菱形の陽暉楼(女探偵キラサとあやかしの鬼神)

南逆賊

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第九話 囚われの鬼神

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 この怪しげな街の警察署内で…協力要請をし、調書を取るさつき。もちろん、普通の姿で…
 「この立花源造ってのは、ただの一般人ね…本当に、あの本屋の店主で…そこを乗っ取った、あの妖怪に利用されただけって、事かしら…」
 「(兄)はい…でも死因は、衰弱死…憶測ですが…犯人は、蜘蛛かと…」
 「ふう~ん…女王の手下の蛇が悪としても…どうして母の蜘蛛が…」
頭を抱えるさつき…
 「考えてても、しゃ~ないわ…現地に向かいましょ…」
 「(弟)あの…本屋ですか…」
 「えっと…この時間軸は、店主の殺害後で…確かあのふたりは…」
 「(兄)例の、食堂にいるはずです…」
 「そ…先に、寄り道していくわよ…」

 カランカラン…
古臭い音を鳴らし…店内へ入る、さつき達三人…
 「いらっしゃいませ…」
店主自ら、出迎える…
 「お前!ユズキの父親の…元凶の鬼!」
 男のコック帽を叩き…角を剥き出しにする、さつき…
 「ふたりはドコ?」
鬼の首を掴み…持ち上げ、凄む…
 「チビッコ…」
 「市ヶ谷刑事…」
かすかに…キラサとユズキの声が…
 「腹の辺りから…するわね…」
 「これには…」
言い訳をしようとする鬼の口から…手が…
 ズルズル…ベチャ…
その口の大きさからは、比率の合わないサイズのユズキが…右手にキラサを抱き、這い出してきた…
 グエッ…ゲボゲボゲボ…
ふたりを吐き出し、その場に倒れ…意識を失う鬼…
 「きっちゃね…」
カラダの粘液を、不快そうに叩くキラサ…
 キュルキュルキュル…
次の瞬間…父鬼から脱出したふたりの首を、白い糸が締め上げる…
 「な…どっちが、敵?」
思考停止するさつきは、天井の蜘蛛を見つめていた…
 「く…しまった…ギギギギギ…」
首を絞められ…奇妙な音を、発するユズキ…
 「離さぬか…この外道…」
急に、お姫様口調のキラサ…
 「な~んちゃってね…お戻り…ディーとダム…だった者達…」
半笑いのさつきが、そう言うと…双子の警官の兄は…下半身を外し、捨てる…続いて、弟も上半身を左右に振って、ちぎり捨てた…地面に横たわる、それぞれの半身は…木製の作り物だった…
 「合身(コネクト)…」
残った上半身と下半身は、合体する…その後ろ側に沿った頭部を、こちらに持ち上げると…鬼化した、ユズキが…
 「私のユズキ…これが、本物…」
さつきが、そう言うと…ぶら下がっている、ニセモノのユズキの顔が…徐々に蛇の顔へと、正体を現す…
 「気づいてやがったか…ヘボ刑事のクセに…」
 「ユズ…助けて…」
蛇の横で…同じ様に、蜘蛛の糸に首を締め付けられている…キラサが、目の前の鬼に、助けを求めてる…
 「誰だ…お前…」
彼女を睨みつける鬼神は、何かを感じとっていた…
 「往生際が…悪いわよ…お母様…」
そう言う、さつきの顔は…本物のキラサへと、戻っていった…
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