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05 人の体と天使の心
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「神様、お呼びでございますか?」
「おお、ギャブリエ…
突然お呼びたてしてすみませんね。
実は、折り入ってあなたにやっていただきたいことがあるのです。」
「何でしょうか?」
「実は、ディディエのことなのですが…」
「ディディエが早速なにかやらかしたのですか?」
「そういうわけではないのですが…
昨日の出来事はあなたも知っていますね?」
「はい、もちろんです。
金のわっかをなくしてしまうとは、天使としてあるまじきこと!
あんな者は一生地上で修行すれば良いのです!」
「天使がそのように愛のない発言をするのは良くありませんね…
ディディエは、天使としてのチカラをすべて取り去られて地上に落とされたのですよ。
言ってみれば、今のディディエは人間と同じなのです。
ヘタをすれば命を落としてしまう事だってあるのですよ。
そうでなくても、あの者は非常にそそっかしい…
たとえば、高い吊り橋から足を滑らせるとか…あるいは、ころんだ拍子に落ちていた固い石に頭をぶつけてしまうとか…そんな危険もあるのですよ。
あなたはそんな彼のことが心配ではないのですか?」
「そ…そりゃあ、心配です。
ここにいる時からあの者はいつも私に心配ばかりかけていました。
そんなわけですから私も彼には他の天使よりずっと関わってきましたし、なんと言いますか…馬鹿な子程可愛い…そんな想いも強いのです。」
「そうだと思ってました。」
神様はギャブリエに向かって満足げに微笑む。
「では、あなたにはこれから地上に向かっていただきます。
任務は彼の身の安全を守ること。
あなたのチカラは地上に降りてもそのままです。
ただ…その姿では彼にあなただということがバレてしまいますから…少し姿を変えましょうね。」
「は…?
神様、一体、何を…」
ギャブリエの心の準備を待つ事なく、神様はその場でパチンと指を鳴らした。
「な、な、なんですか、これは!!」
「おぉ、あなたは女性の姿も良くお似合いですね。
とても美しい。
地上に降りたらきっとモテモテですよ。」
「か、神様…冗談はおよしになって下さい。
ディディエにはみつからないようについていきますから…」
「では、頼みましたよ。
あ、そうそう、あなたのチカラはそのままですが、ディディエが金のわっかをみつけるまでこちらへ戻る事だけは出来ませんからね。
通信用にこの石を持ってお行きなさい。
では、よろしく頼みます。」
「か、神様、ま、待って下さい!
ちょ…」
ギャブリエが言葉を言いきらないうちに神様は指を鳴らし、その音と同時にギャブリエの姿はその場から掻き消えた。
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「神様、お呼びでございますか?」
「おお、ギャブリエ…
突然お呼びたてしてすみませんね。
実は、折り入ってあなたにやっていただきたいことがあるのです。」
「何でしょうか?」
「実は、ディディエのことなのですが…」
「ディディエが早速なにかやらかしたのですか?」
「そういうわけではないのですが…
昨日の出来事はあなたも知っていますね?」
「はい、もちろんです。
金のわっかをなくしてしまうとは、天使としてあるまじきこと!
あんな者は一生地上で修行すれば良いのです!」
「天使がそのように愛のない発言をするのは良くありませんね…
ディディエは、天使としてのチカラをすべて取り去られて地上に落とされたのですよ。
言ってみれば、今のディディエは人間と同じなのです。
ヘタをすれば命を落としてしまう事だってあるのですよ。
そうでなくても、あの者は非常にそそっかしい…
たとえば、高い吊り橋から足を滑らせるとか…あるいは、ころんだ拍子に落ちていた固い石に頭をぶつけてしまうとか…そんな危険もあるのですよ。
あなたはそんな彼のことが心配ではないのですか?」
「そ…そりゃあ、心配です。
ここにいる時からあの者はいつも私に心配ばかりかけていました。
そんなわけですから私も彼には他の天使よりずっと関わってきましたし、なんと言いますか…馬鹿な子程可愛い…そんな想いも強いのです。」
「そうだと思ってました。」
神様はギャブリエに向かって満足げに微笑む。
「では、あなたにはこれから地上に向かっていただきます。
任務は彼の身の安全を守ること。
あなたのチカラは地上に降りてもそのままです。
ただ…その姿では彼にあなただということがバレてしまいますから…少し姿を変えましょうね。」
「は…?
神様、一体、何を…」
ギャブリエの心の準備を待つ事なく、神様はその場でパチンと指を鳴らした。
「な、な、なんですか、これは!!」
「おぉ、あなたは女性の姿も良くお似合いですね。
とても美しい。
地上に降りたらきっとモテモテですよ。」
「か、神様…冗談はおよしになって下さい。
ディディエにはみつからないようについていきますから…」
「では、頼みましたよ。
あ、そうそう、あなたのチカラはそのままですが、ディディエが金のわっかをみつけるまでこちらへ戻る事だけは出来ませんからね。
通信用にこの石を持ってお行きなさい。
では、よろしく頼みます。」
「か、神様、ま、待って下さい!
ちょ…」
ギャブリエが言葉を言いきらないうちに神様は指を鳴らし、その音と同時にギャブリエの姿はその場から掻き消えた。
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