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05 人の体と天使の心
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(上位の天使である私がなぜこんなことに…
ディディエの警護など、もっと下位の天使にやらせておけば良いものを…
あぁ、それにしてもこの人間の身体というものはなんと扱いにくい事か…
荷物のせいで肩は痛いし、足も痛い。
どこかに移動しようにもいちいち歩いていかねばならない。
食べたり眠ったりしないと疲れは取れないし、食べたら食べたで排泄もしなくてはいけない…
なんと面倒で原始的なものなんだろう…最悪だ…)
ギャブリエは、ふと足を留め空を見上げると大きな溜息を吐いた。
(あの神様はどうも底意地の悪い所がある。
ディディエに私だということがバレたらいけないというのなら、ただ姿を見えないようにすれば良いものを…
いや、もともとほとんどの人間には私達・天使の姿は見えないのだから、人間になったディディエにも見えないはずだし、私をわざわざ人間にする必要性などどこにもないのに…
きっとこれは神様の意地悪なんだ…神様はきっと愛ゆえの試練だとおっしゃるだろうけど…
あぁ…なんだか疲れた。
ちょっと休もう…)
ギャブリエは木陰に腰を降ろし、ぐびぐびと水筒の水を飲んだ。
(重い荷物のせいか、久しぶりに足を使ってこんなに歩いたせいなのか…?)
『いいえ、違います。』
「だ、誰だ?!」
『ギャブリエ様、私です。
皮袋の中の瑠璃ですよ。』
「瑠璃?」
ギャブリエの首から下げた皮袋の中のラピスラズリが温かくなっている。
「確か、通信用の石と聞いていたが…」
『そうです。
私があなたから神様への伝言を伝えます。
逆に神様からあなたへの伝言も。
それと困った時のナビゲーターみたいなこともして差し上げます。
それから、ディディエ様の場所を探すレーダーとしての役目も担ってます。
すごいでしょ?』
「ナビゲーターにレーダーねぇ…
それで、なんだ?さっきの『違う』ってのは何が違うっていうんだ?」
『あぁ、それですか。
あなたがお疲れになった原因は、もちろん人間の身体を使って歩いたこともありますが、一番はさっき無駄遣いされたチカラのせいです。』
「無駄遣いしたチカラ?
もしかして、雷のことか?」
ディディエの警護など、もっと下位の天使にやらせておけば良いものを…
あぁ、それにしてもこの人間の身体というものはなんと扱いにくい事か…
荷物のせいで肩は痛いし、足も痛い。
どこかに移動しようにもいちいち歩いていかねばならない。
食べたり眠ったりしないと疲れは取れないし、食べたら食べたで排泄もしなくてはいけない…
なんと面倒で原始的なものなんだろう…最悪だ…)
ギャブリエは、ふと足を留め空を見上げると大きな溜息を吐いた。
(あの神様はどうも底意地の悪い所がある。
ディディエに私だということがバレたらいけないというのなら、ただ姿を見えないようにすれば良いものを…
いや、もともとほとんどの人間には私達・天使の姿は見えないのだから、人間になったディディエにも見えないはずだし、私をわざわざ人間にする必要性などどこにもないのに…
きっとこれは神様の意地悪なんだ…神様はきっと愛ゆえの試練だとおっしゃるだろうけど…
あぁ…なんだか疲れた。
ちょっと休もう…)
ギャブリエは木陰に腰を降ろし、ぐびぐびと水筒の水を飲んだ。
(重い荷物のせいか、久しぶりに足を使ってこんなに歩いたせいなのか…?)
『いいえ、違います。』
「だ、誰だ?!」
『ギャブリエ様、私です。
皮袋の中の瑠璃ですよ。』
「瑠璃?」
ギャブリエの首から下げた皮袋の中のラピスラズリが温かくなっている。
「確か、通信用の石と聞いていたが…」
『そうです。
私があなたから神様への伝言を伝えます。
逆に神様からあなたへの伝言も。
それと困った時のナビゲーターみたいなこともして差し上げます。
それから、ディディエ様の場所を探すレーダーとしての役目も担ってます。
すごいでしょ?』
「ナビゲーターにレーダーねぇ…
それで、なんだ?さっきの『違う』ってのは何が違うっていうんだ?」
『あぁ、それですか。
あなたがお疲れになった原因は、もちろん人間の身体を使って歩いたこともありますが、一番はさっき無駄遣いされたチカラのせいです。』
「無駄遣いしたチカラ?
もしかして、雷のことか?」
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