私の愛する人【完結】

真凛 桃

文字の大きさ
13 / 25

13話 寿美子の実家

しおりを挟む
2週間後、連休を取ったテソンと寿美子は福岡に行った。空港からタクシーを拾い、寿美子の実家へ向かう。

「お母さん、テソン見たらビックリするだろうなー」

「俺のこと知ってるの?」

「もちろん。お母さんも韓ドラよく観てるしね」

「俺が来ることは知らないんだね」

「うん、合わせたい人がいる、としか言ってない」

「そっか、緊張するなー」

「ふふふ…あっ、運転手さん!ここで降ります」

家に着き、チャイムを鳴らすと母が出てきた。

「久しぶり。お母さん!」

「寿美子!おかえり」

母は、テソンをチラッと見て2人を中に入れた。

「会わせたい人って…この方ね。初めまして。寿美子の母です」

(本当に俺のこと知ってるのかな…)

「初めまして。テソンと言います」

テソンは頑張って日本語で挨拶した。

「え?こちらの方じゃないの?」

「うん、韓国の人だよ」

(っていうか、テソンが分からないの⁇)

母はテソンをじっと見て、寿美子を別の部屋に連れて行った。

「あの人、何か見たことあるんだけど‼︎なにあのイケメン!」

「テソンって本人が言ったじゃん!テソンだよ‼︎」

「え⁈あっあのテソン⁈うっ嘘でしょー!どうしてテソンが…えっ?」

「落ち着いて!とりあえずリビングに戻ろう」

テソンは正座して待っていた。

「お母さん、私たち付き合ってるの。今テソンの家に一緒に住んでる」

「…まぁ…うちの寿美子が…信じられない…」

「お母さん…」

「はっ、はい!」

「寿美子さんとの交際、許してくれますか?」

「そんなっ、許すも何もっ…と、とりあえずサイン下さい❤︎」

(え…今言うこと)

「アハハッ、はい!」

母親の興奮もだんだん落ち着いてきた。

「テソンさんは日本語上手なんですね」

「お母さんに会うために勉強しました」

「まぁ❤︎テソンさんったら❤︎」

「テソンすごいんだよ。2週間でここまで話せるようになったし」

「あら~やっぱり出来る男は違うわね。ところで不思議なんだけど、一体どうやって知り合ったの⁈」

寿美子が出会いの流れを説明した。

「そんなことってあるのねぇ…奇跡だわ。
あんたイベントに行けてよかったわね。テソンさんと付き合えたこと感謝しなさい‼︎」

「僕の方こそ感謝してます!」

「テソンさん…本当いい人だね…ところであなたたち、いつ帰るの?」

「明日だよ」

「じゃあ今日は泊まって行きなさい」

「あっ、でも…」

「お母さん、泊まります!泊めて下さい」

テソンは寿美子に目で合図して、予約していたホテルをキャンセルするために席を外し、電話をかけに行った。

「寿美子!よかったね!あんな有名な方と…お母さんはすごく嬉しい!」

「うん❤︎」

「あちらのご両親には会ったの?」

「…うん」

「反対されたんじゃないの?」

寿美子は頷いた。

「そうよね…でもまぁ結婚となると話は別だけど、付き合ってるだけだから、気にしなさんな」

「それが…」

電話を終えたテソンが戻ってきた。

「大丈夫だった?」

「うん」

「どうかしたの?」

「ううん、こっちの話。それよりテソン着替えてきたら?あっちの部屋使っていいから」

「うん」

テソンは着替えに行った。

「寿美子、いつの間に韓国語覚えたの?バッチリじゃないの」

「うん、勉強したから」

「そうなのね。お母さん今のうちに夕食の買い物に行ってくるわね」

「私も行こうかなー」

「あなたはいなきゃ。テソンさん1人になるでしょ」

「あ、そっか…」

すると着替え終わったテソンが戻ってきた。

「お母さん、僕行きます。一緒に行きましょう」

「え…」

「お母さん、一緒に行って来なよ。私、留守番してるから」

「そーお?じゃあ❤︎」

テソンと母は買い物に行った。
2時間後、2人はようやく買い物から帰ってきた。

「おかえりー。ずいぶん遅かったね。どこまで行ってたの?」

「ショッピングセンターまで行ったんだけど…テソンさんったら、服とバックまで買ってくれたのよ❤︎」

「…そ、そう。よかったね!」

母とテソンを見ていると、急激に距離が縮まっているのがわかった。

「夕食の準備するから、2人はゆっくりしてなさい」

「僕も何かお手伝いします!」

「そんな、いいのよ。ゆっくりしてて」

「お母さん、テソン料理上手だし一緒に作ったら?」

「そーう?じゃあ❤︎」

出来上がったおかずをテーブルに並べる。

「こ、こんなに⁈3人で食べきれるの?」

「ははは、ちょっと作り過ぎたわね…」

「僕、食べますから」

「テソンそんなに大食いだったっけ?まっいいや。いただきまぁーす」

「いただきます」

「このチヂミ、テソンが作ったんでしょ?」

「うん」

「お母さん、食べてみて。美味しいから」

「そうね。…美味しい!」

「でしょー!」

「かっこいい上に料理も上手だなんて。寿美子にはもったい……ないわ」

「え?何か言った?」

「いや、何も。ははは」

「お母さんが作った料理、全部美味しいです‼︎」

「あらまぁ、ありがとう。たくさん食べてね」

「お母さん、梅酒ある?」

「あるわよ。持ってくるわね」

「梅酒?」

「うん。お母さんが作った梅酒!美味しいんだよっ」

「はい。テソンさんもどうぞ」

「いただきます」

「これこれっ、うん美味し~」

「本当、美味しいです」

全ての料理を食べ終えた。
ほとんどテソンが。。

「テソンさん、すごい食べるのね~キレイに食べてくれて」

「は、はいっ。美味しかったです」

「こんなに食べたテソン初めて見た…」
   
(うっっ、苦しい…)

「私、先にお風呂に入ってこようかな。ゆっくり飲みたいし」

「ゆっくり入って来なさい」

寿美子はお風呂に行った。
母は疲れて自分の肩をたたく。

「お母さん、肩凝ってるんですか?」

「ええ、もう年だからね…」

するとテソンは母の後ろに周り、母の肩を揉み始めた。

「テソンさん…」

「お母さんの肩、固いですよ」

「そうでしょ。テソンさん上手だね。ありがとう」

テソンはしばらく続ける。

「テソンさんは寿美子のどこが好きなの?あなたならいい人たくさん居るでしょうに」

「全てです。良いところも悪いところも全部好きです。だから言い出したらキリがないです」

「まぁ…そうなの」

「お母さん、僕はこの先寿美子さんと一緒になりたいです」

「えっ⁈それって…」

「はい。結婚を考えています」

「そこまで考えてるの⁈でも、そちらのご両親が許さないんじゃ?」

「僕が何とかします。お母さん、認めてくれますか?」

「よっぽど寿美子のことが好きなのね。私は大歓迎よ。テソンさんが息子になるなんて夢みたいだもの」

「本当ですか⁈嬉しいです。ありがとうございます!」

「あらまぁ、そんなに喜んで!こうしてみるとテソンさんって寿美子に似てるわね」

「僕もそう思います。波長も合うし‼︎」

「そうなのね…よっぽど相性がいいのね」

「何の話ー?っていうか何してるの?肩なんか揉んじゃって」 

「あら、もう上がったのね」

「うん。気持ちよかったー!テソンも入ってきたら?」

「お母さんからどうぞ」

「私は寝る前に入るから、テソンさんお先にどうぞ」

テソンは浴室に向かった。

「何話してたの?」

「ううん、別に…寿美子は幸せ者だね」

「うん。幸せ‼︎」

「テソンさんのどこが好き?」

「どこがって…全部!言ったらキリがないよ…」

(まぁ!2人とも同じこと言ってるわ)

「お似合いよ、あなたたち」

「お母さん、ありがとう!」

「まさか寿美子があのテソンとね~」

「お母さん、初めはテソンだってこと気付かないんだもん!」

「似てるとは思ったけど、まさかあのテソンだなんて思うわけないじゃないの!」

「それもそうだよね…イケメンだし、優しいでしょ?」

「ええ。今じゃ慣れたけど、初めは目が合うだけで恥ずかしかったわよ。買い物してる時もテソンさんはマスクしててもあのオーラだから、周りにジロジロ見られるし、ちょっと気分がよかったわ❤︎」

「上がりましたー!気持ちよかったです」

(あらっ❤︎お風呂上がりもいい男ね)

「テソン!飲も~」

「うん!」

「じゃあ私はあなたたちのお布団敷いて、お風呂に入ってくるわね」

「ありがとうございます」

「テソンお疲れ様!今日は買い物行ったり手伝ってくれたりして疲れたでしょ」

「ううん、大丈夫。それより…胃薬持ってる?」

「あるよ、ちょっと待ってね」

バックの中から胃薬を出してテソンに渡す。

「あれだけ食べたからでしょー?無理するから…」

「だってお母さんの料理美味しかったし、残しちゃ悪いでしょ」

「テソン、ありがとう」

「こちらこそ、お母さんに紹介してくれてありがとう。いいお母さんだね。スミが羨ましいよ」

「今の話、お母さんが聞いたら喜ぶだろーなー。そういえばお母さんの肩揉んであげてたね」

「肩凝ってたみたいだから。昔はよく母さんの肩揉んでたな~」

「そうなんだ。私のも揉んでー❤︎」

「笑。いいよ」

「うわーっ、テソン上手だね!気持ちいい」

「お母さん、喜んでくれたよ」

「だろうねー。上手だし、テソンから肩揉んでもらったら喜ぶでしょ」

「違う…結婚のこと」

「え…?」

「結婚考えてるって言った。ただ付き合ってるだけだと思われたくなかったから」
 
「テソン…」

「言っちゃダメだった?」

「ううん、テソンありがとう」

「スミ…」

「ん?」

「もう…いい…?」

「あっ、肩ね!ごめんっ、ずっと揉ませてたね…ありがとう!」

「そろそろ指が疲れてきた」

「テソンは優しいから、たまに心配になるよ…」

「え…何で?」

「テソンに優しくされたら誰だって…」

「スミにしか優しくしないし。っていうか、こんなことスミにしかしないんだけど…お母さんの肩を揉んだのも、スミのお母さんだからだし…」

「本当?他の女優さんに肩凝ってるって言われても、揉んであげたりしない?」

「しません!」

「本当だね?」

(スミも意外と嫉妬深いな…)

「あんたたちの会話聞いてたら、こっちが恥ずかしくなってくるわ…」

「お母さん⁈え?ずっとそこにいたの?」

お風呂から上がった母は、後ろで2人の話を聞いていた。

「そうよ。寿美子、テソンさんはあなただけなんだから、もうちょっと信じなさい」

「信じてないわけじゃないけど…」

「相手か相手だから心配になる気持ちもわかるけど、信じてあげなさい。ねっ、テソンさん」

「はい‼︎」

「…うん。ごめんね、テソン…」

「じゃお母さんはそろそろ寝るわね」

「私たちもそろそろ寝ようか」

「うん。今夜はスミはお母さんと寝て」

「え?何で?」

「久しぶりでしょ。しょっちゅう来れないし、今日くらい一緒に寝たらいいよ」

「テソンさん、あなたは本当に優しい人ね」

「じゃあそうするね。テソンおやすみ」

「おやすみ」

翌朝、寿美子はテソンの様子を見に行くと布団がキレイに畳まれており、テソンの姿はなかった。

「テソンがいないんだけど…」

「あら、どこに行ったのかしらね」

すると玄関のドアが開いた。

「テソン、どこ行ってたの?」

「ちょっとね」

洗面台の電球が切れかけてたのを気にしてわざわざ買いに行っていたのだ。
テソンは黙って電球を替えに行った。
寿美子と母は何も知らずに、朝食の準備をし始めた。

朝食を食べ終え、2人はソウルに帰ることにした。

「じゃ、お母さん行くね!」

「気をつけてね」

「お母さん、どうか体に気をつけて。ソウルにも遊びに来て下さい」

「ありがとう。2人とも仲良く元気でね」

「はい。色々とありがとうございました」
 
「寿美子のこと宜しくお願いします」

「はい!」

「じゃ、また連絡するね!」

テソンは母と抱き合い、実家を後にした。




 


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】

remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。 佐倉ここ。 玩具メーカーで働く24歳のOL。 鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。 完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。 【完結】ありがとうございました‼

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

清貧秘書はガラスの靴をぶん投げる

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「お前、頬を叩いた詫びに婚約者になれ」 上司で社長の彪夏と秘書の清子はお似合いのふたりだと社内でも評判。 御曹司でイケメンの彪夏は女子の憧れの的。 清子はどこぞのご令嬢と噂され、男女問わず視線を集めていた。 ……しかし。 清子には誰もが知らない、秘密があったのです――。 それは。 大家族のド貧乏! 上は高校生、下は生まれたばかりの五人弟妹。 おっとりして頼りにならない義母。 そして父は常に行方不明。 そんな家族を支えるべく、奮闘している清子ですが。 とうとう、彪夏に貧乏がバレたまではよかったけれど。 子持ちと間違われてついひっぱたいてしまい、償いに婚約者のフリをする羽目に。 しかも貧乏バラすと言われたら断れない。 どうなる、清子!? 河守清子 かわもりさやこ 25歳 LCCチェリーエアライン 社長付秘書 清楚なお嬢様風な見た目 会社でもそんな感じで振る舞っている 努力家で頑張り屋 自分がしっかりしないといけないと常に気を張っている 甘えベタ × 御子神彪夏 みこがみひゅうが 33歳 LCCチェリーエアライン 社長 日本二大航空会社桜花航空社長の息子 軽くパーマをかけた掻き上げビジネスショート 黒メタルツーポイント眼鏡 細身のイケメン 物腰が柔らかく好青年 実際は俺様 気に入った人間はとにかくかまい倒す 清子はいつまで、貧乏を隠し通せるのか!? ※河守家※ 父 祥平 放浪の画家。ほぼ家にいない 母 真由 のんびり屋 長男 健太(高一・16歳)服作りが趣味 次男 巧(高一・15歳)弁護士になるのが目標 三男 真(小五・10歳)サッカー少年 四男 望(保育園年中・5歳)飛行機大好き 次女 美妃(保育園児・五ヶ月)未知数

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

甘い束縛

はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。 ※小説家なろうサイト様にも載せています。

思い出のチョコレートエッグ

ライヒェル
恋愛
失恋傷心旅行に出た花音は、思い出の地、オランダでの出会いをきっかけに、ワーキングホリデー制度を利用し、ドイツの首都、ベルリンに1年限定で住むことを決意する。 慣れない海外生活に戸惑い、異国ならではの苦労もするが、やがて、日々の生活がリズムに乗り始めたころ、とてつもなく魅力的な男性と出会う。 秘密の多い彼との恋愛、彼を取り巻く複雑な人間関係、初めて経験するセレブの世界。 主人公、花音の人生パズルが、紆余曲折を経て、ついに最後のピースがぴったりはまり完成するまでを追う、胸キュン&溺愛系ラブストーリーです。 * ドイツ在住の作者がお届けする、ヨーロッパを舞台にした、喜怒哀楽満載のラブストーリー。 * 外国での生活や、外国人との恋愛の様子をリアルに感じて、主人公の日々を間近に見ているような気分になれる内容となっています。 * 実在する場所と人物を一部モデルにした、リアリティ感の溢れる長編小説です。

友達婚~5年もあいつに片想い~

日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は 同僚の大樹に5年も片想いしている 5年前にした 「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」 梨衣は今30歳 その約束を大樹は覚えているのか

出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜

泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。 ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。 モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた ひよりの上司だった。 彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。 彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……

処理中です...