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第13章 今宵一夜だけは…
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「何の音?」
かすかにカチリという音を耳にして、すぐに珠紀は顔を上げる。
何かを探すように、キョロキョロと目を動かした。
一体それが何なのか…うろたえている自分が、なぜだか珠紀には
滑稽に思えた。
何をそんなに、ビクビクしているのだろう、と思いながらも、
それでも首をグルリと回して、辺りを見回した。
「たぶん…固定するための、金具の音だろうと思うけど」
やや自信なさ気に、彼はそう言う。
だが何だかそれだけじゃないような、気がする。
何かのスイッチ?
それが何なのか、やはりよくわからなかった。
「これって、何だかとても素敵ねぇ」
よく見ると、石で出来た台座のような所に、ガラスに入った
紫のバラが、装飾のように置かれている。
花に守られたお墓って、何だかとても素敵だなぁと、
珠紀は眺めていた。
だが、お墓としての墓標も何もない。
それでもいつか、自分もこういう風に、目立たぬようにしてもらうのも
悪くないかもしれないなぁと、あらためて見つめた。
武雄は珠紀から目を離すと、小さな小島を見つめる。
「春になると、この辺りは、とてもきれいに色づくんだ」
うっすらと頬に笑みを浮かべる。
まるで今は見えない景色が、彼には眼前に見えているかのように…
今は枯れて、茶色い景色を見ながら、思い出しているようだ。
「こんなただの荒れ地に見えるかもしれないけど…
小さな小花や、芝桜なんかが、花の絨毯みたいに、
一面咲きそろうんだ。
とっても見ごたえがあるよ」
その頃になたら、また来るといい、となぜだか誇らしげに
彼は珠紀を見つめる。
ここがそんなに変わるの?
何だか珠紀には、ピンとはこなかった。
かすかにカチリという音を耳にして、すぐに珠紀は顔を上げる。
何かを探すように、キョロキョロと目を動かした。
一体それが何なのか…うろたえている自分が、なぜだか珠紀には
滑稽に思えた。
何をそんなに、ビクビクしているのだろう、と思いながらも、
それでも首をグルリと回して、辺りを見回した。
「たぶん…固定するための、金具の音だろうと思うけど」
やや自信なさ気に、彼はそう言う。
だが何だかそれだけじゃないような、気がする。
何かのスイッチ?
それが何なのか、やはりよくわからなかった。
「これって、何だかとても素敵ねぇ」
よく見ると、石で出来た台座のような所に、ガラスに入った
紫のバラが、装飾のように置かれている。
花に守られたお墓って、何だかとても素敵だなぁと、
珠紀は眺めていた。
だが、お墓としての墓標も何もない。
それでもいつか、自分もこういう風に、目立たぬようにしてもらうのも
悪くないかもしれないなぁと、あらためて見つめた。
武雄は珠紀から目を離すと、小さな小島を見つめる。
「春になると、この辺りは、とてもきれいに色づくんだ」
うっすらと頬に笑みを浮かべる。
まるで今は見えない景色が、彼には眼前に見えているかのように…
今は枯れて、茶色い景色を見ながら、思い出しているようだ。
「こんなただの荒れ地に見えるかもしれないけど…
小さな小花や、芝桜なんかが、花の絨毯みたいに、
一面咲きそろうんだ。
とっても見ごたえがあるよ」
その頃になたら、また来るといい、となぜだか誇らしげに
彼は珠紀を見つめる。
ここがそんなに変わるの?
何だか珠紀には、ピンとはこなかった。
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