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第1章
第11話(4)月曜朝の戦い(ただし早朝)
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「おいっ! なんで全員集合していないんだ⁉ お前ら二人だけとはどういうことだ⁉」
喫茶店近くのグラウンドで命が輝と躍に問う。
「ええっと……」
輝が後頭部を抑える。
「たるんでいるんじゃないのか⁉」
「それについては否定しませんが……」
「まったく……どういうことなんだ⁉」
「そんなん答えは簡単ですよ……」
躍が口を開く。
「なんだ?」
「……朝早すぎますって!」
「そうか?」
命が腕を組んで首を捻る。
「そうですって! 今何時やと思っているんですか⁉」
命が時計を確認する。
「……4時だな」
「人によってはまだ深夜!」
躍が声を上げる。命も負けじと声を上げる。
「仕方がないだろう!」
「何が仕方ないんですか⁉」
「お前ら全員の都合がつくのが、月曜日の朝しかないのだから!」
「そ、それは……」
「それともなにか⁉ 個別にトレーニングするか⁉ 別にそれでも構わんぞ⁉」
「マ、マンツーマンはちょっと嫌やな……」
躍が小声で呟く。
「おはよう……」
「おはようさん……」
「お、おはようございます……」
そこに秀と心と凛が寝ぼけ眼のままグラウンドに現れる。命が頷く。
「よし、全員揃ったな! それではトレーニングを始めるぞ!」
「あ、あの! ウチらはeスポーツなんですよ……? 体がキツいのはちょっと……」
躍が恐る恐る確認する。命が再度頷く。
「分かっている! ちゃんとそれ用にメニューを組んだ! まずは『仁狼』だ!」
「朝から頭使うやつはキツいっす! おっ! 警報や! それじゃあ出動してきます!」
五人はこれ幸いとグラウンドを後にする。
「ふははっ!」
公園で怪人が派手に暴れている。
「そこまでだ!」
「んんっ⁉」
怪人が暴れているところにエレクトロニックフォースが駆け付ける。
「お、お前は……!」
グレーが怪人を見て驚く。
「ふん……」
「エビ怪人の……復活怪人!」
「えっ⁉」
シアンの意外な言葉にエビ怪人が面食らう。
「あら? 違った?」
シアンが首を捻る。
「なんでそこまで再生怪人をかたくなに避けるんだ……」
オレンジが呆れ気味に呟く。
「ま、まあいい! 来ると思っていたぞ、エレクトロニックフォース!」
「へえ、わたくしらがお目当てどすか?」
パープルが不思議そうに首を傾げる。
「この時間帯ならば貴様らが高確率で出動してくると思ったからな!」
「! げ、月曜日の朝にした甲斐があった……!」
シアンが目の辺りを抑える。
「何を目頭熱くしとんねん!」
ブラウンが声を上げる。シアンがそれにすかさず反応する。
「アタシたちの認知度が上がってきたんだよ⁉ これを喜ばないで何を喜ぶの⁉」
「お、おう……」
シアンにブラウンが気圧される。
「そっちで勝手に盛り上がるな! 貴様らを倒す!」
エビ怪人が公園の噴水に入り、そこでぴちぴちと飛び跳ねる。すると、水滴が銃弾のような鋭さでエレクトロニックフォースに襲いかかる。シアンが驚く。
「うわっ⁉」
エレクトロニックフォースはなんとかそれをかわす。物陰に隠れてオレンジが呟く。
「まさかあのような攻撃をしてくるとはな……」
「なかなかに厄介どすなあ……」
パープルが顎をさすりながら呟く。
「以前は戦闘員に戦わせていたが、単体でもやるね。なるほど、パワーアップしている……」
グレーが腕を組んで頷く。
「どないするんや⁉ 容易には近づけんで⁉」
ブラウンが皆に声をかける。
「まあ、それでも戦いようはあるさ……皆、こっちの物陰に来てくれ!」
グレーが手を空に掲げる。大きい武器が降ってくる。五人は集まった物陰でそれを受け止める。シアンがグレーに尋ねる。
「グレー! これは⁉」
「弓矢さ!」
「弓矢⁉」
「そうだ! 皆、弓の部分を持って、上の方に向けてくれ!」
「こ、こう⁉」
「良いぞ! ボクが矢を引っ張る! ……それっ!」
「ぐあっ⁉」
シアンが矢を離す。弓から放たれた矢が山なりの軌道を描いて、エビ怪人に突き刺さる。エビ怪人は倒れて地面に転がる。グレーが腰に両手を当てる。
「これが『エレクトロニックアロー』さ……」
「物陰から山なりに放たれたら、意外と反応するのは難しいな……」
オレンジが頷く。
「ぬおおっ!」
エビ怪人が咆哮とともに巨大化した。シアンが声をかける。
「よし! 皆、エレクトロニックインパクト出撃だよ!」
五人が合体したエレクトロニックインパクトに乗り込む。エビ怪人がさらに咆哮する。
「ぬおおおっ!」
「ふむ、いつもより派手に飛び跳ねてますなあ……」
「いつもを知っとんのかい」
パープルの呟きにブラウンが突っ込みを入れる。
「グレー! お願い出来るかな⁉」
「任せておいてくれたまえ!」
シアンの指示を受け、グレーが左腕を操作し、腰部から鞭を取り出す。
「⁉」
「ちょっと大人しくしたまえ!」
「ぬおおおおっ⁉」
エレクトロニックインパクトが鞭を振るい、エビ怪人に当てる。攻撃を食らったエビ怪人が仰向けに倒れて爆散する。
「やったあ! 決まった! 『インパクトブレイク』!」
「ざっとこんなものさ……」
ガッツポーズを取るシアンと対照的にグレーがクールに振る舞う。
「おいっ! なんで全員集合していないんだ⁉ お前ら二人だけとはどういうことだ⁉」
喫茶店近くのグラウンドで命が輝と躍に問う。
「ええっと……」
輝が後頭部を抑える。
「たるんでいるんじゃないのか⁉」
「それについては否定しませんが……」
「まったく……どういうことなんだ⁉」
「そんなん答えは簡単ですよ……」
躍が口を開く。
「なんだ?」
「……朝早すぎますって!」
「そうか?」
命が腕を組んで首を捻る。
「そうですって! 今何時やと思っているんですか⁉」
命が時計を確認する。
「……4時だな」
「人によってはまだ深夜!」
躍が声を上げる。命も負けじと声を上げる。
「仕方がないだろう!」
「何が仕方ないんですか⁉」
「お前ら全員の都合がつくのが、月曜日の朝しかないのだから!」
「そ、それは……」
「それともなにか⁉ 個別にトレーニングするか⁉ 別にそれでも構わんぞ⁉」
「マ、マンツーマンはちょっと嫌やな……」
躍が小声で呟く。
「おはよう……」
「おはようさん……」
「お、おはようございます……」
そこに秀と心と凛が寝ぼけ眼のままグラウンドに現れる。命が頷く。
「よし、全員揃ったな! それではトレーニングを始めるぞ!」
「あ、あの! ウチらはeスポーツなんですよ……? 体がキツいのはちょっと……」
躍が恐る恐る確認する。命が再度頷く。
「分かっている! ちゃんとそれ用にメニューを組んだ! まずは『仁狼』だ!」
「朝から頭使うやつはキツいっす! おっ! 警報や! それじゃあ出動してきます!」
五人はこれ幸いとグラウンドを後にする。
「ふははっ!」
公園で怪人が派手に暴れている。
「そこまでだ!」
「んんっ⁉」
怪人が暴れているところにエレクトロニックフォースが駆け付ける。
「お、お前は……!」
グレーが怪人を見て驚く。
「ふん……」
「エビ怪人の……復活怪人!」
「えっ⁉」
シアンの意外な言葉にエビ怪人が面食らう。
「あら? 違った?」
シアンが首を捻る。
「なんでそこまで再生怪人をかたくなに避けるんだ……」
オレンジが呆れ気味に呟く。
「ま、まあいい! 来ると思っていたぞ、エレクトロニックフォース!」
「へえ、わたくしらがお目当てどすか?」
パープルが不思議そうに首を傾げる。
「この時間帯ならば貴様らが高確率で出動してくると思ったからな!」
「! げ、月曜日の朝にした甲斐があった……!」
シアンが目の辺りを抑える。
「何を目頭熱くしとんねん!」
ブラウンが声を上げる。シアンがそれにすかさず反応する。
「アタシたちの認知度が上がってきたんだよ⁉ これを喜ばないで何を喜ぶの⁉」
「お、おう……」
シアンにブラウンが気圧される。
「そっちで勝手に盛り上がるな! 貴様らを倒す!」
エビ怪人が公園の噴水に入り、そこでぴちぴちと飛び跳ねる。すると、水滴が銃弾のような鋭さでエレクトロニックフォースに襲いかかる。シアンが驚く。
「うわっ⁉」
エレクトロニックフォースはなんとかそれをかわす。物陰に隠れてオレンジが呟く。
「まさかあのような攻撃をしてくるとはな……」
「なかなかに厄介どすなあ……」
パープルが顎をさすりながら呟く。
「以前は戦闘員に戦わせていたが、単体でもやるね。なるほど、パワーアップしている……」
グレーが腕を組んで頷く。
「どないするんや⁉ 容易には近づけんで⁉」
ブラウンが皆に声をかける。
「まあ、それでも戦いようはあるさ……皆、こっちの物陰に来てくれ!」
グレーが手を空に掲げる。大きい武器が降ってくる。五人は集まった物陰でそれを受け止める。シアンがグレーに尋ねる。
「グレー! これは⁉」
「弓矢さ!」
「弓矢⁉」
「そうだ! 皆、弓の部分を持って、上の方に向けてくれ!」
「こ、こう⁉」
「良いぞ! ボクが矢を引っ張る! ……それっ!」
「ぐあっ⁉」
シアンが矢を離す。弓から放たれた矢が山なりの軌道を描いて、エビ怪人に突き刺さる。エビ怪人は倒れて地面に転がる。グレーが腰に両手を当てる。
「これが『エレクトロニックアロー』さ……」
「物陰から山なりに放たれたら、意外と反応するのは難しいな……」
オレンジが頷く。
「ぬおおっ!」
エビ怪人が咆哮とともに巨大化した。シアンが声をかける。
「よし! 皆、エレクトロニックインパクト出撃だよ!」
五人が合体したエレクトロニックインパクトに乗り込む。エビ怪人がさらに咆哮する。
「ぬおおおっ!」
「ふむ、いつもより派手に飛び跳ねてますなあ……」
「いつもを知っとんのかい」
パープルの呟きにブラウンが突っ込みを入れる。
「グレー! お願い出来るかな⁉」
「任せておいてくれたまえ!」
シアンの指示を受け、グレーが左腕を操作し、腰部から鞭を取り出す。
「⁉」
「ちょっと大人しくしたまえ!」
「ぬおおおおっ⁉」
エレクトロニックインパクトが鞭を振るい、エビ怪人に当てる。攻撃を食らったエビ怪人が仰向けに倒れて爆散する。
「やったあ! 決まった! 『インパクトブレイク』!」
「ざっとこんなものさ……」
ガッツポーズを取るシアンと対照的にグレーがクールに振る舞う。
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