プラグマ2 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

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1話 シュンの実家

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5月になり、シュンとスミが結婚の約束をして1ヶ月が経った。
スミの元夫の裕二が刑務所に入って2人は平穏な生活を送っていた。


「スミ、来週の日曜だけど実家に行かない?」

「え?いいけど。じゃお母さんに言っとくね」

「あっ…ごめん。俺の実家」

「シュンの?」

「うん…」

「そうだね」

「父さんにはある程度は話してあるから」

「…わかった。ご挨拶もしたいし会っておかないとね」

「じゃ父さんに言っておくよ」

「反対されないかな…」

「それはないから安心して」

「そうかな…」


そして日曜日。シュンの実家に到着し玄関の前に行くとスミの足が止まった。


「どうした?」

「緊張するっ…」

「大丈夫だよ」


シュンはスミと手を繋ぎ中へ入って行った。


リビングに入ると父親と継母がソファーに座っていた。


「父さん」

「来たか」

「あの…初めまして。柳本スミと申します」

「ああ…」

「どうぞ座って下さい」

「はい」

「お茶…入れてくるわね」

「ああ」


父親はスミをじっと見ていた。


「父さん、見過ぎだよっ」

「すまん。あまりにも想像の人と違ったから」


想像を裏切ったと思ったスミはショックだった。


「どんな人を想像してたんだよ」

「それは…」


継母がお茶を運んで来た。


「派手で気が強そうな人を想像してたのよね?」

「令嬢イコールそんな感じがしてな…」

「…すみません」

「なぜ謝る?」

「想像通りの人じゃなくて…すみません」

「スミ?それは違うよ」

「そうよ」

「でも…」

「想像と違ってよかったよ」

「え…」

「謙虚で素直さが伝わってくるよ。私は人を見る目があるからわかるんだ」


それを聞いてスミはホッとした。


「元ご主人のことは見抜けなかったけどな。そこまで悪い奴だとは思わなかった。偽造に放火、DVまで…とんでもない奴だ‼︎」

「父さん、もうその話は…」

「そ、そうだな…スミさん大変だったね」

「私はいいんですがシュンさんにも迷惑かけてしまいました。私のせいですみません」

「スミ何言ってるんだよ。もういいから」

「シュンが居なかったら私…」

「守るって約束しただろ」


2人の会話を聞きながら父親はこの日初めて微笑んだ。


「2人はいつ籍入れるんだ?」

「えっ」

「結婚するんだろ?再婚となると男はすぐ出来るけど女性の場合すぐに再婚は出来ないだろ?」

「…2ヶ月後にしようと思ってる…」

「そうか」

「あの…認めて頂けるんですか?」

「認めるも何も、もう決めてるんだろ?」

「は…はい」

「結婚しなさい。スミさんみたいな人だったら大歓迎だよ」

「父さん…」

「ありがとうございます!」

「よかったわね」

「ああ。式は盛大にしなさい」

「式は…2人とも離婚してそこまで日が経ってないし急いでする必要ないかなって2人で話したんだ。写真だけでも撮ろうかって…」

「まぁ確かにそうだな。じゃあスミさんの親御さんと顔合わせしないとな」

「はい。母もそう言っていました」

「うちはいつでもいいから日程を決めておきなさい」

「わかりました」

「父さんたち夕食の時間でしょ?俺たちもそろそろ帰ろっか」

「うん」

「一緒に食事して行きなさい」

「え…」

「いいじゃないか。ねっスミさん」

「あっ…はい。じゃあ」

「じゃ、準備しますね」


継母は台所へ行った。


「…私も手伝います」


家族で夕食を済ませシュンとスミは帰った。


会長に快く受け入れてもらったスミは嬉しくて喜びを隠せなかった。





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