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第1章 ママの秘密
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いつも入っている部屋なのに、こうして内緒で入ると、妙に広く感じる。
(パパは、知っているのかなぁ?)
まるで人目を避けるように、隠してあったあのボロ布…
(とにかく、探さなくちゃ!
ママに見つかると、面倒だ)
勝手に入ったことの、後ろめたさも手伝って、柚はまっすぐに、タンスの
引き出しに手をかけた。
(ママ…まさか、気付いたのかなぁ?)
もしもそうなら、隠している場所が、変わっているのかもしれない。
それならそれで、仕方がない…
柚はそんなことを考えて、小さなおでこにキュッとシワを寄せた。
「あら、ねぇ、ユウは?」
柚が引き出しの中を、のぞいている間…
父親は急に気が変わり、トントンと階下に降りて行った。
すると「あっ!」
母親が、こちらを向いているのと目が合う。
「パパ、どうしたの?」
てっきり、柚を寝かしつけている、と思っていたので、驚いた顔を見せる。
「あっ、出たのか」
父親は妻のお風呂上りの、湯気がまだたっているような、ツルツルと顔を見る。
「それが…ユウがトイレから、中々戻ってこないから」
つい、ポロッと言ってしまった。
「あらぁ」
お腹を壊したのかしらね?
母親はまだ、のん気な顔をして、トイレの方を見ている。
一応、確かめてみよう…と、トイレの前に向かう。
「あら、いないみたいよ?」
パパ、気が付かなかったの?
母親はクスリと笑う。
「おかしいなぁ~
ずーっと部屋で、待っていたのになぁ」
ヘンだなぁ。
父親はひとまず。トイレのドアに手をかける。
もちろん、人の気配もなく、水が流れる音もしていなかった。
(パパは、知っているのかなぁ?)
まるで人目を避けるように、隠してあったあのボロ布…
(とにかく、探さなくちゃ!
ママに見つかると、面倒だ)
勝手に入ったことの、後ろめたさも手伝って、柚はまっすぐに、タンスの
引き出しに手をかけた。
(ママ…まさか、気付いたのかなぁ?)
もしもそうなら、隠している場所が、変わっているのかもしれない。
それならそれで、仕方がない…
柚はそんなことを考えて、小さなおでこにキュッとシワを寄せた。
「あら、ねぇ、ユウは?」
柚が引き出しの中を、のぞいている間…
父親は急に気が変わり、トントンと階下に降りて行った。
すると「あっ!」
母親が、こちらを向いているのと目が合う。
「パパ、どうしたの?」
てっきり、柚を寝かしつけている、と思っていたので、驚いた顔を見せる。
「あっ、出たのか」
父親は妻のお風呂上りの、湯気がまだたっているような、ツルツルと顔を見る。
「それが…ユウがトイレから、中々戻ってこないから」
つい、ポロッと言ってしまった。
「あらぁ」
お腹を壊したのかしらね?
母親はまだ、のん気な顔をして、トイレの方を見ている。
一応、確かめてみよう…と、トイレの前に向かう。
「あら、いないみたいよ?」
パパ、気が付かなかったの?
母親はクスリと笑う。
「おかしいなぁ~
ずーっと部屋で、待っていたのになぁ」
ヘンだなぁ。
父親はひとまず。トイレのドアに手をかける。
もちろん、人の気配もなく、水が流れる音もしていなかった。
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