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弾き語り
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ナギはどこからともなくハープを取り出し、弾き語りを始めました。
昔々のお話です
この世界の始まりは創生の女神様ラ・ルータ・デ・フォルテューヌの作り出した光と闇の双子の神様から始まりました
兄である光の神 ソレール・リュミエール・ディユ
弟である闇の神 ソワール・オプスキュリテ・ディユ
この双子にして全く正反対の性質をもつ神二人に運命の女神様は一つづつ星を与えられました
兄ソレールには光の星 リュミエールエトワール
弟ソワールには闇の星 オプスキュリテエトワール
二人は星を大切に大切に守護していました。
しかし、 ただ、明るいだけの星 ただ暗いだけの星では生き物は生きてはいけません
生き物のいない星を見た創生の女神は大層悲しんだそうです。
それを知った二人は、生き物が生きていける星にしようと光の星と闇の星を繋ぎ合わせ、お互いの星の引力に引き合いぶつからないように特別な領域を作りあげました
彼らの思惑は成功し闇の星は薄暗くはあるものの明かりが灯り、光の星は光が少し眩しくは有るもの隠れる影が出来ました。
そうして、どちらの星でも生き物が生きていける環境が整い、時は流れて二つの星は生き物が生きていける環境の星に生まれ変わる事ができたのです。
二人は、お互いの星にその環境に相応しい生き物達を作りだし星を、世界を見守りながら過ごしていきました。時の流れの中で、人が生まれ文明を作り上げては幾度も滅びそれを延々と繰り返しますが、彼らは見守り続けました
しかし、ある時 光の神ソレールは その繰り返しを、ただ見守ることに飽きてしまい、自分の星であるリュミエールエトワールの下界に降りたち、人々を観察をするようになったのです。それから彼は星の中の様々な国の街の様子を見て回るのが日課となっていきました
そんな風来坊を楽しんでいた彼に更に大きな変化が訪れます
彼は一人の人間に恋をしてしまったのです
彼女は美しくソレールは神だというのに人間に、一目で恋に落ちてしまったのです
人間に心を奪われたソレールは人の姿に化け本来の神としての自身の仕事をも忘れ 恋に夢中になっていきました
それは日に日に顕著となり あまりにも神の領域に戻らず仕事をしない兄を心配していた弟の闇の神 ソワールは運命の女神に相談しました
しかし、彼女の返答は冷たく
自分の兄なのだからと軽くあしらわれてしまいました
ソレールは仕方なく、苦手な光の星へと降り立ち、そこに丁度目的の二人を見かけました
ソワールは、そっと離れた所から彼らの観察を始めましたが、すぐに後悔しました。そこで見たのは片思いの相手に入れ揚げている兄の情けない様です。ソワールは、愚かな兄を止めようとそっと陰に潜んで伝えましたが、ソワールの言葉はソレールには受け入られることはありませんでした
ソワールは、粗っぽいことを好みません。ですので、相手の人間頼むこととしました。彼女からこっぴどく振られてしまえば兄も諦めるだろうと、そう考えたのです。
しかし 彼の思惑は大きく外れてしまい、彼女はソワールを気に入ってしまいソレールよりも、よく話しかけてくるようになってしまったのです
最初は拒絶していたソワールも その暖かな微笑みと優しさに 彼自身も無自覚のうちにその人間に恋をしてしまったのです
彼らが同じ人間に恋をしたこと それが悲劇の始まりでした
弟のソワールの想いは、本人が意識するよりもずっと深くで、大きく育ってしまいました。そのことに戸惑っていたソワール。
しかしある日、普段はそれほど仲の良い訳ではなかった兄と思い人が仲睦まじく歩く姿を見てしまったのです
ソワールは
想い人が兄に全てを捧げてしまう、そんな盲執に囚われてしまい、彼の心に点った嫉妬の炎に焼かれ、そのあまりの衝撃に己の持つ力を暴走させてしまうほです。
‥‥‥その力は、圧倒的で街を一瞬で滅ぼし、愛をかたらいたかった想い人の身体を無惨にも刺し貫いてしまったのです
人間の彼女は抵抗する間もなく、ソレールは、その瞬間をまざまざとみていました。
すぐさま貫いた剣を叩き折りソレールはその人を奪い返しましたが 残念ながら結果は残酷なもの・・・・
ですが、それでもソワールの暴走は収まることなく城、街、村、森や山々を片っ端から破壊していきます。
ソレールは、静かに彼女を横たえ
彼は暴走する弟を止めようとしました
しかしながら、ソワールの力の暴走は止まる様子はありませんでした
殆どを破壊し終えると流れた彼女の血を喰らい 銀色の瞳を赤に染め 想い人の魂の半分を抱えたまま自分の星 オプスキュリテの奥の奥に閉じ籠ってしまったのです
闇の神の暴走により安定していた二つの星は バランスを失いオプスキュリテエトワールは深い闇に覆われました。
その星の全てが死に絶えて また元の何もない闇の星へと還りました
怒りと悲しみと憎しみと‥‥‥
そして後悔に支配されながらも 兄ソレールは暴走することもできず その腕に想い人の骸と魂の片割れを抱き神の領地へと戻りました。
魂を真っ二つに割かれた人間は、最早人には戻れません。もう輪廻に戻すことが出来ないのです
このままでは魂が消えてしまいます
一刻の猶予のない状況に ソレールは一つの決断を下しました
本来必要な大切な手順を飛ばし 神の御子として神へと生まれ変わらせたのです
それは代償の大きな魔法。反魂の法。神といえども許されざる禁忌の行いでした。その代償は記憶。過去の彼女はとても聡明でしたが、何もかも失った彼女は見た目はともかく神様の子としては出来損ない・・
それでもソレールは動いている姿を見て喜び 涙を流したのでした
ですが産まれたての御子は、ソレールの言いつけを守ることも出来ません。一体ここがどこで、自分が何者かも忘れた彼女は、ソレールの言うことなどききもせずに、うっかりと足を滑らせ 神の領域から光の星リミュエールへと落ちてしまったのです
大地は、広く世界は、とても眩しくて懐かしい気がする世界でした。ですが、記憶のない御子には、すべてが新鮮な世界。
彼女が、人間界に落ちた時に自分を救ってくれた人間
彼に恋をしてしまいました
そしてその事を知ったソレールは怒りを露にし 相手の人間を八つ裂きにして 二度と会えないようにとその魂を闇の星へと投げ捨ててしまったのです
また 彼女が同じことをしないようにと神の領域の──自分だけしか出入り出来ない美しい花園を作り上げ 彼女を鎖で繋ぎ 閉じ込めてしまったのです
彼女は悲しみと怒りの負の感情に支配され
加えて長い時の幽閉の為に不完全な身体は衰弱していきます
半端で未熟な身体では負の感情にも幽閉にも耐えられ無かったのです
いつ壊れてしまうかわからないぐらいまで追い込まれた頃に
ようやく事態を理解したソレールは彼女を再度救おうとしますが それにはもはや失った残り半分の魂が必要な段階でした
しかし その為には 弟の引きこもっているオプスキュリテエトワールに行かねばならず その上どこにいるかもわからないソワールを見つけ出して魂を取り返さねばなりません
弟の元にはソレールと言えども容易くは行けませんし 何よりも彼女にはもう一刻の猶予もありません
──このままではいけない
ソレールは彼女の魂を一時だけ補う為だけに リュミエールエトワールに暮らす人間の魂を奪い取り 彼女の魂の代わりとして当てがいました
更にソレールは自らの力と魂を代償に闇の星──オプスキュリテエトワールに彼女を求めて現れるであろうソワールを待ち構える為の大地
薄命の大地を作り上げ
一つは森へ 一つは氷山に 一つは火山に
三つの柱をもって神の領域と繋ぎ合わせました
そうして柱を守る守人として自らの倦属である三人の僕に託します。
風のモルバダイン 水のフロスター 炎のシディアンの三人に大地を任せ神の領域と繋ぎあわせました
残ったソレール自身の魂は彼女を守り また自我が崩壊させないための鎖として───そしていずれ相見えるソワールから彼女の魂を取り返すために 力を蓄えながら ソレールは今もその時を待ち続けています。
昔々のお話です
この世界の始まりは創生の女神様ラ・ルータ・デ・フォルテューヌの作り出した光と闇の双子の神様から始まりました
兄である光の神 ソレール・リュミエール・ディユ
弟である闇の神 ソワール・オプスキュリテ・ディユ
この双子にして全く正反対の性質をもつ神二人に運命の女神様は一つづつ星を与えられました
兄ソレールには光の星 リュミエールエトワール
弟ソワールには闇の星 オプスキュリテエトワール
二人は星を大切に大切に守護していました。
しかし、 ただ、明るいだけの星 ただ暗いだけの星では生き物は生きてはいけません
生き物のいない星を見た創生の女神は大層悲しんだそうです。
それを知った二人は、生き物が生きていける星にしようと光の星と闇の星を繋ぎ合わせ、お互いの星の引力に引き合いぶつからないように特別な領域を作りあげました
彼らの思惑は成功し闇の星は薄暗くはあるものの明かりが灯り、光の星は光が少し眩しくは有るもの隠れる影が出来ました。
そうして、どちらの星でも生き物が生きていける環境が整い、時は流れて二つの星は生き物が生きていける環境の星に生まれ変わる事ができたのです。
二人は、お互いの星にその環境に相応しい生き物達を作りだし星を、世界を見守りながら過ごしていきました。時の流れの中で、人が生まれ文明を作り上げては幾度も滅びそれを延々と繰り返しますが、彼らは見守り続けました
しかし、ある時 光の神ソレールは その繰り返しを、ただ見守ることに飽きてしまい、自分の星であるリュミエールエトワールの下界に降りたち、人々を観察をするようになったのです。それから彼は星の中の様々な国の街の様子を見て回るのが日課となっていきました
そんな風来坊を楽しんでいた彼に更に大きな変化が訪れます
彼は一人の人間に恋をしてしまったのです
彼女は美しくソレールは神だというのに人間に、一目で恋に落ちてしまったのです
人間に心を奪われたソレールは人の姿に化け本来の神としての自身の仕事をも忘れ 恋に夢中になっていきました
それは日に日に顕著となり あまりにも神の領域に戻らず仕事をしない兄を心配していた弟の闇の神 ソワールは運命の女神に相談しました
しかし、彼女の返答は冷たく
自分の兄なのだからと軽くあしらわれてしまいました
ソレールは仕方なく、苦手な光の星へと降り立ち、そこに丁度目的の二人を見かけました
ソワールは、そっと離れた所から彼らの観察を始めましたが、すぐに後悔しました。そこで見たのは片思いの相手に入れ揚げている兄の情けない様です。ソワールは、愚かな兄を止めようとそっと陰に潜んで伝えましたが、ソワールの言葉はソレールには受け入られることはありませんでした
ソワールは、粗っぽいことを好みません。ですので、相手の人間頼むこととしました。彼女からこっぴどく振られてしまえば兄も諦めるだろうと、そう考えたのです。
しかし 彼の思惑は大きく外れてしまい、彼女はソワールを気に入ってしまいソレールよりも、よく話しかけてくるようになってしまったのです
最初は拒絶していたソワールも その暖かな微笑みと優しさに 彼自身も無自覚のうちにその人間に恋をしてしまったのです
彼らが同じ人間に恋をしたこと それが悲劇の始まりでした
弟のソワールの想いは、本人が意識するよりもずっと深くで、大きく育ってしまいました。そのことに戸惑っていたソワール。
しかしある日、普段はそれほど仲の良い訳ではなかった兄と思い人が仲睦まじく歩く姿を見てしまったのです
ソワールは
想い人が兄に全てを捧げてしまう、そんな盲執に囚われてしまい、彼の心に点った嫉妬の炎に焼かれ、そのあまりの衝撃に己の持つ力を暴走させてしまうほです。
‥‥‥その力は、圧倒的で街を一瞬で滅ぼし、愛をかたらいたかった想い人の身体を無惨にも刺し貫いてしまったのです
人間の彼女は抵抗する間もなく、ソレールは、その瞬間をまざまざとみていました。
すぐさま貫いた剣を叩き折りソレールはその人を奪い返しましたが 残念ながら結果は残酷なもの・・・・
ですが、それでもソワールの暴走は収まることなく城、街、村、森や山々を片っ端から破壊していきます。
ソレールは、静かに彼女を横たえ
彼は暴走する弟を止めようとしました
しかしながら、ソワールの力の暴走は止まる様子はありませんでした
殆どを破壊し終えると流れた彼女の血を喰らい 銀色の瞳を赤に染め 想い人の魂の半分を抱えたまま自分の星 オプスキュリテの奥の奥に閉じ籠ってしまったのです
闇の神の暴走により安定していた二つの星は バランスを失いオプスキュリテエトワールは深い闇に覆われました。
その星の全てが死に絶えて また元の何もない闇の星へと還りました
怒りと悲しみと憎しみと‥‥‥
そして後悔に支配されながらも 兄ソレールは暴走することもできず その腕に想い人の骸と魂の片割れを抱き神の領地へと戻りました。
魂を真っ二つに割かれた人間は、最早人には戻れません。もう輪廻に戻すことが出来ないのです
このままでは魂が消えてしまいます
一刻の猶予のない状況に ソレールは一つの決断を下しました
本来必要な大切な手順を飛ばし 神の御子として神へと生まれ変わらせたのです
それは代償の大きな魔法。反魂の法。神といえども許されざる禁忌の行いでした。その代償は記憶。過去の彼女はとても聡明でしたが、何もかも失った彼女は見た目はともかく神様の子としては出来損ない・・
それでもソレールは動いている姿を見て喜び 涙を流したのでした
ですが産まれたての御子は、ソレールの言いつけを守ることも出来ません。一体ここがどこで、自分が何者かも忘れた彼女は、ソレールの言うことなどききもせずに、うっかりと足を滑らせ 神の領域から光の星リミュエールへと落ちてしまったのです
大地は、広く世界は、とても眩しくて懐かしい気がする世界でした。ですが、記憶のない御子には、すべてが新鮮な世界。
彼女が、人間界に落ちた時に自分を救ってくれた人間
彼に恋をしてしまいました
そしてその事を知ったソレールは怒りを露にし 相手の人間を八つ裂きにして 二度と会えないようにとその魂を闇の星へと投げ捨ててしまったのです
また 彼女が同じことをしないようにと神の領域の──自分だけしか出入り出来ない美しい花園を作り上げ 彼女を鎖で繋ぎ 閉じ込めてしまったのです
彼女は悲しみと怒りの負の感情に支配され
加えて長い時の幽閉の為に不完全な身体は衰弱していきます
半端で未熟な身体では負の感情にも幽閉にも耐えられ無かったのです
いつ壊れてしまうかわからないぐらいまで追い込まれた頃に
ようやく事態を理解したソレールは彼女を再度救おうとしますが それにはもはや失った残り半分の魂が必要な段階でした
しかし その為には 弟の引きこもっているオプスキュリテエトワールに行かねばならず その上どこにいるかもわからないソワールを見つけ出して魂を取り返さねばなりません
弟の元にはソレールと言えども容易くは行けませんし 何よりも彼女にはもう一刻の猶予もありません
──このままではいけない
ソレールは彼女の魂を一時だけ補う為だけに リュミエールエトワールに暮らす人間の魂を奪い取り 彼女の魂の代わりとして当てがいました
更にソレールは自らの力と魂を代償に闇の星──オプスキュリテエトワールに彼女を求めて現れるであろうソワールを待ち構える為の大地
薄命の大地を作り上げ
一つは森へ 一つは氷山に 一つは火山に
三つの柱をもって神の領域と繋ぎ合わせました
そうして柱を守る守人として自らの倦属である三人の僕に託します。
風のモルバダイン 水のフロスター 炎のシディアンの三人に大地を任せ神の領域と繋ぎあわせました
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