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暗記の王③
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それから初戦が終わって、次の対戦に‥
ここで勝った一人が前回の優勝者に挑める。
しかし、そこでは、司会者も解説者も驚きを見たのだった。
「な、なんだってー!」
「まさか、前回、準優勝だった光速と呼ばれる彼が‥」
「誤答多数による負けであったら分かったんですが、押し負けも結構あった。」
司会者は解説の方に訪ねた。
「初戦でも、一瞬で1位を取りました。一体何者なんですか?」
「僕も彼のことはわかりませんね。情報はないんですか?」
司会者の人は言う。
「調べてみると、彼も呼び名があるようです。“暗記中の暗記厨”。」
「よくわからない名前ですが、決勝戦どうなるか楽しみになりましたね。」
───────
そして、最後の決戦が始まった。
一体一で、行われる。
先に特定のポイントに達した方が勝てる。
対戦する二人は向かい合った。
そして、握手を交わすとボタンに手をのせる。
「暗記中の暗記厨vs前大会の優勝者‥人は彼のことをかるた取りの天才と呼ぶ!」
「これからどんな対戦が繰り広げられるのか‥!目が離せません。」
“「アマ”
その言葉が出た瞬間、片方が押した。
「はやい。まだ2文字しか出ていない!」
「押したのはチャンピオン!答えは‥?」
「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ。」
「正解です!」
「なんであれでわかったんですか?」
「そこから始まる問題はこの問題しかなかった。」
説明の人は続けて言った。
「彼は呼ばれている通り、決まり字を意識して押しているそうです。」
「なんでも、すべての問題の決まり字を集めて、すべてを暗記していると。」
「抜け目ない!すごすぎるぞ、チャンピオン!」
しかし、その直後。
挑戦者はものすごい勢いで、次々と問題に正解していった。
チャンピオンもとても驚いていた。
そして呟く。
「負けられない‥。」
“別名を”
「全くわからないところで押したぞー!押したのはチャンピオン‥。」
「答えは?」
「サツマイモ」
「正解です!なんでわかったんだー!」
「決まり字の中でも、分岐が少ない問題だった。別名から始まる問題はあまり発掘されていなかったんです。」
「ここで勝負をかけるしかない、そう思いました。」
「長く語って頂きありがとうございます。」
それから、二人の熱戦は続いた。両者譲らない攻防。
どちらが先にボタンをつけるかの勝負のようになっていた。
そして、最後には‥。
「両者同得点で、最後の1問を迎えることとなりました。」
「この問題を正解した方が勝ちになります。」
問題文が表示される。
“車”
「おーっと、まだ1文字しか出ていないぞー!」
「押したのはチャンピオンだー!」
チャンピオンの方はガッツポーズを作っていた。
「自信があるのか、答えは?」
「右折!」
「‥」
静寂に包まれた。
そして、司会者は言う。
「残念、不正解!」
「え、どうして?」
直後、挑戦者はボタンを押した。
「左折。」
「正解!優勝したのは挑戦者の、暗記中の暗記厨と呼ばれるこの方でした!」
───────
対戦が終わったあと、二人は顔をあわせた。
「この問題は最近発掘されたんだ。」
「そ、そうだったのか‥」
「暗記度を試す、この大会に相応しい問題だった。」
そして、たずねる。
「僕の敗因はなんだ?」
「永遠に暗記をし続ける。全てを把握するその努力かもしれない。」
「確かに、僕は、昔の問題に囚われすぎていた‥。」
「だが、君もとても強かった。」
「ありがとう。また対戦をお願いできるかな?」
「いつでも挑戦を待っている。」
そうして、暗記の大会は終わりを迎える。
新たなる目標を胸に、人々は挑戦し続けるのであった
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ここで勝った一人が前回の優勝者に挑める。
しかし、そこでは、司会者も解説者も驚きを見たのだった。
「な、なんだってー!」
「まさか、前回、準優勝だった光速と呼ばれる彼が‥」
「誤答多数による負けであったら分かったんですが、押し負けも結構あった。」
司会者は解説の方に訪ねた。
「初戦でも、一瞬で1位を取りました。一体何者なんですか?」
「僕も彼のことはわかりませんね。情報はないんですか?」
司会者の人は言う。
「調べてみると、彼も呼び名があるようです。“暗記中の暗記厨”。」
「よくわからない名前ですが、決勝戦どうなるか楽しみになりましたね。」
───────
そして、最後の決戦が始まった。
一体一で、行われる。
先に特定のポイントに達した方が勝てる。
対戦する二人は向かい合った。
そして、握手を交わすとボタンに手をのせる。
「暗記中の暗記厨vs前大会の優勝者‥人は彼のことをかるた取りの天才と呼ぶ!」
「これからどんな対戦が繰り広げられるのか‥!目が離せません。」
“「アマ”
その言葉が出た瞬間、片方が押した。
「はやい。まだ2文字しか出ていない!」
「押したのはチャンピオン!答えは‥?」
「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ。」
「正解です!」
「なんであれでわかったんですか?」
「そこから始まる問題はこの問題しかなかった。」
説明の人は続けて言った。
「彼は呼ばれている通り、決まり字を意識して押しているそうです。」
「なんでも、すべての問題の決まり字を集めて、すべてを暗記していると。」
「抜け目ない!すごすぎるぞ、チャンピオン!」
しかし、その直後。
挑戦者はものすごい勢いで、次々と問題に正解していった。
チャンピオンもとても驚いていた。
そして呟く。
「負けられない‥。」
“別名を”
「全くわからないところで押したぞー!押したのはチャンピオン‥。」
「答えは?」
「サツマイモ」
「正解です!なんでわかったんだー!」
「決まり字の中でも、分岐が少ない問題だった。別名から始まる問題はあまり発掘されていなかったんです。」
「ここで勝負をかけるしかない、そう思いました。」
「長く語って頂きありがとうございます。」
それから、二人の熱戦は続いた。両者譲らない攻防。
どちらが先にボタンをつけるかの勝負のようになっていた。
そして、最後には‥。
「両者同得点で、最後の1問を迎えることとなりました。」
「この問題を正解した方が勝ちになります。」
問題文が表示される。
“車”
「おーっと、まだ1文字しか出ていないぞー!」
「押したのはチャンピオンだー!」
チャンピオンの方はガッツポーズを作っていた。
「自信があるのか、答えは?」
「右折!」
「‥」
静寂に包まれた。
そして、司会者は言う。
「残念、不正解!」
「え、どうして?」
直後、挑戦者はボタンを押した。
「左折。」
「正解!優勝したのは挑戦者の、暗記中の暗記厨と呼ばれるこの方でした!」
───────
対戦が終わったあと、二人は顔をあわせた。
「この問題は最近発掘されたんだ。」
「そ、そうだったのか‥」
「暗記度を試す、この大会に相応しい問題だった。」
そして、たずねる。
「僕の敗因はなんだ?」
「永遠に暗記をし続ける。全てを把握するその努力かもしれない。」
「確かに、僕は、昔の問題に囚われすぎていた‥。」
「だが、君もとても強かった。」
「ありがとう。また対戦をお願いできるかな?」
「いつでも挑戦を待っている。」
そうして、暗記の大会は終わりを迎える。
新たなる目標を胸に、人々は挑戦し続けるのであった
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