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ぴったんこの理由 2
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雫視点
ケーキバイキングで柚はひたすらスイーツのみ食べていたわ。
…軽食やスープも用意されているというのに…胸焼けしないのかしら?
「おいちー」
まぁこのニコニコ笑顔が見られれば何でもいいのだけれど。
「まま、あれたべたい」
「…チョコレートフォンデュ?じゃあ自分でやってみましょうか」
「いいの!?」
柚を抱っこし、噴水型のチョコレートフォンデュの機械の前に立った。
「何にしましょうかね」
「いちご!!」
いちごの刺さった棒を柚に持たせると…そっとチョコレートに付けた。
「まま!!できた!!」
「えぇ。とっても美味しそうね」
その他にもバナナやマシュマロもやり、お皿に乗せて席に戻った。
「…ふわぁ…」
いちごを眺めるだけで食べようとしない。
さっきまではすぐに食べていたのだけれど…。
「柚食べないの?」
「…きれー…」
自分で作ったから食べるのがもったいないわけね。
家でもやらせましょうか。
…でもあの機械ってどこで買えるのかしら?
お値段は?
兆を超えるのなら難しいのだけれど…。
「まま…」
「柚、残念だけれどそれは持って帰れないわよ?」
「ふにゅぅ…」
やっぱりもったいなかったのね。
意を決してぱくっと口に入れ、目が輝いた。
「まま!!おいち!!おいちー!!」
「えぇ、そうね」
「…ばななもおいちー!!ふわふわも!!」
大興奮じゃないの。
よし、柚を寝かしつけたら探しに行くわ。
なんとしてでもうちに導入するのよ。
「…にゅ?なくなっちゃった…」
「もう1回やりましょうか?」
「うん!!」
でもこの台の高さはダメね。
柚が1人でも楽しめるようにしなきゃいけないわ。
…むしろオーダーメイドで作った方が楽かしら?
「いっぱ!!」
「ふふ」
楽しくなってきたのか今度は4本も取った。
「んー!!」
その後、5回ほど席とフォンデュを往復した。
ある日、あるレストランで素敵な母娘が目撃された。
おっとりとした優しい雰囲気の若々しい母親と天真爛漫、純粋無垢な少女。
同じテーブルに同じスイーツを食べているはずなのにその母娘の席だけまるで貴族のティータイムのように見えたのだとか。
その日から度々母娘の姿が目撃されるのだが母娘のいる日に規則性はない。
なので連日、母娘の姿を一目見ようとその店に女性客が集まるのだ。
「…あら…今日も並んでいるのね」
「まま…あちつかれた」
「そうね。別のところに行きましょうか」
それが原因で母娘の足が遠のいているのだがそれに気づいたものはまだいない。
結果、人の少ない平日の午前中に母娘が現れることが多くなった。
ケーキバイキングで柚はひたすらスイーツのみ食べていたわ。
…軽食やスープも用意されているというのに…胸焼けしないのかしら?
「おいちー」
まぁこのニコニコ笑顔が見られれば何でもいいのだけれど。
「まま、あれたべたい」
「…チョコレートフォンデュ?じゃあ自分でやってみましょうか」
「いいの!?」
柚を抱っこし、噴水型のチョコレートフォンデュの機械の前に立った。
「何にしましょうかね」
「いちご!!」
いちごの刺さった棒を柚に持たせると…そっとチョコレートに付けた。
「まま!!できた!!」
「えぇ。とっても美味しそうね」
その他にもバナナやマシュマロもやり、お皿に乗せて席に戻った。
「…ふわぁ…」
いちごを眺めるだけで食べようとしない。
さっきまではすぐに食べていたのだけれど…。
「柚食べないの?」
「…きれー…」
自分で作ったから食べるのがもったいないわけね。
家でもやらせましょうか。
…でもあの機械ってどこで買えるのかしら?
お値段は?
兆を超えるのなら難しいのだけれど…。
「まま…」
「柚、残念だけれどそれは持って帰れないわよ?」
「ふにゅぅ…」
やっぱりもったいなかったのね。
意を決してぱくっと口に入れ、目が輝いた。
「まま!!おいち!!おいちー!!」
「えぇ、そうね」
「…ばななもおいちー!!ふわふわも!!」
大興奮じゃないの。
よし、柚を寝かしつけたら探しに行くわ。
なんとしてでもうちに導入するのよ。
「…にゅ?なくなっちゃった…」
「もう1回やりましょうか?」
「うん!!」
でもこの台の高さはダメね。
柚が1人でも楽しめるようにしなきゃいけないわ。
…むしろオーダーメイドで作った方が楽かしら?
「いっぱ!!」
「ふふ」
楽しくなってきたのか今度は4本も取った。
「んー!!」
その後、5回ほど席とフォンデュを往復した。
ある日、あるレストランで素敵な母娘が目撃された。
おっとりとした優しい雰囲気の若々しい母親と天真爛漫、純粋無垢な少女。
同じテーブルに同じスイーツを食べているはずなのにその母娘の席だけまるで貴族のティータイムのように見えたのだとか。
その日から度々母娘の姿が目撃されるのだが母娘のいる日に規則性はない。
なので連日、母娘の姿を一目見ようとその店に女性客が集まるのだ。
「…あら…今日も並んでいるのね」
「まま…あちつかれた」
「そうね。別のところに行きましょうか」
それが原因で母娘の足が遠のいているのだがそれに気づいたものはまだいない。
結果、人の少ない平日の午前中に母娘が現れることが多くなった。
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