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暗記の王0 ⑤

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「とうとう決勝戦です。残ってきた2人。どちらもとても強者。」

「どちらが勝ってもおかしくない。」
 
光速の男は思った。

ここに来るまで、一万問の問題達とバトルを繰り広げてきた。

今回もルールは同じ。もし、違うとすれば相手が一人だけだということ‥。

いつもどおりのプレイをしよう。

相手の選手は握手をもとめた。

光速の男はそれに応じる。

「試合前に一つ問題を出していいですか?」

光速の男は頷いた。

「もちろん。どうぞ。」

「みか。これの答えは?」

「分からない。」

相手の男は去った。

「こんなもの問題文じゃない。」

「自分には分かる。この答えが。」

「それなら、答えはなんだと言うんだ。」

「終わった後に話そう。」

チャンピオンはそのまま行ってしまう。

そして、とうとう決勝戦が始まったのだ。

問題文が読み上げられる。

“「ぶどう」”

そこでボタンが押された。

押したのは光束の‥。

「果物。」

正解がなった。

「はやい、はやすぎる。この男はどんな問題でも正解してしまうのかーっ⁉」 

次の問題文が読み上げられた。

“くも”

そこでボタンが押される。

今度もまた光束の男だった。

「不快害虫。」

しかし、間違いだった。

片方が間違えれば、相手は最後まで聞ける。

だが‥。

読み上げられた瞬間に相手は押した。

なんだと‥?

光束の男は相手を見た。

「バルーニング。」

正解だったのだ‥。

なんでわかった。そして、なんで最後まで読まなかったのか‥?

動揺する。

次の問題からどんどんと相手は正解を重ねていった。

光束の男は押し負けたり、先に押せても誤答になる。

いつの間にか、王手をかけていた。

次になにがなんでも押さなければ‥。

光束の男は問題文をよく見ずに押した。

“最初は”

そこに書かれていたのはその3文字だけだ‥。

「ジャンケン。」

しかし、間違えだった‥。

その直後、問題文を一切読まずに相手は押した。

「竜頭蛇尾」

相手の男の優勝で大会は終わった‥。

これにて、第一回の王者が決まったのである。


光束の男は優勝者に向かっていった。

「なんでそんなに押すのがはやいんだ。まだ何がなんだかもわからないのに。」

「最初に言った問題の答え、それはアルベド。このはじまりの答えはこれしかない。」

「何が言いたい?」

「蜘蛛の問題は、「」がつけば不快害虫が答えになる。しかし、それがつかなければバルーニングが答えになる。」

「その問題しか存在していない。つまり、確定ポイントはあそこだったんだよ。」

「どういうことだ?」

「自分は周りから、かるた取りの天才と呼ばれている。」

「確定ポイントをすべて覚えているということか?」

「あぁ、そうだよ。これに全てをかけているため、他の成績が悪いからオールマイナス5とも呼ばれている。」

「全てをこの大会にかけていた‥ということか‥?」

「あぁ。そうだよ。」

「俺の負けだ‥。」

「しかし、今まで戦った中で一番強い相手だったよ。君は。」

「次の大会は負けない。」

「楽しみにしている。」

そうして、かるた取りの天才の勝ちで大会は幕を閉じた。

その試合が、多くの者たちに影響を与えた

─────────
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