9 / 13
第1章
魔王襲来
しおりを挟む
このみと裸の付き合いをしてから数日……。
新たに「野々村 日照【ののむら ひでり】」という水色の髪にツインテールの少女がやってきた。
うさぎのぬいぐるみを大切そうに抱えている。
本人曰くただのぬいぐるみらしい。
彼女自身は氷属性の魔法を得意とする。
豪邸にまた1人同居人が増えた。
今日は歓迎会であった。
「私の為に……ありがとうございます!」
そう嬉しそうに告げる日照。
「構わないよ。こうして魔力の補充にもなるしね」
いつの間にか勝手に参加しているマーリン。
「ウォルフ、呼んだんだけど来なかったよ~」
そう告げる猫。
「薫さんはどう?楽しい?」
「うん、楽しいよ」
笑顔で答える薫。
「……」
思わず見惚れる猫。
「……あの、薫さん、ちょっと話があるんだけど……。」
「話し?何?」
「……ボクと付き合ってください!!」
「……は?」
キョトンとした顔をする薫。
「ボク、薫さんのこと大好きなんです!良ければ恋人になってください!」
そう言って手を差し出す猫。
「(俺男だけどいいのかな……)」
そう思いながらも握手に応じる。
「うん、わかった。お付き合いしよっか。」
「ホント!?やったー!これからもよろしくね、薫さん!」
「……そこの2人、カップル成立したのはいいけど早くしないと料理全部食べちゃうよ」
「ハッ、そうだった!」
食事を楽しむ薫達。
「やあやあ、劣等種共。元気にしてるかな?」
黒髪の少女がどこからともなく現れた。
「貴様は……!」
「魔王シャウト……!」
アリスティアとこのみは戦闘態勢に入る。
「あっはは!あたしには魔法が効かないのをわかってやってるの?面白いねぇ!」
シャウトはそう言うと風でアリスティアとこのみを吹き飛ばす。
「ちょっとまった!!」
待ったをかけたのは薫だった。
「シャウトさん……でしたっけ。はじめまして。薫と申します」
ぺこり、とお辞儀をする薫。
「ほう、そこな異世界人は礼節を弁えているな。素晴らしい。」
「シャウトさんに提案があるんです。良ければ聞いていただけませんか?」
「良い。疾く申すが良い」
「世界の半分差し上げるので手を引いてくれますか?」
「それは出来ぬ。この世界の全ては私のモノだ。誰にも渡さん。」
「(やっぱり交渉は無理か……なら……!)」
「うちで暮らしてみませんか?」
「……は?」
「一緒にいるうちにこの世界の素晴らしさを見て欲しいんです!」
営業スマイルで述べる薫。
「……暮らすのは構わぬが……私がいては邪魔ではないか?」
「悪どいことした時はお仕置しますけどね!」
そう言う薫。
「……ふむ、わかった。貴様達の目の届く範囲で破壊するのを辞める。その代わり私に衣食住を提供しろ」
「勿論!」
何と魔王を丸め込む事に成功した。
これからは世界征服を諦めさせなければならない。
やることは山ずみだ。
「それじゃまず、お友達になりましょ!」
そう言って手を差し出す薫。
「……握手は必要ない。どうせ滅ぼす世界故な」
「そ、そう……。」
滅ぼす世界、と聞いて少し暗い影を見せる薫。
「シャウトにとってこの世界は何?」
「私の遊び場だ。それ以上もそれ以下でも無い。」
「なら皆で楽しくしませんか?気持ちも変わるかも知れませんし……。」
「仲良くするつもりは無い。友も必要ない」
「ちょっとストーップ!!」
横槍を入れて来たのはニコラエヴナだった。
「アンスリア様の許可なしに魔王を豪邸に引き入れるなんて無茶ですよ!」
「責任は全て私がとる。ニコラエヴナ達に迷惑はかけないよ」
「……わかりました。薫さんがそこまで言うのなら……」
こうして同居人が増えた。
相手はあの魔王シャウトだ。
これから薫はシャウトを説得し世界征服を諦めさせればいけない。
とりあえず第1歩を踏み出すのであった。
新たに「野々村 日照【ののむら ひでり】」という水色の髪にツインテールの少女がやってきた。
うさぎのぬいぐるみを大切そうに抱えている。
本人曰くただのぬいぐるみらしい。
彼女自身は氷属性の魔法を得意とする。
豪邸にまた1人同居人が増えた。
今日は歓迎会であった。
「私の為に……ありがとうございます!」
そう嬉しそうに告げる日照。
「構わないよ。こうして魔力の補充にもなるしね」
いつの間にか勝手に参加しているマーリン。
「ウォルフ、呼んだんだけど来なかったよ~」
そう告げる猫。
「薫さんはどう?楽しい?」
「うん、楽しいよ」
笑顔で答える薫。
「……」
思わず見惚れる猫。
「……あの、薫さん、ちょっと話があるんだけど……。」
「話し?何?」
「……ボクと付き合ってください!!」
「……は?」
キョトンとした顔をする薫。
「ボク、薫さんのこと大好きなんです!良ければ恋人になってください!」
そう言って手を差し出す猫。
「(俺男だけどいいのかな……)」
そう思いながらも握手に応じる。
「うん、わかった。お付き合いしよっか。」
「ホント!?やったー!これからもよろしくね、薫さん!」
「……そこの2人、カップル成立したのはいいけど早くしないと料理全部食べちゃうよ」
「ハッ、そうだった!」
食事を楽しむ薫達。
「やあやあ、劣等種共。元気にしてるかな?」
黒髪の少女がどこからともなく現れた。
「貴様は……!」
「魔王シャウト……!」
アリスティアとこのみは戦闘態勢に入る。
「あっはは!あたしには魔法が効かないのをわかってやってるの?面白いねぇ!」
シャウトはそう言うと風でアリスティアとこのみを吹き飛ばす。
「ちょっとまった!!」
待ったをかけたのは薫だった。
「シャウトさん……でしたっけ。はじめまして。薫と申します」
ぺこり、とお辞儀をする薫。
「ほう、そこな異世界人は礼節を弁えているな。素晴らしい。」
「シャウトさんに提案があるんです。良ければ聞いていただけませんか?」
「良い。疾く申すが良い」
「世界の半分差し上げるので手を引いてくれますか?」
「それは出来ぬ。この世界の全ては私のモノだ。誰にも渡さん。」
「(やっぱり交渉は無理か……なら……!)」
「うちで暮らしてみませんか?」
「……は?」
「一緒にいるうちにこの世界の素晴らしさを見て欲しいんです!」
営業スマイルで述べる薫。
「……暮らすのは構わぬが……私がいては邪魔ではないか?」
「悪どいことした時はお仕置しますけどね!」
そう言う薫。
「……ふむ、わかった。貴様達の目の届く範囲で破壊するのを辞める。その代わり私に衣食住を提供しろ」
「勿論!」
何と魔王を丸め込む事に成功した。
これからは世界征服を諦めさせなければならない。
やることは山ずみだ。
「それじゃまず、お友達になりましょ!」
そう言って手を差し出す薫。
「……握手は必要ない。どうせ滅ぼす世界故な」
「そ、そう……。」
滅ぼす世界、と聞いて少し暗い影を見せる薫。
「シャウトにとってこの世界は何?」
「私の遊び場だ。それ以上もそれ以下でも無い。」
「なら皆で楽しくしませんか?気持ちも変わるかも知れませんし……。」
「仲良くするつもりは無い。友も必要ない」
「ちょっとストーップ!!」
横槍を入れて来たのはニコラエヴナだった。
「アンスリア様の許可なしに魔王を豪邸に引き入れるなんて無茶ですよ!」
「責任は全て私がとる。ニコラエヴナ達に迷惑はかけないよ」
「……わかりました。薫さんがそこまで言うのなら……」
こうして同居人が増えた。
相手はあの魔王シャウトだ。
これから薫はシャウトを説得し世界征服を諦めさせればいけない。
とりあえず第1歩を踏み出すのであった。
0
あなたにおすすめの小説
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる