ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第15章  ラストダンスはあなたと…

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  珠紀が入って来るのを待ちかねたように、静かにバイオリンの音が
響いてくる。
どこからするの?と思っていると、
奥の1段高くなった所に、ホテルの制服を着た1団が、思い思い
楽器を持って、どこかで聞いたことのある、懐かしささえ感じさせる、
懐かしい曲を奏で始めた。
(これは、一体なに?
 なんでこんなことを?)
戸惑う珠紀に向かって、彼は手を差し伸べる。
「踊ってくれ、と言っただろ?」
むしろぶっきら棒に、彼が言う。
よく見ると…彼も服を着替えたばかりのようだ。

 視線を感じて、珠紀も妙に感じる。
「うちのおせっかいなメイドが…余計なことしてくれたんだ。
 まぁ、ボクはいいんだけど…
 年寄りの言うことを聞かないと、あとあと面倒だから…」
ブスッとした顔で、ボソボソと早口に言う。
「何を言ってるんですか?」
 山内さんは、強気な態度で、武雄に向かって抗議の声を上げる。
「坊ちゃんが言ったんでしょ?
 このまま帰すのは、可哀そうだ。
 何か想い出になるようなことを、してやりたいって」
澄ました顔で言うので、山内さんは、1体何者だ、と珠紀は思う。
だが…雇い主にこんな態度をを取って、首になったりしないのだろうか?
ハラハラしながらも、見守っている。
「ごめんなさいね!坊ちゃんは…女の子に慣れていないから」
珠紀に向かって微笑むと、すぐにクルリと彼の方に向き直り、
「女の子にはね、もっと優しく接してあげなくちゃ!
 伝わりませんよ」
ハッキリとした口調で言った。






 
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