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雨の秘密(4)
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それまで平坦な道が延々と続いていたのが、地面が所々隆起し、草がなくなって剥き出しの赤茶けた地面が露出するようになる。
王都を出て半刻(1時間)が経とうとしている。
途中何度か休憩を挟んだもののさすがにお尻が痛くなった頃、洞窟が見えてきた。
「ここだ。ここからは歩きだ。大丈夫か? 少し休憩するか?」
「大丈夫よ。行きましょう」
マリアはジクムントに助けられながら馬から下りると、近くの木に繋いだ。
「こっちだ」
ジクムントがマリアの手を握り、促す。
洞窟といっても天井が所々抜けている場所があり、そこから日射しが降り注いでいるから真っ暗闇という訳ではない。
奥に通じる道をジクムントは何かに急き立てられるように黙々と歩き続ける。
「……待って、ジーク。ねえ、ジークっ」
何度か呼びかけてようやくジクムントが振り返る。
「どうした」
「私を見て」
マリアはジクムントの正面に立つと、その顔にそっと手を添える。
強ばりが指先に伝わってきたが、見つめ合ううちに、その頬の強ばりがゆっくりほどけていく。
マリアは赤い眼差しに映り込んだ自分の姿をじっと見つめる。
「落ち着いた?」
「……悪い」
ジクムントはばつが悪そうに目を伏せる。
「あなたの心の一部を見せてくれるのは、それだけ私のことを信頼してくれてるからだって思ってる。でも何が何でも知りたいと思っている訳じゃない。それによってあなたの心が傷つくというのなら何も知らなくても構わないわ」
「……マリア」
ジクムントの手の平が、頬に触れているマリアの手の甲に重ねられる。
「心配をかけてすまない。……俺は大丈夫だ」
先程よりも強ばりのほどけた表情でジクムントは告げ、歩き出す。
その歩みは落ち着いていて、マリアはほっと胸を撫で下ろした。
やがて降り注いだ日射しに塵が輝く中、四つの石が照らし出されているところに行き着く。
(これはお墓?)
だが周辺を見る限り、その石が元々そこにあったものとは思えなかった。花一輪備えられてはいなければ、石にも何も刻まれていなかった。
「――兄上たちだ」
ジクムントはぽつりと言った。
「ここに、兄上たちの亡骸を葬った」
マリアは四つの石に目を向け、膝を折る。
「……こんな所に?」
これでは無縁墓地と同じ扱いだ。
いや、人目に一切触れられない場所にあるだけ扱いはもっとひどい。
「兄上たちは叛逆をした――第五王子である俺が即位するに当たって、そういうことになっている」
「待って。でもスミス様はご御嫡男《ごちゃくなん》でしょう。確かに御正室《ごせいしつ》の御子《みこ》ではないけれど……」
「確かにそうだ。だが正式には簒奪者《さんだつしゃ》となっている。年長者なれど他の王子たちと同じように側室腹《そくしつばら》で、対等だ。スミスは父王の遺言状を改竄《かいざん》し王位に就く。それを許さぬ忠臣によって毒殺された。他の王子たちもまた己の私利私欲によって兵を挙げ、殺し合った。その闘争を制した俺が王位に就いた。兄王たちをはかりごとによって操り、スミスを毒殺したのも俺……ということになっている」
マリアは息をのんだ。
王位継承を巡る嵐の中で何があったのか。
マリアたちのように田舎にある貴族には空の彼方のことよりもずっと分からないことだった。
「ジーク、そんなこと……嘘でしょう。あなたにそんなことが出来るはずがない!」
ジクムントはふっと口元を緩め、切なげに笑う。
「当たり前だ。兄上たちは俺にとってかけがえのない存在だ。親同士や周囲の思惑に振り回されながら、俺たちは同じ立場だった。誰が王位に就こうともその人を支えよう。そう誓い合いもした」
「……なら、どうして争ったの」
「俺たちの心は変わらなかった。だが周りがそれを許さなかった。兄上たちは妻の実家である外戚《がいせき》に振り回され、戦をけしかけられた。兄たちにその気はなくても各地で、それぞれの兄の派閥同士がぶつかり犠牲が出れば、それを黙認することは出来ない。俺には……父に仕えたダートマスが後ろ盾になった」
「ダートマス様が? でも、あなたとダートマス様は何も関係が」
「メンデスが死に、俺だけが何の後ろ盾もなかったからな。兄上たちは外戚が周りを固めてダートマスの入り込める余地はどこにもなかった。集まる兵士にはみんな、ダートマスの息がかかり、俺の意思など容《い》れられなかった。兄宇たちの命だけは奪わぬという約束すら反故《ほご》にされ、俺は兄上たちの遺骸《いがい》を見せられた。雨の降る中……兄上たちが目の前に、並べられ……周りは、新しい世が明けるとまるで酒盛りの最中のように喜び勇《いさ》んでいた。俺はただ、良くやったと言った。あそこで連中の不興《ふきょう》を買えばどこかの機会で殺されていたかもしれない。兄上たちの仇《かたき》を取るためにも俺は生き、連中にとって御しやすいと思わせなくてはならなかったからだ。そして気付いた時には、ダートマスの行った策謀は全てこの俺の仕業《しわざ》だと言うことになっていた」
「では何故今も、そのままにしているの? 今はダートマスはいない。それなら、兄君たちの名誉を回復すれば」
「その方が都合が良かったんだ」
「都合?」
「俺を見極《みきわ》めようとする他国への牽制《けんせい》になる。俺は第五王子で、公式の席にも出席したことなどほとんどない。存在は知られていても誰も実情は分からない。他国は俺を見極めることが出来ず、内乱に介入するかどうか二の足を踏む――事実そうなった。肉親であろうと己の為に犠牲に出来る……その罪業は俺が一身に背負えば良い。生き残った人間の、それが責務だ」
(前の宰相との間にそんな因縁があったなんて)
ただの反ジクムントの旗頭というだけではなく、ダートマスはジクムントと兄君たちの因縁《いんねん》に深く関わっていたのだ。
ジクムントは墓前で膝を折り、石に触れる。
その眼差しはとても苦しそうで、痛々しくさえあった。
それでもその目は、決して墓石から反らされなかった。
「……この墓は俺が作らせた。誰にも知れないよう……俺に心があるのだと分からせない為にも誰の目にもつかない場所に作るしかなかった。――だが、あの時の雨に濡れた兄上たちの変わり果てた姿がいつまでも消えることが無かった……、足を向けることが出来なかった。マリア、お前がいてくれたからこそ、こうしてここにようやく来られたんだ。礼を言わねばならない……」
「花を摘みに行く?」
ジクムントは首を横に振った。
「それは早い。俺が本当の意味で他国に手を出されないようもっと強い体制を築《きづ》けてからだ。今何を供《そな》えようとも、ただの自己満足にしかならない。それは嫌なんだ」
そうしてどれだけの時間が流れただろう。
墓石の上に降り注ぐ日射しが翳《かげ》ってきた頃、ジクムントは立ち上がってマリアを振り返る。
「……これが全てだ。失望されても文句は言えないな」
「そんなことないわ。ジークの覚悟が伝わった。だから私も覚悟をもって、あなたの傍《そば》にいるから」
「マリア……っ!」
腕を掴まれ、抱かれる。
「……ずっと傍にいてくれ。どこにも行くな……」
痛いくらいの抱擁は哀しくも、温かかった。
王都を出て半刻(1時間)が経とうとしている。
途中何度か休憩を挟んだもののさすがにお尻が痛くなった頃、洞窟が見えてきた。
「ここだ。ここからは歩きだ。大丈夫か? 少し休憩するか?」
「大丈夫よ。行きましょう」
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「こっちだ」
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奥に通じる道をジクムントは何かに急き立てられるように黙々と歩き続ける。
「……待って、ジーク。ねえ、ジークっ」
何度か呼びかけてようやくジクムントが振り返る。
「どうした」
「私を見て」
マリアはジクムントの正面に立つと、その顔にそっと手を添える。
強ばりが指先に伝わってきたが、見つめ合ううちに、その頬の強ばりがゆっくりほどけていく。
マリアは赤い眼差しに映り込んだ自分の姿をじっと見つめる。
「落ち着いた?」
「……悪い」
ジクムントはばつが悪そうに目を伏せる。
「あなたの心の一部を見せてくれるのは、それだけ私のことを信頼してくれてるからだって思ってる。でも何が何でも知りたいと思っている訳じゃない。それによってあなたの心が傷つくというのなら何も知らなくても構わないわ」
「……マリア」
ジクムントの手の平が、頬に触れているマリアの手の甲に重ねられる。
「心配をかけてすまない。……俺は大丈夫だ」
先程よりも強ばりのほどけた表情でジクムントは告げ、歩き出す。
その歩みは落ち着いていて、マリアはほっと胸を撫で下ろした。
やがて降り注いだ日射しに塵が輝く中、四つの石が照らし出されているところに行き着く。
(これはお墓?)
だが周辺を見る限り、その石が元々そこにあったものとは思えなかった。花一輪備えられてはいなければ、石にも何も刻まれていなかった。
「――兄上たちだ」
ジクムントはぽつりと言った。
「ここに、兄上たちの亡骸を葬った」
マリアは四つの石に目を向け、膝を折る。
「……こんな所に?」
これでは無縁墓地と同じ扱いだ。
いや、人目に一切触れられない場所にあるだけ扱いはもっとひどい。
「兄上たちは叛逆をした――第五王子である俺が即位するに当たって、そういうことになっている」
「待って。でもスミス様はご御嫡男《ごちゃくなん》でしょう。確かに御正室《ごせいしつ》の御子《みこ》ではないけれど……」
「確かにそうだ。だが正式には簒奪者《さんだつしゃ》となっている。年長者なれど他の王子たちと同じように側室腹《そくしつばら》で、対等だ。スミスは父王の遺言状を改竄《かいざん》し王位に就く。それを許さぬ忠臣によって毒殺された。他の王子たちもまた己の私利私欲によって兵を挙げ、殺し合った。その闘争を制した俺が王位に就いた。兄王たちをはかりごとによって操り、スミスを毒殺したのも俺……ということになっている」
マリアは息をのんだ。
王位継承を巡る嵐の中で何があったのか。
マリアたちのように田舎にある貴族には空の彼方のことよりもずっと分からないことだった。
「ジーク、そんなこと……嘘でしょう。あなたにそんなことが出来るはずがない!」
ジクムントはふっと口元を緩め、切なげに笑う。
「当たり前だ。兄上たちは俺にとってかけがえのない存在だ。親同士や周囲の思惑に振り回されながら、俺たちは同じ立場だった。誰が王位に就こうともその人を支えよう。そう誓い合いもした」
「……なら、どうして争ったの」
「俺たちの心は変わらなかった。だが周りがそれを許さなかった。兄上たちは妻の実家である外戚《がいせき》に振り回され、戦をけしかけられた。兄たちにその気はなくても各地で、それぞれの兄の派閥同士がぶつかり犠牲が出れば、それを黙認することは出来ない。俺には……父に仕えたダートマスが後ろ盾になった」
「ダートマス様が? でも、あなたとダートマス様は何も関係が」
「メンデスが死に、俺だけが何の後ろ盾もなかったからな。兄上たちは外戚が周りを固めてダートマスの入り込める余地はどこにもなかった。集まる兵士にはみんな、ダートマスの息がかかり、俺の意思など容《い》れられなかった。兄宇たちの命だけは奪わぬという約束すら反故《ほご》にされ、俺は兄上たちの遺骸《いがい》を見せられた。雨の降る中……兄上たちが目の前に、並べられ……周りは、新しい世が明けるとまるで酒盛りの最中のように喜び勇《いさ》んでいた。俺はただ、良くやったと言った。あそこで連中の不興《ふきょう》を買えばどこかの機会で殺されていたかもしれない。兄上たちの仇《かたき》を取るためにも俺は生き、連中にとって御しやすいと思わせなくてはならなかったからだ。そして気付いた時には、ダートマスの行った策謀は全てこの俺の仕業《しわざ》だと言うことになっていた」
「では何故今も、そのままにしているの? 今はダートマスはいない。それなら、兄君たちの名誉を回復すれば」
「その方が都合が良かったんだ」
「都合?」
「俺を見極《みきわ》めようとする他国への牽制《けんせい》になる。俺は第五王子で、公式の席にも出席したことなどほとんどない。存在は知られていても誰も実情は分からない。他国は俺を見極めることが出来ず、内乱に介入するかどうか二の足を踏む――事実そうなった。肉親であろうと己の為に犠牲に出来る……その罪業は俺が一身に背負えば良い。生き残った人間の、それが責務だ」
(前の宰相との間にそんな因縁があったなんて)
ただの反ジクムントの旗頭というだけではなく、ダートマスはジクムントと兄君たちの因縁《いんねん》に深く関わっていたのだ。
ジクムントは墓前で膝を折り、石に触れる。
その眼差しはとても苦しそうで、痛々しくさえあった。
それでもその目は、決して墓石から反らされなかった。
「……この墓は俺が作らせた。誰にも知れないよう……俺に心があるのだと分からせない為にも誰の目にもつかない場所に作るしかなかった。――だが、あの時の雨に濡れた兄上たちの変わり果てた姿がいつまでも消えることが無かった……、足を向けることが出来なかった。マリア、お前がいてくれたからこそ、こうしてここにようやく来られたんだ。礼を言わねばならない……」
「花を摘みに行く?」
ジクムントは首を横に振った。
「それは早い。俺が本当の意味で他国に手を出されないようもっと強い体制を築《きづ》けてからだ。今何を供《そな》えようとも、ただの自己満足にしかならない。それは嫌なんだ」
そうしてどれだけの時間が流れただろう。
墓石の上に降り注ぐ日射しが翳《かげ》ってきた頃、ジクムントは立ち上がってマリアを振り返る。
「……これが全てだ。失望されても文句は言えないな」
「そんなことないわ。ジークの覚悟が伝わった。だから私も覚悟をもって、あなたの傍《そば》にいるから」
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