普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

幼児編

32

｢…ふく？｣
｢あぁ｡頼んでおいたやつ､届いたんだね｣
プレゼントの包み紙がちょっと違ったのはそれでか｡
｢今度本家に行くからね｡正装の用意を頼んだんだ｣
｢ほんけ？｣
｢せいそー？｣
｢…まさかスーツなんて用意してないよね？｣
｢ただのシャツとジャケットとハーフパンツだけだよ｡あとはネクタイとハンカチーフぐらい？｣
｢…まぁそれならいいか｡汚すかもしれないしな｣
…ん？
子供スーツ？
あの頭脳はなんちゃらの探偵の服みたいなやつ？
｢ゆず｡ゲームしよ？｣
｢いいよ!!…あ｡ソフトない…｣
｢じゃあ買いに行こうか｡2人ともお揃いにするの？｣
｢｢うん!!｣｣
『ふれんどぷれい』したいし｡


｢あ!!コスプレふく!!なつこれほしい!!｣
｢柚もいる？｣
｢ぼくはいい｣
…恥ずいし｡
｢えー｡いっしょにやろー？ペアあるし｣
…なぬ？
｢アニメのキャラでね｡ふたごなの｣
｢やる｣
｢2人でならやるんだ｣
｢じゃあ柚がやりたがらない時は夏をだしにするか｣
…やらないよ？
聞こえてるからね？
今回だけだからね？
｢ふしゅ!!｣
｢ふにゅ？｣
｢｢ふにゃー!!｣｣
｢…なんか2人で会話してるよ｣
｢さすがにその言語はわからないな｣
｢なんて言ったの？｣
｢なつが『あそぼ!!』っていって｣
｢ぼくが『なにするの？』って｣
｢で､2人で｣
｢｢『ゲーム!!』っていったの｣｣
｢…通じてる｣
ふふん｡
双子パワーだ｡
どうだ､まいったか｡
…あれ？
双子パワーってこんなのだっけ？