菱形の陽暉楼(女探偵キラサとあやかしの鬼神)

南逆賊

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第五話 妖怪迷宮

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 王宮のすぐ近く…一般市民の暮らす集落…そこは、まるで旧時代の日本と中国が合わさった様な佇まい…
 中央を流れる大きな河…村人の水源でもあるその地の、反対側にキラびやかな建物、王族の者もしばし訪れる娼館…名称は無かったが、その外観から…菱形の陽暉楼と呼ばれていた…
 「芸姑が…鬼の子を産んだぞ…」
女衒の男は、親となった…そこで一番人気の娘から、引き離すため…その赤子を連れ、船を走らせた…
 「私の赤ちゃんは…何処?」
派手な装飾の和室の中で…目覚めた芸姑は胴体から、蜘蛛の脚を八本這い出させ、天井を駆け回る…
 「コイツ…バケモノだったか…」
用心棒の男達は、刀を構える…
 奥から、物知り顔の老婆が現れる…この遊郭の女主人である…
 「イヤ…この女は、鬼と交わった事により、魔に取り憑かれたんだよ…」
 「この…妖怪め!」
男が剣を振るうと…直前でかわし、口から糸を吐き、男と老婆を絡め取る…
 ガガガガ…
そして…尻から出した、毒トゲを突き刺し…ふたりの精気を吸い取ってゆく…
 その頃、妖怪の子を誘拐した男は…闇が覆う大海原で、布に包まれた赤子を手に抱え…今にも、水の中に放り込もうとしていた…
 「オギャ…バ…ブゥ…」
 「スマンな…」
その手を離しかけた時…
 「お…おとっ…ちゃん…」
その子の声に手を止めた…男の映る海面には、鬼の角が生えた…人影が…

 「で…コレが、どう繋がるの?」
突如…現実空間の、市ヶ谷刑事が口を開いた声に、意識を取り戻すキラサ…
 「はっ…」
 「本に集中しすぎですよ…キラサさん…」
 探偵と助手がいたのは、最初にいた古本屋の中…まだ、怪しげな食事が運ばれていない時間軸…そこには、さつき達はいない…そして、まだ主人が殺される前だ、恐らく…
 
 話は…普通電車に揺られ、駅に着いた…双子の美青年警官(通称)ディーとダムに、荷物を持たせた…ちょっとカワイイ女刑事の登場と共に始まる…
 「ここが…殺人犯の潜伏するって、場所(トコ)かしらっ…」
 「しっ…市ヶ谷刑事、ダメですよ…本庁から、言われてるでしょ…超々、極秘の任務ですよ…」
 兄のディーが、たしなめる…
パシッ! 
 「なんでやねんっ!」
ハリセンでツッコむ、市ヶ谷さつき…
 「使い方、間違ってますよ…」
弟のダムが、頭を抱える…
 3人は、付近の聞き込みを開始する…
 「大体の梅干しは…ついたわね…」
 「目星です…」
ふたり同時の言い直しを無視し、話を進めるさつき…
 「隠れ家的存在…人知れず、看板を出さずに営業してる…古本屋が、怪しいわ…」
 「ですね…もう、着いてますケド(兄)」
 「失礼しま~す…(弟)」
 「コラ~!一番乗りは、私よ!」
その佇まいに、不似合いな自動ドアが開き…奥から暗い表情の女が現れる…
 「アナタ方も…本になりたいんですか?」
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