普通の学生だった〜番外編。「吸血鬼」

かーにゅ

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姫ごっこ 1

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柚琉視点

「柚、他には何がしたい?」
「あのねあのね。おひめさまののりもの!!」
「…乗り物?」
「柚、それって馬車のこと?」
「ばしゃ!!おーまさんがいるのー」
「…さすがに街中で馬車は難しいな…お家に帰ったらね。馬じゃないけど…用意できると思うよ」
「ほんと!?」
パパは僕を抱っこすると口元を拭った。
「クリームつけちゃうお転婆なお姫様には大人しく馬車に乗ってるなんて無理じゃないかな?」
「ぼくはおひめさまなるんだもん!!」
絵本のお姫様みたいなお姫様になるの!!
いっぱい人がいてね、みんなに大好きって言われてね、ふにゃーって幸せになっちゃうお姫様!!
「可愛らしいお姫様、食事の前におやつ食べて大丈夫?」
「ふぇ?」
「コース料理だけど食べれる?一応子供用だけど…食べれないとか嫌いとか…もしあったりしたらいけないけどアレルギー…いつもとおかしいってなるのあったら言ってね?」
「はぁい」
こーすりょーりってなんだろう。
美味しいご飯?













「失礼します」
「じゃあいただこうか」
「いただきます!!」
おててぱっちんしてご飯食べようとして…固まった。
「…柚?」
「これなぁに…?」
「…あ、柚のいつものフォークじゃないもんね。分かんなかったかな」
「いっぱいある…なんで?」
「マナーがあるんだけど…まぁいっか。もう君もいいよ。あとは自分たちでやっておくから」
「はい」
黒い服を着た人はパパが言うとお部屋を出ていった。
「柚にもマナー覚えさせないとね」
「前菜はマリネね。柚は食べられる?」
「おやさいやー!!」
「…まぁそうなるよね。マナー以前の問題なんだよな…」
あ、でもこのオレンジ色の美味しそう。
コーンもある。
「ぱぱ」
「ん?」
「これたべたい」
「柚、自分でフォーク使うんだよ」
「…ぅにゅ」
ママは食べさせてくれるのに。
フォークを使ってプスしてお口に入れてみた。
「んー…ん?」
「サーモンが食べたかったの」
「柚は生魚初めてよね?どう?」
「…ぺっ」
「美味しくなかったのね…」
「へんなあじー」
ぐにゅぐにゅしてた。
変な味するの…ママ達好きなの?
僕いらなーい。
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