ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第4章  湖のほとりで

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「来た時には、気づかなかったんだけどなあ」
 何も知らなかった先輩は、秀人先輩に向かってこぼすと、
「ちょっと木で隠れているからねぇ」
道路に覆いかぶさるようにして、枝が広がっているので、目的地である湖の姿が
一向に見えていないのだ。
どうやら別に、有名な場所でも、特別な観光スポットというわけでは
ないらしい…
そんな所を、どうして先輩たちは、知ってるのだろう?
珠紀が不思議に思っていると
「それって、ネットか何かなんじゃない?」
好奇心で、さらに目をキラキラと輝かせて、玲はまたも、興奮気味に
珠紀にささやく。
(この子、ホント、怖いもの知らずなんだからぁ)
呆れる珠紀である。

 ゾロゾロとホテルの前の道を抜けると、国道をはずれ、下の坂道に
通じる私道を歩いて下りて行く。
車で上がって来た時には、さほど感じなかったけれど、思ったよりも
急な斜面だ。
見下ろすと、麓の方が、はるかかなたに見える。
そこまで遠くはないけれど、ゾロゾロと降りて行くと
突然大きな空き地のような場所に出て来た。
「ここはねぇ、庭園も見事だ、って評判なんだ」
前を向いたまま、秀人先輩は後ろの珠紀たちに話しかける。
さっきホテルの部屋で、荷物を置いてきたので、歩くのもさほど苦にはならない。
それよりも、ここはどんな所なのだろう…と、この謎めいた場所に
興味を抱き始めた。

「ね、なんでここを選んだの?」
 いきなりさっきまで黙っていた先輩が、ちょっと鋭い声を上げる。
先ほどまで、足が痛いと文句を言ってた先輩だ。
メガネをかけていて、神経質そうな先輩で、タマキはちょっと
苦手だな、と思っていた。
「なんでって…前から来てみたかったんだ」
とてもシンプルに、先輩は答える。
「それは、自分たちのデートで、来ればいいんじゃない?」
意地悪く言うと、、メガネのフレームに手を軽く添える。
「いや、こういうのは…みんなと来た方が、絶対盛り上がるんだって」
いきなり賢人先輩が、横から口をはさんだ。
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