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都からの使者(5)
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ハイメイン王国の王都ヴァラクイナは大運河に面した交通の要衝《ようしょう》である。
街中にはいくつも川を引き込み、街の間を縫《ぬ》うように流れる。
その為、幾つもの橋がかかり、まるで迷路のように入り組んだ構造をしていた。
これは本来王都への侵入者を惑わせ、敵兵を散らばらせる働きを意図した構造だったが、長い平和の時の中で、この街の名物になっていた。
橋は古くは創建の時から残っている木造のものから、著名な石大工《いしだいく》によって装飾された豪奢《ごうしゃ》な石橋、王侯貴族や外交使節のみが通行を許された宝石をちりばめた橋……など多岐にわたっていた。
その王都の中心地、一方の跳ね橋のみが唯一の通路として用いられているのが、国王の棲まうトーレス宮である。
幾つもの尖塔《せんとう》がそびえ立ち、外見からは内部は一切、窺《うかが》い知れない。
その宮殿の最深部に、ジクムント・フォン・ハイメインはいた。
国民の目にする姿は鎧に身を包んだ姿だったが、今は平服を着用し、執務に励んでいた。
ジクムントは即位以来、政務に励《はげ》み続けている。
自分が足を止めれば、自分の寄って発つ足場が崩壊するのだから仕方がない。
ジクムントが即位してすぐに行ったのは名のある貴族たちを要職より罷免《ひめん》し、爵位にかかわらず実力のある者を重用することだった。
そのせいで当たり前だが、政務は停滞を来した。
ジクムントはそれを全て力技で突破をする。
財務に明るい官吏《かんり》が不足すれば、街の商人たちを雇い入れた。
軍務を放棄する指揮官がいれば容赦なく首を刎《は》ね、新しい指揮官にすげ替えた。
そもそもが貴族というのは完成した組織の上にただ胡座《あぐら》をかいているだけの存在に過ぎない。
貴族がいてもいなくても組織は回るように作られている。
血の粛清を断行すれば命がけで王に逆らうほどの胆力のある官吏など存在しない。
政務がどうにかこうにか回り始めた頃に起こったのは貴族たちの相次ぐ反乱である。
昨日北で反乱が起きたと思えば、今日は東、明日は南――。
ジクムントは爵位の没収と親征によってこれに対処した。
逆らえば容赦なく自ら進んで血をかぶった。
そもそも己の利権に固執しただけの連中だ。
今では反乱は散発的なものになっている。
(後は……ダートマスか)
書類に署名をしながら考える。
ダートマスは前宰相で、侯爵だ。
最初こそジクムントのやり方に反発する貴族たちを糾合《きゅうごう》し、その旗頭に収まっていたが、今はその領地はもちろん爵位を失い、行方をくらましている。
ダートマスの首さえ挙げることが出来れば貴族の反乱は収束していくだろう。
王国領内はもちろん外国にも手配をかけているが有力な手がかりは無い。
表沙汰にはなっていないが、ジクムントへの不満はまだまだこの国には根強い。
ダートマスが逃げ切り続けているのはそれもあるのは分かりきっているが、ジクムントはやり方を変える気はない。
この国の全ての貴族は、ジクムントにとれば仇であり、その頭目がダートマスなのだ。
許すことなどありえないし、今後も不穏分子の摘発は続けていく。
パキッ、とペンが真っ二つに折れ、黒いインクで手が汚れた。
ジクムントはしかし顔色一つ替えず、手を拭《ぬぐ》う。
始末を終えると手元の鈴を鳴らす。
「陛下、お呼びでございますか」
執務室の重厚な扉を開け、ゲオルグ・コールが姿を見せる。
ゲオルグは栗色の髪に茶色い、やや垂れがちな目をしている。
その温和そうな見た目通り、性格も柔和でありつつも事務の処理能力は特にすぐれ、ジクムントを補佐してくれている。
彼はジクムントの側近集団の一人である。
その集団をまとめるヨハンは今、地方巡察で王都を空けている。
ヨハンは元々孤児で王宮に出入りしていたところを、その如才なさに目を付け、自分の側近に取り立てた。
最初は周囲から氏素性の定かではない平民を傍におくことへの反対意見はあったが、一蹴した。
父王にその才覚を愛され、ジクムントを陰に日向に支えてくれた忠臣メンデスのことがあるジクムントからすれば血筋などはどうでも良いことだった。
現に血統を誇る貴族共はどの王族に付けば安泰か、始終皮算用をしているではないか。
家柄など関係無い。大切なのはその人間の自分に対する忠誠心。
「書類が終わった。持っていってくれ」
「かしこまりました。陛下。あ、お手が……」
「少し力を入れすぎてペンが折れただけだ」
「すぐに新しいものを」
「構わん。書類仕事はこれで終わりだろ。それよりヨハンの奴はまだ戻らないのか」
ヨハンは巡察期日を急に日延べしていた。
ヨハンは幼い頃よりジクムントに仕える、最も信頼する臣下の一人であると同時に、政務に励むジクムントの目でもある。
地方を見て回り、王宮に籠もっているだけでは分からない実情を探る役目を負う。
「予定通りあればもう数日かかるかと存じます。呼び戻しますか?」
「いや。あいつが気になるというのだから任せる」
「かしこまりました。お茶を?」
「……中庭に出る。用意をしておいてくれ」
「かしこまりました」
ゲオルグが出て行くのを見送ったジクムントは国王専用の通路を通り、中庭に出る。
そこは空中庭園のようになっており、城下の様子を一望できる。
こうして晴れやかな日には街を縦横に流れる川の流れが日射しにきらめく。まるで光の道のように見えていた。
さらに街の建物の壁は必ず白を用いることが義務づけられていた。
この壁がさらに陽光を受けて白く輝く。
これをして、吟遊詩人はヴァラクイナを光の都と呼んでいた。
様々な種類の花々が咲き乱れ、甘い香りに包まれながら、庭園の一画にある東屋《あずまや》に腰を落ち着かせた。
頬杖を突きながら庭をぼんやりと眺める。
みずみずしい緑と名の知らぬ花々の紅や白。
柔らかな色合いがささくれた心を撫でていく。
そうしている内に、ジクムントはうつらうつらと船を漕ぎ始めた。
街中にはいくつも川を引き込み、街の間を縫《ぬ》うように流れる。
その為、幾つもの橋がかかり、まるで迷路のように入り組んだ構造をしていた。
これは本来王都への侵入者を惑わせ、敵兵を散らばらせる働きを意図した構造だったが、長い平和の時の中で、この街の名物になっていた。
橋は古くは創建の時から残っている木造のものから、著名な石大工《いしだいく》によって装飾された豪奢《ごうしゃ》な石橋、王侯貴族や外交使節のみが通行を許された宝石をちりばめた橋……など多岐にわたっていた。
その王都の中心地、一方の跳ね橋のみが唯一の通路として用いられているのが、国王の棲まうトーレス宮である。
幾つもの尖塔《せんとう》がそびえ立ち、外見からは内部は一切、窺《うかが》い知れない。
その宮殿の最深部に、ジクムント・フォン・ハイメインはいた。
国民の目にする姿は鎧に身を包んだ姿だったが、今は平服を着用し、執務に励んでいた。
ジクムントは即位以来、政務に励《はげ》み続けている。
自分が足を止めれば、自分の寄って発つ足場が崩壊するのだから仕方がない。
ジクムントが即位してすぐに行ったのは名のある貴族たちを要職より罷免《ひめん》し、爵位にかかわらず実力のある者を重用することだった。
そのせいで当たり前だが、政務は停滞を来した。
ジクムントはそれを全て力技で突破をする。
財務に明るい官吏《かんり》が不足すれば、街の商人たちを雇い入れた。
軍務を放棄する指揮官がいれば容赦なく首を刎《は》ね、新しい指揮官にすげ替えた。
そもそもが貴族というのは完成した組織の上にただ胡座《あぐら》をかいているだけの存在に過ぎない。
貴族がいてもいなくても組織は回るように作られている。
血の粛清を断行すれば命がけで王に逆らうほどの胆力のある官吏など存在しない。
政務がどうにかこうにか回り始めた頃に起こったのは貴族たちの相次ぐ反乱である。
昨日北で反乱が起きたと思えば、今日は東、明日は南――。
ジクムントは爵位の没収と親征によってこれに対処した。
逆らえば容赦なく自ら進んで血をかぶった。
そもそも己の利権に固執しただけの連中だ。
今では反乱は散発的なものになっている。
(後は……ダートマスか)
書類に署名をしながら考える。
ダートマスは前宰相で、侯爵だ。
最初こそジクムントのやり方に反発する貴族たちを糾合《きゅうごう》し、その旗頭に収まっていたが、今はその領地はもちろん爵位を失い、行方をくらましている。
ダートマスの首さえ挙げることが出来れば貴族の反乱は収束していくだろう。
王国領内はもちろん外国にも手配をかけているが有力な手がかりは無い。
表沙汰にはなっていないが、ジクムントへの不満はまだまだこの国には根強い。
ダートマスが逃げ切り続けているのはそれもあるのは分かりきっているが、ジクムントはやり方を変える気はない。
この国の全ての貴族は、ジクムントにとれば仇であり、その頭目がダートマスなのだ。
許すことなどありえないし、今後も不穏分子の摘発は続けていく。
パキッ、とペンが真っ二つに折れ、黒いインクで手が汚れた。
ジクムントはしかし顔色一つ替えず、手を拭《ぬぐ》う。
始末を終えると手元の鈴を鳴らす。
「陛下、お呼びでございますか」
執務室の重厚な扉を開け、ゲオルグ・コールが姿を見せる。
ゲオルグは栗色の髪に茶色い、やや垂れがちな目をしている。
その温和そうな見た目通り、性格も柔和でありつつも事務の処理能力は特にすぐれ、ジクムントを補佐してくれている。
彼はジクムントの側近集団の一人である。
その集団をまとめるヨハンは今、地方巡察で王都を空けている。
ヨハンは元々孤児で王宮に出入りしていたところを、その如才なさに目を付け、自分の側近に取り立てた。
最初は周囲から氏素性の定かではない平民を傍におくことへの反対意見はあったが、一蹴した。
父王にその才覚を愛され、ジクムントを陰に日向に支えてくれた忠臣メンデスのことがあるジクムントからすれば血筋などはどうでも良いことだった。
現に血統を誇る貴族共はどの王族に付けば安泰か、始終皮算用をしているではないか。
家柄など関係無い。大切なのはその人間の自分に対する忠誠心。
「書類が終わった。持っていってくれ」
「かしこまりました。陛下。あ、お手が……」
「少し力を入れすぎてペンが折れただけだ」
「すぐに新しいものを」
「構わん。書類仕事はこれで終わりだろ。それよりヨハンの奴はまだ戻らないのか」
ヨハンは巡察期日を急に日延べしていた。
ヨハンは幼い頃よりジクムントに仕える、最も信頼する臣下の一人であると同時に、政務に励むジクムントの目でもある。
地方を見て回り、王宮に籠もっているだけでは分からない実情を探る役目を負う。
「予定通りあればもう数日かかるかと存じます。呼び戻しますか?」
「いや。あいつが気になるというのだから任せる」
「かしこまりました。お茶を?」
「……中庭に出る。用意をしておいてくれ」
「かしこまりました」
ゲオルグが出て行くのを見送ったジクムントは国王専用の通路を通り、中庭に出る。
そこは空中庭園のようになっており、城下の様子を一望できる。
こうして晴れやかな日には街を縦横に流れる川の流れが日射しにきらめく。まるで光の道のように見えていた。
さらに街の建物の壁は必ず白を用いることが義務づけられていた。
この壁がさらに陽光を受けて白く輝く。
これをして、吟遊詩人はヴァラクイナを光の都と呼んでいた。
様々な種類の花々が咲き乱れ、甘い香りに包まれながら、庭園の一画にある東屋《あずまや》に腰を落ち着かせた。
頬杖を突きながら庭をぼんやりと眺める。
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