ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第6章  禁断の花園

   12

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 ついブシツケなくらい、珠紀はその男のことをのぞき見ると…
男はそのことを全く気にしているようには、見受けられなかった。

「管理人さん…なんですよね?」
あらためて確かめるように、珠紀は聞く。
だが…このいかにも怪しい人物が、ただの使用人にはなぜだか見えなかったのだ。
男はチラリと彼女を見ると、
「うん、そうだよ」
とても楽しそうに朗らかに言うと
「そう、見えないかい?」
挑戦的な目で、逆に聞き返す。
「あっ、はぁ…」
 それにしても、この得体の知れない空気感は、なんだろう?
やはり普通ではない…
本能的に、珠紀はそう感じ取っていた。

「そういえば…ここは?」
そう言いながらも、珠紀の中で、この人物に対して、危険信号が点滅し始めている。
ここは何とか…うまく話をそらして、ここから離れることは出来ないか…
珠紀は頭の中で、一生懸命算段を考えている。
 仮面をつけているせいか、男の表情が読めない。
さらにすっぽりと隠されているため、どんな顔つきなのかも、
(会ったことがあるかも)わからない…
それでもこの男を取り巻く空気が、何だか普通とは違う、イビツなものを感じる。
警戒して、少し体をずらす珠紀の様子にも、気づかぬようで、男はまったく
表情も変えず、
「ここ?」と振り返る。
「ここはねぇ~ボクの母が、愛したバラを育ててるんだ」
快活に答え、むしろ微笑んでさえいる。
「バラ?」
「そう」
思わぬ答えが返ってきたので…珠紀は思わず
「きれい…」と漏らす。
 男はランタンをかざしてみせると…
目の前の暗やみから、1面のバラがあふれるように視界に入って来た。
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