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巫女として
14.嗜虐心を擽る新しい玩具*
しおりを挟むハイデルが用意した巫女の服は、この世界では考えられないほどに卑猥なものだった。
これからたくさんの精を受け、自らの手で少女から女に変化していく姿を、マリに自覚させ、他者へ見せつけるかのようなものを、彼はあえて用意させていた。
マリは、小さな混乱と緊張で気付けばベッドの上に正座をしていた。与えられた袋の中にはシフォンのようなふわふわとしたリボンの塊が入っていたが、マリにははじめ、どういう形で着るのか正解がわからなかった。
いろいろな角度から見るうちに、斎藤 茉莉として生きていた日本で『マンネリカップルが愛を取り戻すために!』とか『肉食女子は年下部下を色気で落とす!』なんて少し下世話な特集記事に、こういうベビードールのおすすめがあったのを思い出した。もちろん数回は挑戦したけど、結局駄目だったんだよなぁなどと、考え事をしてしまっていた。
マリがそう考えている間、あまりに悩ましげな顔をしていたのだろう。
チョーカーとベビードールってもうこれ下着じゃん…と脳内で苦笑していると、さっきまでソファに偉そうに座ってたはずの銀髪の青年は、にんまりと微笑みながらベッドサイドに立っていた。青年は、そんなにも悩むなら私が着せてやろうと言いながら、ギシリとベッドに手をつき、マリの手からリボンの塊を取ると、一度持ち上げて見せる。威圧感があったわけではないのに、マリは青年の圧にたじろいだように、くたりと足を崩していた。
なめらかなサテンリボンに、シースルーの布を縫い付けただけのような真っ白なそれは、チョーカーにベビードールがついた形だ。上下にやわらかなフリルの付いたチョーカーに、細い紐だけのブラと、透け透けの布がつながっている。
胸のピアスをみせつけるように三角形の形に縫われたブラに当て布なんて当然なく、細い紐が胸を三方向から捉え、強調するようになっている。
胸下は太めのサテンリボンを背中で結ぶようになっていて、下には左右へ分かれてシースルーの布が縫われており、マリの乳首から繋がれたピアスがどこへ向かっているのか、すぐに見えるようになっていた。
首元のチョーカーには小さな金具がついていて、マリが触っただけでは外れなかったが、ハイデルが触れると直ぐにかちゃりと外れる音がした。
「さぁマリ、自分で髪を束ねるようにして。
両手で上へ持ちあげなさい。」
色気のある低い声で静かに優しく命令をすると、マリは口をキュッと結んでこくりと頷き、大人しく髪を持ち上げた。何か言いたげな顔をしながらも、大人しく言うことを聞くこの従順な娘は、ハイデルの加虐心をじわじわを煽っていく。
ハイデルはチョーカーを手に取ったまま、マリの首元に歯を立ててかぷっと軽くかじりついてから、じゅるりと肌を吸った。命令のまま、素直に髪を両手で持ち上げているマリは、きゅっと軽く目を瞑って、んぅぅ…と小さく喘ぎ、身体を走る快感に身を震わせながらも、ハイデルによしと言われるまで大人しくしている。新しいおもちゃを目の前にしたように好奇心を丸出しにした顔の彼は、反抗するどころか、手を出されても言われたことを止めるまでやめない姿に喜びを感じ、下半身にぐっと熱を集めていた。
ハイデルはマリの耳元に近づき、そのままにしていてと声をかけると、金具を前にしてチョーカーをつける。
口を小さくぎゅっと閉じ、瞬きひとつでぶわっと溢れそうなほどに瞳を潤ませたマリを横目で見つめると、右手をチョーカーの金具にかざし、聞き取れないくらいに小さな声でぼそぼそと何か呟く。金具の上でぼうっと黄色い光が煌めき南京錠の形になった後、すうっと金具に吸い込まれるように消えていく。無自覚のうちにマリに執着したハイデルは、契約者にのみ解くことのできる強固なロックの魔法をかけていた。
チョーカーに細いリボンをひっかけてべビードールを着るときも、ハイデルの手によって両方のピアスをつまんだり、腰や肩にキスをしたりと、たくさんのちょっかいを出され続けたマリは、たった1枚着るだけで体中の熱を集め、蜜壷をとろけさせる。
お尻をぎりぎり隠す長さまで伸びている布の下にはハイデルの真名が筆記体で刻まれており、この服を着た巫女が、ハイデルと契約しているのだということは誰の目から見ても明らかだ。
「手を下ろしていいよ、マリ。」
ハイデルの許しの言葉は、ゆっくりとマリの心を開放していく。
「いい子だ。そうやって座っていてはこの先は着られないだろう、そのまま腰を上げなさい。」
ひとつずつ、命令して、許して、心を開放すれば虜になることを、ハイデルは知っていた。この娘には自身の嗜虐心をくすぐる才能があること、同時に潜在的に被虐心を備えていることも、昨晩のうちに見抜いていた。
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