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ロミオの純情
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しおりを挟む「ねぇ。鷹司、悩み事があるなら聞くよ」
九条がそう話しかけても、黒革のソファーに腰かけた鷹司は、どんよりとした顔で下を向いたまま、身動き一つしない。
何があったのか知らないが、三日前からずっとこの調子だ。食事もロクに食べていないせいで、頬がげっそりと痩せこけて、まるで病人のようだと九条は心配する。
このままじゃ、自分の創作活動にも影響が出て来そうで、今作曲している“恋のカルテット”が“破滅のソナタ”になりそうだと、九条は心の中でため息をつく。
「あのさ、九条……」
「ん?」
鷹司が重い口を開く。
「俺、失恋したかも……」
「本人に直接断られたのか?」
「いや、でもライバルに目の前で掻っ攫われた」
鷹司はガクンと項垂れる。
「ほ、ほら、でも本人に気持ちを聞かないと分からないだろう? 結論を出すのは早いんじゃないか?」
九条は慌ててフォローするが、鷹司は首を横に振る。
「俺と話がしたくないと言われた」
そ…それは…… かなり状況は良くないな ……
九条は困惑するが、このまま落ち込んだ鷹司を放って置く事は出来なかった。
それにしても鷹司のようなハンサムな男を振るなんて、相当に自分に自信のある奴なんだろうか?
そう聞くと、鷹司は再び頭を横に振る。
「いや、後輩の一年生だ。全部、俺が悪いんだ。あいつを追い詰めるような事を俺がしたから……」
鷹司は項垂れたまま、頭を両手で覆うと、大きく後悔の息を吐く。
「一年生か。鷹司、その相手と話が出来るよう、俺がなんとかしてみるから」
九条が力強く鷹司の肩に手を置くと、鷹司はすがるような瞳で親友の九条を見つめた。
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