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巫女として
15.巫女としての自覚*
しおりを挟む最後に残ったのはチョーカーと同じようなデザインのもので、中央の60cmほどの部分だけ上下にフリルがついた細リボンを、フリルがついた部分を背中に回して腰に当て、淫紋がかくれるように下腹部で一度結ばれた。
結び目からフリルがついていない2本のリボンは、ピアスを通し、赤く膨らんだ割れ目を強調しながら、後ろへと進んでいく。端についた小さな金具と腰のリボンについた小さな金具を引っ掛けることでパンティのようになった。
契約主の手で何度もクリトリスのピアスや秘部を触られ、刺激を感じるたびに腰を震わせながら「っきゃ……あぁ…んっ…ふぁぁっ…」と可愛らしい嬌声をあげる彼女の足元には、ぐずぐずに蕩けて漏らした愛液が太ももを伝ってベッドを濡らして作ったシミが広がり、カーテンの中にはフェロモンのようないやらしい香りが漂っていた。
腰を落としていいと声をかけると、マリは腰を震わせながら体を落とし、ぺたりとベッドに座る。足元には、いつのまにか服と揃いの白いフリルのミュールが置かれていた。ハイデルは、腕をだらりとさせながら息を整えるように大きく息をしている彼女から離れ、ベッドサイドに立った。ゆっくりと屈んでミュールを手に取ると、マリのふくらはぎ手をかけてサイドへ足を伸ばさせ、片足ずつミュールを履かせる。
舞踏会で令嬢をエスコートするように、左手をすっとマリに差し伸べると、手を取って泉へと誘った。
コツ、コツ、とゆっくり泉へ歩み寄る足音が二つ、泉の間に響き渡る。水が流れている音が常に聞こえているだけで、ここはいつもとても静かな場所だ。
「さぁマリ、ご覧。これが、君の巫女としての、今の姿だ。」
静かに揺蕩う水面に、チェーンで繋がれたピアスを前面に引き立てる衣装が光る。ほぼ裸と言っても過言ではないほどに艶めかしく淫靡なマリの姿と、それを支えるローブ姿のハイデルは対照的だ。
「………っ!」と息を飲んだマリは、とっさにハイデルの手をぎゅっと強く握った。「これが…今の私…」と左手を頬に寄せると、身体を一層赤らめてハイデルの方を見つめる。
「…名乗り遅れたな。この精霊の神殿の守護者であり、国の宰相を預かっている、ハイデル・ルイス・グリンデンベルグだ。お前の契約者でもある。」
神殿の守護者、宰相、という聞きなれない言葉に少し混乱しながらも、昨夜の契約を思い出し、はい…と小さく答える。質問する余地も与えず、彼は言葉を続ける。
「お前は昨日、私と契約してこの国の、泉の、巫女となった。巫女はその身に精を受け、魔力をあのゴブレットに集めることが職務だ。
この国の水はこのゴブレットに満たされた魔力から生まれている。今まではなんとかやって来れていた、だが昨日の晩、お前がここへ現れた瞬間に、帝都への水の流れは止み、今朝流れてきた水は、ほんのわずかな量になっている。
この意味が……お前にはわかるか。」
矢継ぎ早に入ってくるたくさんの情報を、マリはまだ受け止め切れない。それでも、自分がこの世界に来たときのあの溺れる感覚は、そういうことだったのかと、なぜか理解する部分もあった。
ゴブレットと呼ばれているのはきっとあの地球儀のようなオブジェだろう。昨日は光っているとしか思わなかったが、いまはガラスのような透明の球体の下のあたりで、水色のとろりとした液体がゆらゆらと漂っているのがわかる。
マリからの返事はないが、彼女の目線が水面からゴブレットに移動しているのをみて、ハイデルはまた話しだす。
「お前にも、あれがおそらく見えているはず。
契約した私と、お前と、教皇そして皇帝。あの魔力の残量が見えるのはこの4人だけだ、一切口外してはいけない。そして、お前が魔力を生み、私が神殿を守る。これは破棄することのできない契約で守られている。
…マリ、お前は、私から、思う存分に精を受け、魔力を生み出すのだよ。」
幼子へ言い聞かせるようにゆっくりと伝えたハイデルは、マリの髪を軽く掬い、身をかがめてキスをした。
髪に感覚なんてないはずなのに、彼が口付けた先から、首筋、背筋を通って、子宮まで波紋のように快感が響き、一瞬で身が砕けそうになるほどの、ぞくりとした気持ちよさを感じる。
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