ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第3章  新しい訪問者

   14

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  かっきり約束の1時間後に、珠紀たちがロビーに向かうと、
すでに先輩たちや、同級生がみんな、ソファに座って、くつろいでいた。
 だが夕食には、まだ早い時間だ。
これからどうするのだろう…と、珠紀は玲と顔を見合わせると
秀人先輩は、2人に手招きをした。
1年生は1年生で固まって座って、こちらを見ている。
「なんだ、私たちが最後なの?」
思わず玲がつぶやく。

 実のところ、些細なことなのだが、ベッドをどっちにするかで、
もめていたのだ。
トイレに近い方がいいか、窓際に近い方がいいか。
(テレビは山奥のため、どうやら映らないらしい)
それでも部屋の窓を開けると、すがすがしい空気が入って来て、
眺望がすばらしく、さぞかし夜は…星がよく見えるに違いない、そう感じた。
窓の外には、小さなバルコニーもついている。
「なんだかちょっと…ロミオとジュリエットの気分ね」
玲はうっとりとした。
 
 部屋には薄いピンクの壁紙で、レースのカーテンがかかっている。
よく見ると、結構立派なもののようだ。
ユニットバスもこっていて、猫脚のバスタブと、重厚感のあるトイレ…
鏡にも、金の縁取りがしてある。
 こんな素敵なホテル…
本当に自分たちが、泊まってもいいの、とうっとりと眺めたものだ。
部屋にはさらに、クローゼットと、小ぶりのタンスもついている。
 さっき出て来た時には、ひとまず貴重品を身に着けて、
出て来たものなのだが…
たとえテレビがなくても、十分楽しめそうな気がする…と、
何だかワクワクとしているのだった。

「さぁみんな、そろったな!」
 秀人先輩はグルリと1同の顔を見回す。
 ロビーはまるで、貸し切り状態で、他の宿泊客の姿が見えない。
もしかして、自分たちだけなのか?
一瞬そう錯覚しそうになる。
だが…そんなわけがあるわけがない。
気のせいなのかもしれないけれど…
やはりどこかから、視線を感じる。
もしかしたら自分たちは…このホテルでは、浮いているのではないか、
と…珠紀は落ち着かない気持ちになった。
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