勇者の右腕で魔法使いの俺は実はレベルMAXで最強でした

キャンディ

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冒頭

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 異世界ファンタジー。もしも別の世界からこの世界を見たら、おそらくそう呼ばれるのかもしれない。俺が暮らしているのはそんな世界だ。 
 平和に暮らす人々がいて、世界を滅ぼそうとしている魔王軍や人間から忌み嫌われている魔族などがいる。……そしてそんなもの達から人々を守る存在。つまり勇者と呼ばれる者も存在する。
 
 かく言う俺も、実は勇者パーティーの一員だ。俺の職業は魔法使い。ちなみに勇者は当然の如く剣士だ。パーティーには、俺と勇者の他にプリーストとパラディンがいる。特別仲が良いというわけでもないが、あいつらとはそれなりにはやっていけてる。

 この世界では、人間は職業によって。そして魔王軍や魔族は種類によって……それぞれのスキルを持つ。つまりこの世界での戦闘は、そのスキルを使用した闘いとなるのだ。例えば、俺なら色々な属性の魔法攻撃ができたり、勇者だったら剣技や身体能力強化など。
 ……そういや、先日戦ったゴブリンなんかも身体能力強化を使ってたな。まあ、勇者と比べたら完全に劣っていたが……。
 ……と、まぁこんな感じで、この世界では様々な種類のスキルを持つ奴がいるというわけだ。

 ーー現在、俺は夜の草原を歩いていた。
勇者パーティーと聞くと、みんなが一心同体でいつも一緒にいるイメージがあるが、生憎と俺は単独行動の方が好きだからな。
それ故に、今現在も俺は一人で動いている。
 そんなとき、俺の元に何が飛来してくるのが分かった。そいつが地面に着地した瞬間、辺りを土煙が包み込んだ。
 ……やがて、その土煙が晴れ、俺はその者の姿を捉えた。
「……マジか……!まさか、こんなところに来るとはな……」
 姿を現したそいつは……魔王軍四大幹部の一人、"フラウド"。
「よオ、見つけたぞ!……勇者の右腕、ディル。こんな夜中に一人で出歩くとはな……。ハッ、危機感持った方がいいぜお前」
 フラウドは、飄々と話す。どうやら、俺が単独行動だからと舐め腐っているらしい。でもな……
「クックック!アッハハハハハハハ!!!」
 俺は目の前の奴にそんな笑いをぶつけた。……俺のその態度に、フラウドは怒りを見せる。
「……テメェ、何がおかしいんだよ?……あんま自分の立場分かってねェみてェだな……」
「……自分の立場なら知ってるさ。俺は今最弱の雑魚を相手にしている……それだけだろう」
「仲間もいないくせに、何を粋がっている?……確かに、パーティー全員を相手にするなら……俺としても厳しいかもしれんが……。現在、お前は一人。……つまり、お前に勝ち目はない」

 ……ま、普通はそう思うだろうな。……ただ、こいつは知らない。だからこそ、俺は奴に向けて言い放つ。
「俺は……最強なんだよ!!」
 今の発言は……嘘じゃない。この世界で、俺に敵う奴はいない。パーティーメンバーがいないのも、むしろ好都合だ。……ちょっと事情があって、俺は自分の実力を隠しているからな……。
 俺は普段、パーティーメンバーの前でその強さを見せることはない。……けど、俺は今は一人だ。……だから、手加減をする必要もないというわけだ。
 
 
 ーー奴はその言霊を放ちながら、俺の方に突っ込んでくる。
「付与:正気吸収《エンチャント:バイタリティードレイン》」
「さあこれで、俺の打撃はお前の生命力を奪い取る死神の鎌と化した!さあ、くたばりやがれ!!」
 奴はその突進の勢いに乗せて、俺に殴りかかって来る。
 ……なるほど、確かにこりゃあ厄介だな……。……当たればだけどな。
 俺はフラウドのその攻撃を簡単に避けてみせる。
「魔法使いだと思って、素の身体能力がないと油断したな。残念、これでも訳ありで動ける方なんだよ!」
 ……流石に、勇者程の身体能力はないが、コイツの攻撃を避けるだけなら造作もない。
「にしても……お前一応は魔王軍の幹部なんだろ?……正直、身体能力だけでどうにかなっちまうとは思わなかったぜ」
 ……これなら、俺の目的もそう難しくはないだろう。

「さて……次はこっちの番だ」
 そう言った瞬間、俺はそのスキルを唱える。
「-聖光-《ホーリーレイ》」
 コイツは悪魔特効の力を持つ光だ。魔王軍なんてのは大抵が悪魔族なので、これを使うのが一番いい。
 ……聖なる光が、フラウドに降り注ぐ。
「ギャアァァァァァ!!!!」
 辺りに、奴の苦しみに塗れた悲鳴が響き渡る。
 俺の攻撃のせいか、そこら一帯は純白の光に包まれていた。
 
 ……やがて聖なる光は消え、俺はその攻撃を受け切った魔王軍幹部に目を向ける。
「……おいおい……。一発で瀕死じゃねぇーか……」
 やれやれ、せめて二発くらいは耐えてくれると思ったんだがな。
「……こりゃあ、能力を使うまでもねぇか……」
 俺はポツリとそう呟いた後……
「待ってな、今楽にしてやる」

 ーーそれから、俺は奴に向けて、もう一発-聖光-《ホーリーレイ》をぶち込んだ。
 その攻撃を受けて、フラウドは完全に絶命した。
 
 ……たとえ、魔王軍幹部であろうと、俺の敵じゃない。何故なら、俺は最強なのだから。まあ、パーティーメンバーの奴らがいないときに来てくれたのは、ラッキーだった。なんせ、俺は実力を隠さないといけないからな。

 ーーさて、メンバーと合流しに行くとしよう。もちろん、一人で魔王軍の幹部を倒したことは秘密にしないとな……。
 そんなことを考えながら、俺はその場を後にするのだった。
 
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