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本章1 ウォータリア編

籠の鳥56

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「五分くらいなら」

ヨッジー
「いや、どうやらそうは問屋がおろさないみたいだぜ」

ヨッジーが上空を指さすと黒い騎士がブツブツと独り言を唱えている周りに黒い煙が城内の奥の方へと伸びている

「何をしようとしてるんだ」

ヨッジー
「ロクじゃないことは確かだろうな」

「何か起こる前に仕掛ける」

ヨッジー
「いや、どうやらあちらさんのが早かったようだ」

煙の向こうから顔を煙で出来た鉄仮面のようなものに覆われた大人の剣を持った兵士や箒などを手にしたメイドなどが数十名迫ってきた。

「友好的な感じじゃないよな」

ヨッジー
「どうみてもな」

ゲンゾウ
「あちらさんはヤル気みたいだが、仕掛けるわけにもいかないの」

「抑えるにしても、全員でいかないとあいつは抑えれる自信は無いしな」

???
「俺がやる」

 そう言って立ち上がったのは……

あゆな
「お兄ちゃん無理しちゃ!」

イワミー
「まだ無理よ」

ダイマオ
「俺が捲いた種だ、せめてあの群衆は俺に抑えさせてくれ」

マリー
「そんな体で何ができるの?!」

ダイマオ
「この杖に最後の力を籠めれば」

あゆな
「そんなことしたら死んじゃうわ!」

ダイマオ
「最後に意地くらい通させてくれ」

ファミィ
「なりません」

ダイマオ
「どいてくれ!」

力任せにファミィさんをどかそうとするが頑としてどこうとしない

ファミィ
「あなたがやるべきことは力任せにあの者らを排除する事ではありません」

ダイマオ
「どういうことだ?」

ファミィ
「あなたは王族、ここの城、この国を治める血族」

ダイマオ
「何を言ってるかわからん」

ファミィ
「黙って聞きなさい!」

これが王家の威厳というモノなのかと思わせるような気迫でダイマオを制す、

ダイマオ
「……」

ファミィ
「王家の血族には民を導く力があります、それを使ってあの者たちを諌めるのです」

ダイマオ
「そんな力俺はしらないぞ」

ファミィ
「大丈夫、私と共に」

そう言ってダイマオの右手を優しく包み込み自分の横に立たせ

ファミィ
「あなたはフェザーリオンの王家の一族なればその力と歌で民を導きなさい」

ダイマオ
「歌?」

ファミィ
「そう、私の後に続いて歌いなさい」

ダイマオ
「歌など歌ったことなどない」

ファミィ
「うまく歌う必要はありません、それは叫びでも良いのです、伝えようとする気持ち、相手に響く言葉を紡ぐ……その手段の一つです心を籠めなさい」

ダイマオ
「……」

ファミィ
「あなたの今の思いを……さあ、あなたの強さを示すときです」

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