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06 はじめて経験したこと
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「はぁぁぁぁ…」
広い原っぱと畑が広がるその風景を目の前に、私は深い溜息を吐いていました。
「いけませんね…
あなたは、溜息を1つ吐いたら幸せが1つ逃げていくという言い伝えを知らないのですか?
今、あなたの幸せが1つ逃げていったのですよ。
さぁ、そんな顔をしてないで笑いましょう!」
私は、暗い顔ををして溜息を吐く人間によくそんなことを言ってましたが、そんなことを言う資格は私にはなかったようです。
こんなことくらいで、くじけてしまうなんて…
(さぁ、顔を上げて元気に行きましょう!)
私は空元気を出して、歩き出しました。
空は真っ青に澄み渡り、所々に白いくもがぽっかりと浮かんで流れています。
こんな風に地上から空を見上げるなんてことは、めったにありません。
こういう風景が見られるのも、地上に落とされたおかげです!
少し無理をしながら、そんな風に前向きに考えるようにしてみました。
前向きな気持ちこそが幸せへの道標ですから。
「あ…あぁっ!」
なんてことでしょう。
空ばかり見ていたせいか、私は足もとの石ころに気がつかず転んでしまったのです。
「うわぁ~!」
私の真っ白な足首まである長いローブのひざのあたりには穴が空き、赤く染まっているのです。
「血…血…血ですよぉ~!!」
な、な、なぜ、私の身体から赤い血が…これじゃあ、まるで人間みたいじゃないですか…!
そう思った途端、私の背筋には冷たいものが走りました。
(も、も、も、もしかしたら、私は、翼がなくなっただけじゃなくて、身体も人間になったのですか?!)
ど、ど、ど、どうしましょう?
もしも、私の推測通りだとしたら、私はちょっとしたことでも死んでしまうかもしれないのです!
人間の身体というのは脆いものですから、ちょっと崖から足を滑らせたり、海に沈んだり、馬車に轢かれた程度でも死んでしまうのです。
それだけではありません。
病気や、人間同士の争いによっても簡単に命を落としてしまうのです。
私は目の前が真っ暗になりました。
もう溜息どころの話ではありません。
広い原っぱと畑が広がるその風景を目の前に、私は深い溜息を吐いていました。
「いけませんね…
あなたは、溜息を1つ吐いたら幸せが1つ逃げていくという言い伝えを知らないのですか?
今、あなたの幸せが1つ逃げていったのですよ。
さぁ、そんな顔をしてないで笑いましょう!」
私は、暗い顔ををして溜息を吐く人間によくそんなことを言ってましたが、そんなことを言う資格は私にはなかったようです。
こんなことくらいで、くじけてしまうなんて…
(さぁ、顔を上げて元気に行きましょう!)
私は空元気を出して、歩き出しました。
空は真っ青に澄み渡り、所々に白いくもがぽっかりと浮かんで流れています。
こんな風に地上から空を見上げるなんてことは、めったにありません。
こういう風景が見られるのも、地上に落とされたおかげです!
少し無理をしながら、そんな風に前向きに考えるようにしてみました。
前向きな気持ちこそが幸せへの道標ですから。
「あ…あぁっ!」
なんてことでしょう。
空ばかり見ていたせいか、私は足もとの石ころに気がつかず転んでしまったのです。
「うわぁ~!」
私の真っ白な足首まである長いローブのひざのあたりには穴が空き、赤く染まっているのです。
「血…血…血ですよぉ~!!」
な、な、なぜ、私の身体から赤い血が…これじゃあ、まるで人間みたいじゃないですか…!
そう思った途端、私の背筋には冷たいものが走りました。
(も、も、も、もしかしたら、私は、翼がなくなっただけじゃなくて、身体も人間になったのですか?!)
ど、ど、ど、どうしましょう?
もしも、私の推測通りだとしたら、私はちょっとしたことでも死んでしまうかもしれないのです!
人間の身体というのは脆いものですから、ちょっと崖から足を滑らせたり、海に沈んだり、馬車に轢かれた程度でも死んでしまうのです。
それだけではありません。
病気や、人間同士の争いによっても簡単に命を落としてしまうのです。
私は目の前が真っ暗になりました。
もう溜息どころの話ではありません。
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