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決戦、カルカラ村

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「次はエクスカリバー探しだね。確かカルカラ村だっけ」
そう告げる東。
「前に行った時は見当たらなかったけど…」
刹那がそう言うと、カミサマが姿を現した。
「君達、僕を倒す気なんだろう?そんなペースでは、いつまで経っても僕を倒せないよ」
カミサマはくすくすと笑うと、余裕そうな笑みを浮かべる。
「カミサマ、あなたの思い通りに動くとは思わないことだな」
明日夢がそう告げる。
宣戦布告の様だ。
「ふぅん…楽しみにしておくよ」
そう言うとカミサマは姿を消した。
「それよりほら、これ」
玄関に置かれているトリアイナ。
これを砕くのは少し勿体ない気はするが、致し方ない。
「術式展開、ミョルニル」
刹那が巨大な槌、ミョルニルを創り出すとそれを振り下ろした。
トリアイナは粉々に砕け散った。
「これで良し、と…」
トリアイナだった粉を集める明日夢。
それをぼうっとしながら眺める刹那。
「じゃあ早速エクスカリバーを探しにカルカラ村に向かうか」
「…案内は…任せて…」
アイリットがそう告げる。
アイリットに案内されるがままにカルカラ村に向かう刹那達。
廃村と化した村にエクスカリバーがあるとは思えなかった。
手分けして探すも一向に見当たらない。
「見当たらないね…」
「だな。」
「…私の…墓に…あるかも…」
「アイリットの墓?…行ってみるか」
そう言って明日夢達はアイリットの墓に向かう。
そこには1本の剣が刺さっていた。
「この前来た時にはなかったのに…!」
「いつの間にか姿を現したみたいだな…」
その1本の剣こそ探し求めていたエクスカリバーであった。
引き抜くには力が足りず、引き抜けない。
「…私に任せて…術式展開…強化…」
筋力を強化して剣を抜くアイリット。
引き抜かれたエクスカリバーは黄金の輝きを放っていた。
残念ながらビームはでなさそうだ。
「これを砕けばいよいよだな…」
「…今ここでやった方がいいと思う…」
そう提案するアイリット。
「そうだな。刹那、頼めるか?」
「うん…術式展開、ミョルニル」
刹那がミョルニルでエクスカリバーを粉々に砕く。
エクスカリバーは黄金の輝きを放つ粉になった。
「後は他の神級の武具の粉を混ぜるだけだな」
「ところで神殺しの武器って何…?」
そう問いかける刹那。
「ロンギヌスの槍だ。あれなら確実にカミサマの神格まで届く」
「本で見たことあるやつだ…」
「やぁ、君達。無事集め終えたみたいだね」
どこからともなく現れたのはカミサマだった。
「けど少し遅かったかな。この世界にも飽きてきたし、そろそろ終わらせようか」
そう言うとカミサマは大気中のマナとオドを大量に集める。
その手には華奢な身体には合わない巨大な鎖鎌の姿があった。
「カミサマ、あなたの勝手にはさせない…!」
「僕をとめるつもりかい?辞めた方がいいよ。…あぁ、刹那ちゃんのような異世界人は助けてあげるから安心しなよ」
「それじゃ明日夢達が…!」
「勝手に増えた君達が悪いのさ。僕はただ世界をリセットするだけさ」
そうしている間にも鎖鎌にマナが溜まっていくのがわかる。
「刹那、急いでロンギヌスの槍を…!」
「そう言われても材料持ってきてない…!」
「仕方ない…ルシフェル!」
「はい、ルシフェル、ここに。」
「カミサマをとめてくれ!私カミサマ残りの粉を取りに行く!」
「御意」
ルシフェルはそう言うと1歩前に出る。
「悪魔風情が相手かい。」
「悪魔風情で悪かったな!」
明日夢が材料を取りに走り出す。
「カミサマは私とルシフェルでとめる…!」
「ハッ、人間、お前も少しは成長したな」
「ありがとう。術式展開、トリアイナ!」
トリアイナの槍を構える刹那。

最終決戦の火蓋が切って落とされた。
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