物語!

お話の世界

文字の大きさ
4 / 29

暗記の王③

しおりを挟む
それから初戦が終わって、次の対戦に‥

ここで勝った一人が前回の優勝者に挑める。

しかし、そこでは、司会者も解説者も驚きを見たのだった。

「な、なんだってー!」

「まさか、前回、準優勝だった光速と呼ばれる彼が‥」

「誤答多数による負けであったら分かったんですが、押し負けも結構あった。」

司会者は解説の方に訪ねた。

「初戦でも、一瞬で1位を取りました。一体何者なんですか?」

「僕も彼のことはわかりませんね。情報はないんですか?」

司会者の人は言う。

「調べてみると、彼も呼び名があるようです。“暗記中の暗記厨”。」

「よくわからない名前ですが、決勝戦どうなるか楽しみになりましたね。」

───────

そして、最後の決戦が始まった。

一体一で、行われる。

先に特定のポイントに達した方が勝てる。

対戦する二人は向かい合った。

そして、握手を交わすとボタンに手をのせる。

「暗記中の暗記厨vs前大会の優勝者‥人は彼のことをかるた取りの天才と呼ぶ!」

「これからどんな対戦が繰り広げられるのか‥!目が離せません。」

“「アマ”

その言葉が出た瞬間、片方が押した。

「はやい。まだ2文字しか出ていない!」

「押したのはチャンピオン!答えは‥?」

「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ。」

「正解です!」

「なんであれでわかったんですか?」

「そこから始まる問題はこの問題しかなかった。」

説明の人は続けて言った。

「彼は呼ばれている通り、決まり字を意識して押しているそうです。」

「なんでも、すべての問題の決まり字を集めて、すべてを暗記していると。」

「抜け目ない!すごすぎるぞ、チャンピオン!」

しかし、その直後。

挑戦者はものすごい勢いで、次々と問題に正解していった。

チャンピオンもとても驚いていた。

そして呟く。

「負けられない‥。」

“別名を”

「全くわからないところで押したぞー!押したのはチャンピオン‥。」

「答えは?」 

「サツマイモ」

「正解です!なんでわかったんだー!」

「決まり字の中でも、分岐が少ない問題だった。別名から始まる問題はあまり発掘されていなかったんです。」

「ここで勝負をかけるしかない、そう思いました。」

「長く語って頂きありがとうございます。」

それから、二人の熱戦は続いた。両者譲らない攻防。

どちらが先にボタンをつけるかの勝負のようになっていた。

そして、最後には‥。

「両者同得点で、最後の1問を迎えることとなりました。」

「この問題を正解した方が勝ちになります。」

問題文が表示される。

“車”

「おーっと、まだ1文字しか出ていないぞー!」

「押したのはチャンピオンだー!」

チャンピオンの方はガッツポーズを作っていた。

「自信があるのか、答えは?」

「右折!」

「‥」

静寂に包まれた。

そして、司会者は言う。

「残念、不正解!」

「え、どうして?」

直後、挑戦者はボタンを押した。

「左折。」

「正解!優勝したのは挑戦者の、暗記中の暗記厨と呼ばれるこの方でした!」

───────

対戦が終わったあと、二人は顔をあわせた。

「この問題は最近発掘されたんだ。」

「そ、そうだったのか‥」

「暗記度を試す、この大会に相応しい問題だった。」

そして、たずねる。

「僕の敗因はなんだ?」

「永遠に暗記をし続ける。全てを把握するその努力かもしれない。」

「確かに、僕は、昔の問題に囚われすぎていた‥。」

「だが、君もとても強かった。」

「ありがとう。また対戦をお願いできるかな?」

「いつでも挑戦を待っている。」

そうして、暗記の大会は終わりを迎える。

新たなる目標を胸に、人々は挑戦し続けるのであった
────────

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...