普通の学生だった〜番外編。「吸血鬼」

かーにゅ

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おうちれんしゅ 2

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夏羽視点

「…やっぱりこのままだとまずいよね」
柚の練習ははっきり言って進んでない。
苦手なところは苦手なままだし、ステップも決して上手いとは言えない。
お遊戯会レベルから成長しないんだよね…。
まぁファンサは完璧だけど。
「柚、そこはおてて伸ばすところだよ」
「おてて?」
「柚がいつもやってるおやつちょーだいってしてるおてて」
「こう?」
「…もうちょっと上、かな。わかった?」
「うん!!」
振り付けを柚にわかりやすいように教えて目の前の鏡を見せながら踊らせる。
鏡は父さんが用意してくれた。
練習用の部屋の壁一面鏡になってたからね?
「にゃんにゃんきゅっ。ちょーだいちて…」
「…これ歌えるのかな」
「…柚琉様だけ口パクになりそうですね」
「初めてのライブはそこまで人も集まらないだろうからいいけど…父さんのことだから柚可愛さにこれから売り出していくだろうからなぁ」
「夏、それは無いよ」
「あ、父さんおかえり」
父さんは部屋に入ってくると夏の隣に座った。
「手助けするのは最初の1度だけ。デビューだけは助けてあげるけどそこからは自力で仕事を取るようにって事務所全体で決めたんだよ。だからどんな子であろうと贔屓はしない」
「…でも柚には」
「水系の仕事は受けさせないけどね。怖がっちゃうだろうし」
「やっぱり父さんが手を加えるんだ。マネージャー夏なのに…」
「夏もまだ分からないところが多いでしょ?もう1人事務所の人にマネージャーつくよう頼んであるからゆっくり覚えて」
「はーい」
柚達のグループは全員人じゃないから見た目はほとんど変わらない。
みんな子供だけど人間から見ると年齢は子供じゃない。
柚は2歳だけど他のふたりは50超えてるからね。
人間の小学校に通ってるみたいだけど。
暇つぶしかな?
「…やっぱりうちの子可愛い」
「柚が可愛くないわけないじゃん」
「そうなんだけど…ライブしたら変な男引っ掛けてきそうだな」
「男って限定するんだ。ファンでしょ」
「柚のあの見た目と仕草と魅了の力だよ?」
「…絶対変質者でる」
「そういうのからも守らなきゃね」
…夏の仕事増えた。
まぁ柚ならすぐ抱っこってなるから守りやすいけど。
魔法も使っていいんだよね?
柚を守るためだもんね。
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