Angel's Ring

05 人の体と天使の心

４

『そうです。
今までとは違い、人間の身体を遣われているあなたはチカラを遣われるごとに体力を消耗されます。
ですから大きなチカラをお遣いになる時はお気をつけ下さい。
あなたは人間でも体力の少ない方の女性になっておられるのですから、考えてお遣いにならないと、いざという時に困ることになりかねませんよ。』

「ええええーーーーっっ！
そ、そんなこと、聞いてないぞ！！」

『でも、そうなっているのですから仕方がありません。
天使の時のように、好きなように好きなだけ遣ってたら大変なことになりますよ。』

「な、な、な、な………」



（ち、畜生！！あの神様はやっぱり鬼だ…
チカラはそのままって…、それは真実だが、それ以外はひどいことばっかりじゃないかーーー！！
うーーーーー！！）



一際大きな雷が、激しい轟音と共にギャブリエの近くに落ちた。




『あらあら…ご忠告したばかりなのにまたそんな無駄遣いを…
あ、それと神様からの伝言ですが、「もっと女らしい言葉遣いをするように」…とのことです。』

「うるさい！！」

大きな声で怒鳴った途端に、ギャブリエは軽いめまいを感じよろめいた。



『ほらほら、言わないことじゃない。
今日は宿で早めにお休みになった方が良いのではありませんか？』

「…………」

ギャブリエはゆっくりと立ちあがり、黙って宿の方に歩き出した。



 （ち…畜生…
ハメられた…
私は、神様の陰謀にハメられたんだ、きっと…）

青い顔をしたギャブリエは、重い足取りで歩いていく…