プラグマ2 〜永続的な愛〜【完結】

真凛 桃

文字の大きさ
23 / 110

23話 2人との約束

しおりを挟む

翌日、専務は秘書をランチに誘い一緒に昼食をとった。


「昨日はすみませんでした。僕が名刺を渡そうとしなければ…」

「いや…私の責任だ。嘘なんかつかなければよかった…」

「地曽田社長、怒ってますかね?」

「もう1度私から謝っておくよ。地曽田社長からは信用失われたくないから」

「地曽田社長っていい人ですね。男から見てもカッコいいと思います」

「そうだろ‼︎それより…地曽田社長と会った事はくれぐれも社長に言うなよ」

「社長の元彼だからですか?」

「お前っ、知ってたのか?」

「はい…元夫かと思いましたが違いました」

「元夫とは比べ物にならないよ。あんな男と地曽田社長を一緒にしないでくれ」

「元夫はよっぽど酷かったんですね…」

「あまり私の口からベラベラ話す事じゃないけど…ところで中田秘書の好きな人って…」

「社長です」

「うん…気付いてたよ」

「えっ、気付かれてたんですかっ」

「社長と一緒にいるとこ見たら誰だってそう思うよ。社長も中田秘書のこと…」

「僕の片思いです。僕に良くしてくれるけど男として見てくれてないと思います」

「そうなのか?」

「それに…まだ元彼のこと忘れてないと思います」

「地曽田社長のこと?それはないよ。社長の方が冷めて別れたんだから」

「そうなんですか⁈社長が地曽田社長を振ったんですか?」

「まぁ…そんな感じ。だからどちらかというと地曽田社長の方が社長のこと引きずってる」

「地曽田社長が…」

「俺てっきり中田秘書と社長がいい感じだと思ってたから地曽田社長にその事を言ったんだ。早く忘れるように。だから昨日も秘書じゃなく社員として連れて行ったのに…」

「だから僕が秘書だってわかった時、地曽田社長の顔色が変わったんですね」

「うん…多分。だから昨日の事は私のせいだ。もうお前は気にするな」

「…はい」

「それともう1度言うけど社長には…」

「わかってます。昨日の事は言いません」


食事を終えて2人は会社に戻った。
秘書が社長室に入るとスミが昼食をとっているところだった。


「ランチ行ってたの?」

「あっ…はい。専務と」

「最近、専務と仲良いわね」

「あ…そっ…そうですね」

「それと。欲しい物考えた?」

「…まだ考え中です」

「何でもいいから遠慮しないでね。この前私、酔って迷惑かけちゃったし」

「何でもいいんですね」

「ええ」

「わかりましたっ」

「食べたい物ある?」

「それも…何でもいいんですか?」

「いいよ」

「じゃあ…社長の手料理がいいですっ」

「え?真面目に答えてよ。予約しないといけないから」

「真面目に言ってるんですけど。何でもいいんでしょ?」

「でも手料理って…」

「僕の誕生日祝いでしょ」

「そうだけど。手料理は…」

「それで、この前の事はチャラにしますので。お願いしますっ」

「わかったわ。じゃ母にも言っておく」

「社長の家じゃなくて僕の家で作って下さい」

「中田秘書の家で⁈」

「はいっ」

「それはちょっと…」

「何でですか?何か変なこと考えてるでしょ?何もある訳ないじゃないですかっ。上司と部下ですよっ」

「わかったわ‼︎」

「やった~!僕嫌いな食べ物ないから社長にお任せしますっ」

「はいはい」


結局、秘書に負けてしまうスミだった。


この日、家に帰った秘書はシュンの名刺をじっと眺めていた。


社長…何で地曽田社長に冷めたんだろ…
悪いとこなさそうなのに…
地曽田社長…どことなく兄貴に似てたな…
兄貴…会いたいよ…


秘書には年の離れた兄がいたが、1年前に交通事故で亡くなっていたのだ。


秘書は名刺を見てシュンに電話をかけた。


「もしもし?」

「遅くにすみません。中田ですが」

「中田君?どうした?」

「あの…社長、近いうち空いてる日はありますか?」

「どうして?」

「会って話したいんです」

「、、、、」

「ダメですか?」

「明日21時以降ならいいよ」

「21時以降ですね。大丈夫です。ではどこかお店探して明日メールします」


秘書は特に何か話がある訳でもなく、シュンと似ている兄が恋しくなっていた。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁

瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。 彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。

Emerald

藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。 叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。 自分にとっては完全に新しい場所。 しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。 仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。 〜main cast〜 結城美咲(Yuki Misaki) 黒瀬 悠(Kurose Haruka) ※作中の地名、団体名は架空のものです。 ※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。 ※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。 ポリン先生の作品はこちら↓ https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911 https://www.comico.jp/challenge/comic/33031

【完】瓶底メガネの聖女様

らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。 傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。 実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。 そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

二度目の初恋は、穏やかな伯爵と

柴田はつみ
恋愛
交通事故に遭い、気がつけば18歳のアランと出会う前の自分に戻っていた伯爵令嬢リーシャン。 冷酷で傲慢な伯爵アランとの不和な結婚生活を経験した彼女は、今度こそ彼とは関わらないと固く誓う。しかし運命のいたずらか、リーシャンは再びアランと出会ってしまう。

優しい雨が降る夜は

葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン 無自覚にモテる地味子に 余裕もなく翻弄されるイケメン 二人の恋は一筋縄ではいかなくて…… 雨降る夜に心に届いた 優しい恋の物語 ⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡ 風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格 雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン

15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~

深冬 芽以
恋愛
 交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。  2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。  愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。 「その時計、気に入ってるのね」 「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」 『お揃いで』ね?  夫は知らない。  私が知っていることを。  結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?  私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?  今も私を好きですか?  後悔していませんか?  私は今もあなたが好きです。  だから、ずっと、後悔しているの……。  妻になり、強くなった。  母になり、逞しくなった。  だけど、傷つかないわけじゃない。

処理中です...