考えている。
まさかここまで言われるとは思っていなかったので…
屈辱に、打ちのめされていた。
もともとこのホテルには、親戚のオジサンの紹介で、ここに来たのだ。
特別に、ホテルマンになりたかったわけでもないし、
このホテルに、思い入れがあるわけでもない。
ただ漠然と面接を受けて…
その面接も、さっきのあの主任がしたので…
格別に何かを望んで、というわけでもなく、
何となく採用されたのだ。
だが未だに、1度も、オーナーの顔を見たことないのだ。
だから言い訳のように
「ボク…オーナーにまだ、お目にかかったこと、ないんです…」
うつむいたまま、言いにくそうにつぶやいた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ
リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。
先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。
エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹?
「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」
はて、そこでヤスミーンは思案する。
何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。
また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。
最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。
するとある変化が……。
ゆるふわ設定ざまああり?です。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち
半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。
最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。
本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。
第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。
どうぞ、お楽しみください。
遺産は一円も渡さない 〜強欲な夫と義実家に捨てられた私、真の相続人と手を組み全てを奪い返す~ (全10話)
スカッと文庫
恋愛
「お前の価値なんて、その遺産くらいしかないんだよ」
唯一の肉親だった祖父を亡くした夜、夫の健一と義母から放たれたのは、あまりにも無慈悲な言葉だった。
四十九日も待たず、祖父が遺した1億2000万円の遺産をアテに贅沢三昧を目論む夫。だが、彼には隠し通している「裏切り」があった――。
絶望の淵に立たされた由美の前に現れたのは、亡き祖父が差し向けた若き凄腕弁護士・蓮。
「おじい様は、すべてお見通しでしたよ」
明かされる衝撃の遺言内容。そして、強欲な夫たちを地獄へ叩き落とすための「相続条件」とは?
虐げられてきた妻による、一発逆転の遺産争奪&復讐劇がいま幕を開ける!
雪の日に
藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。
親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。
大学卒業を控えた冬。
私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ――
※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる