7 / 36
7話 言い張る母
しおりを挟む次の日の夕方、シュンはスミの実家に行った。
「地曽田さん…」
「お義母さん、スミから聞きました。どうしていきなり結婚に反対なんですか?」
「それは…」
「理由があるはずです。教えて下さい」
「、、、、、」
スミの母親はシュンの顔を見たら何も言えなくなった。
「お義母さん、僕のどこがダメですか?」
「違うの‼︎あなたは全然ダメなんかじゃないわ」
「じゃ、どうして?もしかして…うちの家族の問題ですか?」
「、、、、」
「そうなんですか?」
「うちと地曽田家は合わないわ」
「え…僕はてっきりいい感じだと思ってましたが…お義母さんは違ったんですね…」
「ごめんなさい」
「どこが合わないんですか?父ですか?母とは話してませんよね…」
「とにかく…無理なの…」
「もしかして昨日、僕の実家に行ったんですか?」
「…ええ」
「まさか…」
「結婚はさせないと言ったわ」
「そ…それで…?」
「受け入れたわよ」
「そんな…父がですか?」
「お父様じゃなくてお母様と話したわ」
「僕の母と…?」
シュンは拳を握りしめた。
「お母様も2人の結婚には反対よ」
「、、、、、」
「スミと別れちょうだい…」
「…すみません。無理です…」
「地曽田さんっ…」
「今まで色々あって全て乗り越えてやっとここまで来たんです。もう離れたくありません。やっと一緒になれるのに…」
スミの母親は必死で心を鬼にした。
「何言っても同じよ。私とスミの為に別れてちょうだい」
「どうしてスミの為にですか?」
「あなたたちが別れなければ、私はスミと縁を切るからよ」
「そこまでして…」
「そう言うことだから」
もう何を言っても同じだと思ったシュンは立ち上がった。
「…帰ります」
シュンはスミの実家を出て行った。
地曽田さん…ごめんなさい…
あなたには本当に感謝してる…
スミと一緒になって欲しかった…
親の都合で…ごめんなさい…
許して…
スミの母親は心の中で何度もシュンに謝った。
シュンはそのまま実家へ行った。
「シュン、どうした?1人か?」
「うん…あの人は?」
「あの人?母さんか?」
「うん…」
「いい加減で母さんと呼びなさい。2階に居るがもうすぐ降りて来るんじゃないか」
継母がちょうど2階から降りて来た。
「シュン」
「何でだよ‼︎」
「えっ」
「おいシュン!母さんに向かって何だ、その言い方は‼︎」
「何で結婚に反対するんだよ」
「なっ、何だ?どういう事だ⁈」
「聞いたのね…」
「父さんじゃなく何であんたが反対するんだ⁈」
「お前っ、反対って…⁈」
「そうよ。あちらのお母様も反対してるから賛同したのよ」
「そんなこと言える立場かよ」
「シュン…落ち着きなさい‼︎お前…もしかして昨日、スミさんのお母様と出て行ったが…その時何を話したんだ?」
「結婚させないって事よ…」
「スミさんのお母様がそんなこと言うはずないだろ。お前もどうして私に何も言わないんだ?」
「あちらと地曽田家は合わないのよ」
「何だよそれ‼︎話にならない」
「わかってよ」
「何言われたって俺たちは結婚するから」
すると父親はシュンを連れて外に出た。
「私が明日にでもスミさんのお母様と会って話してみるから。もう母さんとは衝突するな」
「父さん…」
そう言うと父親は家に入って行った。
シュンがマンションに帰り着くと心配そうにスミが待っていた。
「スミ…」
「シュン、どうだった?お母さんと会ったんでしょ?」
「うん…」
「お母さん何て?」
「スミの言う通り…結婚に反対してる」
「…理由教えてくれた?」
「うちと合わないんだって…」
「本当っ、意味わかんない!」
「うちの母親も反対してる」
「えっ…そんな…」
「明日、父さんがスミのお母さんと話してみるってだから明日、聞きに行って来るよ」
「…うん。ねぇシュン…」
「ん?」
「私たち大丈夫だよね?別れさせられたりしないよね?」
「大丈夫だよ!何でそこまで反対してるかわからないけど、俺たちの問題だろ?絶対に別れない」
「そうよね…」
応援ありがとうございます!
21
お気に入りに追加
6
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる